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2025年01月30日

  • 医薬品
  • 研究開発

中外製薬とGSK、抗デングウイルス抗体AID351のコラボレーション契約を締結

  • 開発途上国で蔓延する顧みられない熱帯病の一つであるデング熱に対して、新たな抗体医薬品を開発するコラボレーション契約を締結

  • 中外製薬とGSKとのコラボレーションを通じて、新たな治療提供の機会を探索する

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、GSKのグローバルヘルスユニット(以下、GSKグローバルヘルス)と、抗デングウイルス抗体の開発に関するコラボレーション契約を本日締結しましたので、お知らせいたします。本契約により、GSKグローバルヘルスはAID351の臨床試験開始に向けた活動と資金調達の可能性評価を実施します。

 世界保健機関(WHO)が定める「顧みられない熱帯病(NTDs)」の一つであるデング熱を克服するための抗デングウイルス抗体共同開発プロジェクトは、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(A*STAR SIgN)シンガポール国立大学(NUS)由来の抗体をリードとして、中外製薬グループのシンガポールにおける研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)とA*STAR SIgNのコラボレーションにより研究開発が進められ、この間、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から2度の助成金支給を受けてきました。

 GSK Chief Global Health OfficerのDr. Thomas Breuerは、「GSKグローバルヘルスが目指すのは、低所得国における高負担の感染症の状況を変えることです。デング熱は、治療に格差が生じている顧みられない熱帯病の一つです。この病気は、蚊の生息に適した気候条件の熱帯または亜熱帯地域の国々に存在し、貧困が効率的な医療サービスへのアクセスを妨げています。私たちの使命は、科学、技術、そして人材を結集し、共に疾病に先んじることです」と述べています。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「当社は、『革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献すること』をミッションとして掲げ、グローバルヘルスへの貢献に向けた取り組みを進めています。今回、GSKグローバルヘルスとのコラボレーションを通じて、顧みられない熱帯病の一つであるデング熱の治療法の開発をさらに加速させ、世界で苦しむ患者さんに希望をもたらすことを目指します。この深刻な社会課題の解決に向けて、革新的な治療法の実現に大きく前進できると期待しています」と述べています。

中外製薬は、世界のロールモデルとなる企業を目指して、社会課題解決に貢献するグローバルヘルス活動を推進してまいります。

【ご参考】

中外製薬・A*STARの抗デングウイルス抗体 共同開発プロジェクトに対し、GHIT Fundが継続的助成を決定
(2019年3月29日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190329150000_836.html

中外製薬・A*STARの抗デングウイルス抗体共同開発プロジェクトがGHIT Fundの助成案件に選定
(2017年3月30日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20170330090100_120.html

 

【デング熱について】
 デング熱は、蚊を媒介とする熱性疾患で、熱帯および亜熱帯の都市化された地域で急速に広がっています。重症化すると、重篤で致死的なデング出血熱やデングショック症候群に進行し、アジアおよびラテンアメリカの多くの国で入院と死亡の主な原因になっています。世界保健機関(WHO)によると、世界で年間約3億9,000万人がデングウイルスに感染し、そのうち推定50万人が重症化し入院治療を必要としているものの、現在有効なデング熱治療薬は存在していません。

 

【AID351について】
 デング熱を引き起こすデングウイルスには、4種の異なる血清型の存在が知られています。A*STAR SIgNとNUSは、これらすべてのデングウイルスの血清型に高い中和活性を示す新規ヒト抗体を見出し、CPRが中外製薬独自の抗体エンジニアリング技術を応用して抗体の最適化を手がけ創製された抗体医薬品です。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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