中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年03月29日

中外製薬・A*STARの抗デングウイルス抗体 共同開発プロジェクトに対し、GHIT Fundが継続的助成を決定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、2015年よりシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)と共同研究を行っている抗デングウイルス抗体開発プロジェクトが、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund:GHIT Fund)より、2017年度に引き続き助成案件に選定されましたので、お知らせいたします。

 本プロジェクトは、中外製薬がシンガポールに有する研究拠点の中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)と、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)とのコラボレーションにより、デングウイルスに対する新たな抗体医薬品の創製を目指すものです。このたび、GHIT Fundが掲げる「開発途上国で蔓延する顧みられない熱帯病の制圧」に資するものと継続して認められ、約4.9億円の助成金が支給されることとなりました。

 GHIT FundのCEOであるDr. BT Slingsbyは、「中外製薬およびA*STARによる、デング熱の世界的負担に対して闘う抗デングウイルス抗体の治療薬の開発を継続して支援することを嬉しく思います」と述べています。

 A*STAR Biomedical Research CouncilのExecutive DirectorであるDr. Benjamin Seetは、「デング熱は、シンガポールにとって地域的な脅威であり続けています。医療機関では、デングウイルスが引き起こす重篤で命にかかわる病気が毎年見られています」と述べるとともに、「中外製薬との緊密な連携やGHIT Fundのサポートにより、このウイルスに対する効果的な抗体開発は、大きく進展しています。この抗体の臨床応用に成功すれば、多くの命を救えることでしょう」と語っています。

 中外製薬 代表取締役副会長の上野 幹夫は、「中外製薬は、革新的新薬を核としたイノベーションを通じ、社会課題の解決に貢献することを目指しています」と述べるとともに、「顧みられない熱帯病に苦しむ世界の患者さんの健康に貢献できるよう、一日も早い臨床試験の開始を目指し、A*STARと共に前臨床研究を進めてまいります」と語っています。

 多くの開発途上国を含む流行地域における医療および人々の健康に貢献するため、症状の早期軽減や重症化の予防などデング熱治療法の確立を目指して、引き続きプロジェクトの推進に邁進してまいります。

以上

【ご参考】
中外製薬・A*STARの抗デングウイルス抗体共同開発プロジェクトがGHIT Fundの助成案件に選定
(2017年3月31日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20170330090100_120.html

【抗デングウイルス抗体に対する中外製薬とA*STARの共同プロジェクトについて】
 本プロジェクトは、中外製薬グループがシンガポールに有する研究拠点の中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)と、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)とのコラボレーションによって生まれたものです。デング熱を引き起こすデングウイルスには、4種の異なる血清型の存在が知られており、SIgNの研究者は、これらすべてのデングウイルスの血清型に高い中和活性を示す新規ヒト抗体を見出し、CPRが中外製薬独自の抗体改変技術を応用して抗体の最適化を手がけました。本プロジェクトは、デングウイルスに対する新たな抗体医薬品の創製を目指すもので、GHIT Fundが掲げる「開発途上国で蔓延する顧みられない熱帯病の制圧」に資すると認められた結果、2017年には約5.3億円の助成金が支給されています。

【デング熱について】
 デング熱は、蚊を媒介とする熱性疾患で、熱帯および亜熱帯の都市化された地域で急速に広がっています。重症化すると、重篤で致死的なデング出血熱やデングショック症候群に進行し、アジアおよびラテンアメリカの多くの国で入院と死亡の主な原因になっています。世界保健機関(WHO)によると、世界で年間約3億9,000万人がデングウイルスに感染し、そのうち推定50万人が重症化し入院治療を必要としているものの、現在有効なデング熱治療薬は存在していません。

【公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
 公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、結核やマラリア、「顧みられない熱帯病(NTDs)」等の、特に開発途上国で蔓延する感染症の制圧を目指して、日本政府、製薬企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、国連開発計画による拠出資金によって2013年4月に設立されました。GHIT Fundは、日本と海外の研究機関の連携促進や助成金交付を通して医薬品、ワクチン、診断薬の研究・開発を支援・推進しています。
 GHIT Fundについての詳細は、https://www.ghitfund.org/jpをご参照ください。

【中外製薬について】
 中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
 中外製薬に関するさらに詳しい情報は、https://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧ください。

【中外ファーマボディリサーチ(CPR)について】
 CPRは、日本のバイオ医薬品のリーディングカンパニーである中外製薬の完全子会社として、2012年にシンガポールに設立されました。中外製薬が独自に開発した革新的な抗体改変技術である「リサイクリング抗体」や「スイーピング抗体」を活用し、ファースト・イン・クラス、ベスト・イン・クラスの医薬品の創製に向け、様々な標的に対する抗体医薬品の研究に従事しています。また、2018年より新規抗体改変技術の開発にも取り組んでおります。
 CPRに関するさらに詳しい情報は、https://www.chugai-pharmabody.com/をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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