2022年11月30日
地球環境保全への貢献 〜生産拠点における森林整備を通じた水源保全活動〜
中外製薬グループは、「中外製薬グループ コード・オブ・コンダクト(CCC)」に掲げる地球環境保全への貢献を目指し、地球環境への影響を最小限に抑制する取り組みを積極的に推進しています。その中で、製薬にとって重要な原材料の一つであり、かつ、世界的に大事な資源である水を有効に活用するために、事業活動における健全な水循環システムの構築を目指しています。
「中外製薬グループ コード・オブ・コンダクト(CCC)」について詳しくはこちらをご覧ください
その取り組みの一つとして、2019年より、当社の藤枝工場で使用する水の水源となる静岡県川根本町で、森林保全ボランティア活動を継続して実施しています。2022年も11月4日、NPO法人かわね来風の指導のもと、藤枝工場の従業員とその家族が間伐作業1)を行いました。
また、2022年より、浮間工場の水源となる埼玉県秩父郡にも活動を広げ、10月9日、公益社団法人埼玉県農林公社の指導のもと、中外製薬グループの従業員とその家族が間伐作業を行いました。今回実施した間伐作業に加え、植林・枝打ち・下草刈りを行っていくことで、水源涵養機能2)をもった健全な森林を守っていくことができます。
中外製薬グループでは、この活動のほかに国内すべての工場・研究所から排出される排水について、生物多様性の保全を確保するために、法に基づいた水質検査はもとより、生物応答を利用した排水管理手法である全排水毒性(WET)試験3)を実施しています。これは、中外グループの事業所からの排水が自然環境へ影響を及ぼさないことを、総合的に確認することを目的にしています。生産拠点における水源保全活動は、排水管理だけでなく、将来にわたって水資源を保全していく活動に発展させるものとなっています。生産活動における水の使用量削減、排水管理に加え、森林保全のボランティア活動などを通じて、当社の生産活動を地球環境に及ぼす影響を最小限に抑えるだけでなく、流域に住む方々と共同で使う豊かな水資源の保全に貢献していきたいと考えています。この活動は、SDGsの水の安全性や海・陸の保全の目標達成にもつながります。
中外製薬グループは、水を大切に使い、きれいにして自然に返すことを事業活動の中で実践し、さらに水を育んでくれる森林を整備するこの活動を今後も継続することで、自然との共生社会の構築に貢献します。
1)間伐作業:森が茂りすぎるのを防ぐために、一部の木を伐採し適正な密度の健全な森林に導く作業です。間伐することで、それぞれの樹木へ日光を届けることができ、さらに低木の育成も促すことができるため、健全な森林に導くことができます。
2)水源涵(かん)養機能:樹木が大地にしっかりと根を張ると、雨水はすぐに森林から流れ出ることなく、地中(土壌)に浸透し、地下水となりゆっくりと流れ出ます。このことで土壌の流出も防ぎ、洪水や渇水を緩和し、澄んだ美しい水を私たちに供給してくれる働きです。
3)全排水毒性試験:全排水毒性(WET:Whole Effluent Toxicity)試験とは、排水中に混ざり合った物質の毒性を、藻類・甲殻類(ミジンコ)・魚類の3種の水棲生物の生物応答により評価する方法です。排水中の化学物質の個々の影響ではなく、複合的な影響を評価することができます。
森林保全ボランティア活動 参加者からのコメント
人事部 人事企画グループ 福原有吾
私がこの活動に参加したきっかけは、小5の息子の夏休みの自由研究でした。一緒に訪問した奥多摩の「水と緑のふれあい館」で、普段当たり前のように利用している水道水がどのようにして維持されているのかを学び、水源林の役割とその水源林を維持する為に尽力されている水道局の皆様の活動についてはじめて知りました。この事をきっかけに息子も森林保全活動に興味を持ち、親子で参加することになりました。
実際に森林保全活動に参加し、息子も水源林を維持する為に日々奮闘されている皆様の大変さと情熱を感じ取り、水の大切さと資源を大事に扱う気持ちが強くなったようです。機会があればぜひまた参加したいと思います。