2017年03月30日

中外製薬・A*STARの抗デングウイルス抗体共同開発
プロジェクトがGHIT Fundの助成案件に選定

シンガポール科学技術研究庁
中外製薬株式会社

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:永山 治)とシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)が2015年より共同研究を行っている抗デングウイルス抗体開発プロジェクトが、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund:GHIT Fund)より助成案件に選定されましたので、お知らせいたします。

本プロジェクトは、中外製薬グループがシンガポールに有する研究拠点の中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)と、A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)とのコラボレーションによって生まれました。デング熱を引き起こすデングウイルスには、4種の異なる血清型の存在が知られています。SIgNの研究者は、これらすべてのデングウイルスの血清型に高い中和活性を示す新規ヒト抗体を見出し、CPRが中外製薬独自の抗体改変技術を応用して抗体の最適化を手がけました。本プロジェクトは、デングウイルスに対する新たな抗体医薬品の創製を目指すもので、このたび、GHIT Fundが掲げる「開発途上国で蔓延する顧みられない熱帯病の制圧」に資すると認められた結果、約5.3億円の助成金が支給されることとなりました。

デング熱は、蚊を媒介とする熱性疾患で、熱帯および亜熱帯の都市化された地域で急速に広がっています。重症化すると、重篤で致死的なデング出血熱やデングショック症候群に進行し、アジアおよびラテンアメリカの多くの国で入院と死亡の主な原因になっています。世界保健機関(WHO)によると、世界で年間約3億9000万人がデングウイルスに感染し、そのうち推定50万人が重症化し入院治療を必要としているものの、現在有効なデング熱治療薬は存在していません。

多くの開発途上国を含む流行地域における医療および人々の健康に貢献するため、当プロジェクトでは、デング熱による症状の早期軽減や致死的な重症化の予防など、デング熱治療法の確立を目指してまいります。

A*STARのLim Chuan Poh長官は、「デングは、SIgNにおいて常に最も優先順位の高い研究テーマです。我々の研究者は、デングをはじめ、蚊を媒介とする疾患に対するより良い診断、予防、治療法の開発に向けて取り組んでいます。この結果、熱帯感染症の検出のための『Lab-on-a-Chip』が開発され、特定のヒト皮膚細胞がデングウイルス感染の拡大を促進する理由の解明に寄与しています」と述べるとともに、「A*STARと中外製薬との提携は、デング治療を進展させ、インパクトのある治療成果を生み出し続けるでしょう。GHITによる資金提供は、世界の主要な感染症の一つであるデング熱と闘う官民パートナーシップである本研究プロジェクトの優位性を裏付けるものといえます」と語っています。

中外製薬代表取締役会長 CEOの永山 治は、「当社は、『革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献すること』をミッションとして掲げ、グローバルヘルスへの貢献に向けた取り組みを進めています」と述べるとともに、「今回の選定は、当社独自の抗体改変技術とSIgNが有するデングウイルスへのバイオロジーの専門性とのコラボレーションのたまものです。この全く新しい抗体が、デングウイルス感染の蔓延に歯止めをかけることを願っています」と語っています。

以上

【公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、エイズ、結核やマラリア、「顧みられない熱帯病(NTDs)」等の、特に開発途上国で蔓延する感染症の制圧を目指して、日本政府、製薬企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、国連開発計画による拠出資金によって2013年4月に設立されました。GHIT Fundは、日本と海外の研究機関の連携促進や助成金交付を通して医薬品、ワクチン、診断薬の研究・開発を支援・推進しています。
GHIT Fundについての詳細は、https://www.ghitfund.org/jpをご参照ください。

【顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases:NTDs)について】
熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫、細菌、ウイルス感染症のことで、世界では年間約10億人が感染し、50万人が死亡していると言われています。NTDsは先進国ではほとんど症例がないため、これまで世界の関心を集めることがありませんでした。NTDsの多くは寄生虫疾患で、奇形や盲目などの重度な身体障害をともなう場合がありますが、予防と治療が可能な疾患も少なくありません。

【シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)について】
A*STARは、科学的発見を進め、革新的技術を開発するための経済指向研究を主導するシンガポールの公的機関です。オープンイノベーションを通じて社会に寄与するために、A*STARは官民とパートナーシップを結びコラボレーションを行っています。
科学技術系の研究機関として、アカデミアと産業界の架け橋となっています。我々の研究は、シンガポールの経済成長と雇用を生み出し、さらには医療における転帰の改善、都市生活、サステナビリティ等の社会的ベネフィットに貢献することにより、生活の向上に寄与しています。
また、A*STARを含め、研究機関、広範な研究コミュニティや産業界における多様な人材やリーダーを育成する上で重要な役割を果たしています。A*STARは、主にBiopolisおよびFusionopolisに拠点を置く18の生物医学および物理学、エンジニアリング研究機関を監督しています。
A*STARに関するさらに詳しい情報は、https://www.a-star.edu.sg/ をご覧下さい。

【シンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)について】
SIgNは、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の生物医学研究評議会の研究コンソーシアムとして2006年2月10日に発足し、ヒト免疫学研究の進展や、主要な医療課題の解決を目指す国際的な取り組みに従事しています。 発足以来、SIgNは急速な成長を遂げ、現在18名の著名な主任研究員のもとに、世界25カ国から200名の研究員が働いています。研究員は、最先端の技術を用いた研究プラットフォームとコアサービスを利用し、感染時や癌をはじめとする様々な炎症下における免疫について研究を行っています。これらの活動を通じ、SIgNは研究成果の臨床応用に向け、ヒト免疫学の基礎研究の盤石なプラットフォームを構築することを目指しています。また、SIgNは国内外の機関と有効な連携を築き、産学および医療機関とのアイデア交換や専門知識の交流を促進することにより、シンガポールの活力ある研究環境に貢献しています。
A*STARに関するさらに詳しい情報は、https://www.a-star.edu.sg/sign/ をご覧ください。

【中外製薬について】
中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。特に「がん」領域を中心に、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
国内では、御殿場、鎌倉の研究拠点が連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。海外では、シンガポールに拠点を置く中外ファーマボディ・リサーチが革新的な抗体創製技術を駆使し新規抗体医薬品の創製に特化した研究を行っています。また、米国と欧州では、中外ファーマ・ユー・エス・エー中外ファーマ・ヨーロッパが臨床開発活動を行っています。2016年の連結売上高は4,918億円、営業利益は806億円(Coreベース)でした。
中外製薬に関するさらに詳しい情報は、https://www.chugai-pharm.co.jp/ をご覧ください。

【中外ファーマボディリサーチ(CPR)について】
CPRは、日本のバイオ医薬品のリーディングカンパニーである中外製薬の完全子会社として、2012年にシンガポールに設立されました。中外製薬が独自に開発した革新的な抗体改変技術である「リサイクリング抗体」や「スイーピング抗体」を活用し、ファースト・イン・クラス、ベスト・イン・クラスの医薬品の創製に向け、様々な標的に対する抗体医薬品の研究に従事しています。
CPRに関するさらに詳しい情報は、https://www.chugai-pharmabody.com/ をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ先
Agency for Science, Technology and Research (A*STAR)
Media Relations, Corporate Communications
Sunanthar Lu
Tel: +65-6517-1966
E-mail: Sunanthar_Lu@scei.a-star.edu.sg

中外製薬株式会社
広報IR部
メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
E-Mail: pr@chugai-pharm.co.jp

インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
E-Mail: ir@chugai-pharm.co.jp

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