2023年07月05日

カンボジアにおける遠隔検診システムを活用した眼科検診プロジェクトへの支援

患者さん中心の持続可能な医療 グローバルヘルス 社会貢献 医療

中外製薬は特定非営利活動法人AMDA社会開発機構*1及び、一般社団法人en Vision*2との連携により、地方における眼科医不足が問題となっているカンボジアにおいて、スマートフォン装着型の眼科医療機器を用いた眼科検診を実施し、眼疾患の早期発見と啓発に取り組むプロジェクトへの支援を行います。

【プロジェクトの背景】
カンボジアにおける失明有病率は、一般人口で0.37%、50歳以上では2.5%と推計され、人口増加と高齢化の進展、平均寿命の延伸によって、失明者数は今後も増加していくことが予測されています。また、失明原因の92.2%は回避可能で、そのうち80.9%は治療可能、11.3%は予防可能であるにもかかわらず、眼科医の約6割が首都プノンペンに集中し、それ以外の地域で顕著な眼科医不足が問題となっています。人口100万人あたりの眼科医数も5.12人で、WHO(世界保健機関)が推奨する10人の半分ほどです。
このような背景からカンボジアでは、遠隔検診システムを活用した眼科検診が求められています。*3

【プロジェクトの進め方】
カンボジア王国のカンダール州を候補地とし、まずは眼科検診実施に向けての諸準備を進めていきます。対象地域の決定とあわせ、現地の医療サポートスタッフ、眼科医、医療機関等との調整をした上で、眼科検診を開始します。検査項目として、視力検査、前眼部検査、屈折検査、眼位検査を現時点では想定しています。

なお、遠隔検診は次のような流れで行う予定です。

  1. 医療サポートスタッフが眼科検査を実施し、眼科医にデータを共有する
  2. 共有された症例を眼科医が判定し、医療サポートスタッフに連絡する
  3. 住民に結果を通知する
  4. 要治療者には、眼科医療機関等を受診・治療を促す

 

2023年度は、20歳以上の150人(最大)を対象に眼科検診を実施することを目標にしています。その結果によって、さらなる検査内容の拡充や、住民を含めたステークホルダー(関係者)への啓発活動、保健省・医療機関等との連携強化を通じて、カンボジアの人々の眼科医療へのアクセスの充実に取り組んでいきます。

提供:一般社団法人en Vision

*1 特定非営利活動法人AMDA社会開発機構
  https://www.amda-minds.org/

*2 一般社団法人en Vision
  https://www.envision.or.jp/blank-1

*3  JICA 眼科用遠隔診断サービス
  https://libopac.jica.go.jp/images/report/1000048533.pdf

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