2024年02月07日
カンボジアの医療関係者を対象とした第4回チーム医療ワークショップを開催
~ Co‐Creation Zoo: Artistic Approach to Team Building Workshop ~
飛躍的な経済成長の一方、カンボジアの保健・衛生事情は未だ発展途上であり、国民の医療・衛生に関する知識不足、保険制度の不備、医療設備の不足など、解決すべき課題が数多く残されています。とりわけ医療関係者の絶対数の不足は深刻であり、国民の質の高い医療へのアクセスを阻む大きな障害となっています。この課題の解決に向け、中外製薬は特定非営利活動法人ジャパンハート(以下、ジャパンハート*¹)と共にカンボジアにおける第4回 チーム医療ワークショップを2023年12月15日と16日に開催しました。
中外製薬は、医療のさまざまな担い手が目的と情報を共有し、互いに連携・補完したうえで医療を提供する「チーム医療」の日本国内での推進に長年携わってきました。この経験をもとに、限られた人的資源の連携を支援し、カンボジアにおける質の高い医療の実現に貢献すべく、現地の医療関係者を対象とするチーム医療のワークショップを2020年から開催しています。4度目となる今回は、新たなコミュニケーションWS 「Co‐Creation Zoo: Artistic Approach to Team Building Workshop(MSC*²提供)」 を実施致しました。
過去の活動内容は以下のリンクからご覧ください。
2022年の活動 2021年の活動 2020年の活動
当日のワークショップの様子
写真提供:ジャパンハート
WSのグループ分けについては、より議論を深めるため日本人とクメール人スタッフに分け両グループとも母国語で行いました。それぞれのグループの意見の共有については、クメール人の日本語通訳者を通じ参加者全員にフィードバックすることで双方の思いをより深く理解し、普段、お互いが気づかなかったコミュニケーションの課題や理想のJapan Heart像を個々に描きその思いを共有することが出来ました。
今後も中外製薬の強みを活かした継続的な支援活動により、患者中心の高度で持続可能な医療の提供を目指し、引き続きグローバルヘルスへの貢献に努めていきます。
参加者のコメント
ジャパンハート 理事・医師・カンボジア病院事業責任者 神白 麻衣子氏
今回は、組織を動物園にたとえて表現し、理想の組織について対話する内容のワークショップを行っていただきました。言語の壁にご配慮いただいた内容により、考えていることが絵になり、見える化されたこと、日本人、カンボジア人を分け、職種を混ぜたグループ構成により、同じ人種内でも普段話さないことを話せたこと、その上で、カンボジア人グループと日本人グループ、各ループの発表でお互いの考えも知れたこと、など、新病院を作ろうとしている当院にぴったりで、チームビルディング研修として大変有意義な4時間でした。私は、1日目は参加者として、2日目はオブザーバーとして参加者を観察する機会をいただき、スタッフ一人一人が大切にしている価値観や、組織に対する期待感を垣間見ることができたことは、個人的にも大きな収穫でした。カンボジア人スタッフも頼もしくなったものだな、と嬉しく感じました。このような研修の場をご提供いただき、こころより感謝申し上げます。
ジャパンハートこども医療センター 看護師 SUN MEY 氏
ワークショップに参加でき、とても嬉しく思っていますし、参加できたこととても誇りに思います。
将来、自分たちで、自分たちが理想とする病院を作っていくことを視野に入れて、考えを膨らませられたことは、このワークショップのおかげです。皆さんに心から感謝いたします。今回のワークショップで、一般患者の外来部門、病棟の基本的な設備だけではなく、患者さんがリラックスして休める庭園や、家族で過ごせる部屋など、理想とする病院には何が必要かを考えることができました。また、患者さんのことだけではなく、実際に働くスタッフにも休憩室や十分な駐車スペースが今はないので、将来はスタッフが休める場所やスタッフが多くなっても通勤に困らないように、準備することはとても重要だと考えています。
患者さんとスタッフが気持ちよく過ごせ、働ける病院を私たちの力で作っていけたらうれしいです。
改めて、今回は貴重な機会を与えてくれてありがとうございました。
参照
*1 特定非営利活動法人ジャパンハートホームページ https://www.japanheart.org/
*2 MSC* Management Service Center https://www.msc-net.co.jp/