副会長が語る中外製薬のサステナビリティ

代表取締役副社長 EHS推進、リスク管理、コンプライアンス、監査統括 上野 幹夫

サステナビリティの考え方

人々の健康で豊かな生活の実現は、世界共通の願いです。関東大震災による薬不足を憂いて創業した中外製薬は、以来一貫して、「世界の医療と人々の健康への貢献」という使命を持ち、企業活動を行ってきました。常に、患者さんの価値と社会の持続性を根幹に置いた経営を行ってきたとも言えます。
そのため、中外製薬にとっては、ミッションに掲げる、この「世界の医療と人々の健康への貢献」に向けた企業活動すべてが、当社と社会の持続可能な発展、すなわちサステナビリティの取り組みそのものだととらえています。
その取り組みは、革新的な医薬品の提供を軸としていますが、それだけではありません。一人ひとりの患者さんに即した最適な治療が実現できるよう、各種情報提供や医療施設連携の促進、行政や取引先などと連携した疾患啓発活動などを通じ、標準治療の均てん化、デジタル技術などを駆使した個別化医療の促進、潜在患者さんの早期治療に取り組んできました。その結果、患者さん中心の高度で持続可能な医療の実現を目指した当社の画期的な製品が多く選択され、中外製薬も成長を遂げることができています。

今後の重点課題

しかし、近年の地球環境問題や経済格差の拡大など社会システムの持続性に対する危機の高まりに加え、昨今の予測不能な社会環境の急激な変化の中で、社会課題の解決と中外製薬の持続的な成長を遂げていくには、長期的な視点でこれらの社会課題と真摯に向き合い、事業活動としての取り組みを一層進化させていく必要があります。中外製薬では、経営の基本方針である、社会との「共有価値の創造」を実現し、社会全体の持続性向上への寄与と当社グループの長期的発展に繋げるため、2030年に向けた新たな成長戦略「TOP I 2030」を策定しました。

TOP I 2030」では、新成長戦略を実現するための改革の一つとして「成長基盤改革」を掲げています。その重点分野の一つとなっている「環境」については、気候変動対策、循環型資源利用、生物多様性保全などへの対応を従来以上に積極的に実行していきます。加えて、社会からの期待や要請が大きい、人権、コンプライアンス、健康経営などへの対応についても引き続きその取り組みを強化し、ESG活動を積極的に推進していきます。また、「共有価値の創造」に向けたイノベーションの創出に欠かせないのは人財です。中長期を見据えた人財マネジメントの高度化、従業員エンゲージメントの向上、イノベーションを牽引する高度かつ多様な人財の育成や果敢なチャレンジを推奨する組織風土の強化にも取り組んでいきます。社内での取り組みを進める一方で、社外とのパートナーシップも充実させていきます。持続可能な社会の実現という高い目標を達成するためには、中外製薬と同じ価値観や思想を共有できる社外のパートナーと協働することが不可欠です。パートナーシップを通じてイノベーションの追求を加速し、患者さんをはじめとするステークホルダーからの期待や要請に応えていきます。これらの戦略実行を通じて、今後も企業と社会の「共有価値創造」による企業価値の最大化に取り組むことにより社会とともに成長し、2030年には社会課題解決をリードする企業として世界のロールモデルとなるような会社を目指したいと考えています。

そのためには、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みも重要です。SDGsの目的・思想に対しては全面的に賛同しており、今回策定した成長戦略は、まさに歩みをともにするものだととらえています。なかでも、開発目標の「3 すべての人に健康と福祉を」は、中外製薬のミッションそのものであり、最重点目標として取り組むとともに、「8 働きがいも経済成長も」、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」、「12 つくる責任 使う責任」、「17 パートナーシップで目標を達成しよう」などについても、経営としてコミットし、積極的な取り組みを進めていきます。

(2021年2月更新)

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共有価値の創造

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