「安全性」の可能性。
薬学部出身の真家が、中外製薬に興味を持ったのは、充実した製品ラインナップに加え開発パイプラインの豊富さだった。「こういう会社なら将来性が高いだろうと考えました。」 そして中外製薬の説明会で安全性という仕事を知り、この仕事に強い興味を持った。「薬の有効性についてはよく語られておりイメージしやすいのですが、薬の安全性つまり副作用というリスク面はあまり公に語られていないように感じていました。まだそれほど光が当たっていなかった分野を専門的に深めていくのは面白そうだと感じたのです。」
こうして真家は、安全性の道へ進んだ。そして、1年目は安全性データマネジメント部に在籍し、医療機関から収集された個々の安全性の情報を評価し、厚生労働省などに報告する業務を担当。翌年より、ファーマコビジランス部に異動し,安全性データを総合的に評価し、最新の医療動向を踏まえ、リスクマネジメントプランを立案・実行する仕事を担当している。 患者さんのために “ベネフィット”と“リスク”のバランスをどうとるかを真剣に考える“熱い心の持ち主”である。
国際感覚も養われて。
ファーマコビジランス部での仕事は、集積した安全性に関するデータの全体像を把握し、起きている事象が薬の副作用なのかどうかを、海外のデータや文献なども鑑みて総合的に判断。薬との因果関係が疑われると判断した場合は、そのリスクを小さくするための対策を立てる。それに加え、ロシュ社との共同開発品が多い中外製薬では海外とのやりとりも頻繁。「ロシュ社との共同開発品では、海外のデータ評価とそれに基づく安全対策をロシュ社が行い、日本やアジア各国のデータ評価と安全対策については私たちが担当するなどの役割分担があります。
それぞれのデータを持ち寄り、総合的に判断する。中外製薬では、このようなグローバルで協働する機会が多いですね。また、ロシュ社の安全性担当者はほとんどが医師のため、医学的な知識が高く、またグローバルのレギュレーションも知っておく必要があるので、こちらの専門性も高まります。また、定期的な会議も国を跨いで行われるため、国際感覚も自然と養われていきますね。
生命の判断に向き合う。
そんな真家は2014年から、治験薬の安全性のマネジメントを担当している。これから挑戦したいのは治験の段階からより早く正確に副作用の情報を掴み、さらに安心な状態で医薬品を送り出していくことだ。「安全性の情報ひとつで副作用を予防したり、重篤化を防ぐことができる。それは薬の価値を広げることにつながります。早い段階で副作用のマネジメントが確立できれば、薬を使える患者さんも増やせる。それが、患者さんのためになることだと思うのです。」副作用をどうコントロールし患者さんのために役立てるか。真家は、常にベネフィットとリスク、その二つの間で、悩み考えている。
※本記事の内容は取材当時のものです。