中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2021年03月23日

ポライビー、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対し承認を取得

  • ポライビーとベンダムスチン(凍結乾燥注射剤)、リツキシマブの併用が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する新たな治療選択肢となる
  • ファーストインクラスの抗CD79b抗体薬物複合体として、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした国内第II相臨床試験および海外第Ib/II相臨床試験等の成績を基に承認

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー®点滴静注用30mg」「同140mg」[一般名:ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)]について、ベンダムスチン塩酸塩(凍結乾燥注射剤)およびリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用(BR療法)において、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL: diffuse large B-cell lymphoma)に対する承認を、本日、厚生労働省より取得したことをお知らせいたします。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「血液がん領域においてリツキサン®やガザイバ®に加え、今回新たにアンメットメディカルニーズの高い再発又は難治性のDLBCLに対する新たな治療選択肢として、ポライビーを含めた併用療法を提供できることを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「ファーストインクラスの抗CD79b抗体薬物複合体(ADC: antibody-drug conjugate)である本剤を患者さんへお届けし、より良い治療の実現に貢献できるよう発売に向けた準備を進めてまいります」と語っています。

 今回の承認は、再発又は難治性のDLBCLを対象にポライビーとBR療法を併用した際の有効性および安全性をBR療法と比較検討した海外第Ib/II相多施設共同臨床試験(GO29365試験)、およびポライビーとBR療法との併用について有効性および安全性を検討した国内第II相多施設共同単群臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)等の成績に基づいています。

 GO29365試験の第II相ランダム化パートでは、自家造血幹細胞移植(ASCT: autologous stem cell transplantation)の適応とならない再発又は難治性のDLBCL患者80例を対象に、BR療法(40例)を対照群とし、ポライビーとBRの併用療法(Pola+BR療法; 40例)の有効性及び安全性を検討しました。主要評価項目である独立評価委員会評価によるPrimary Response Assessment(PRA、本剤最終投与後6~8週)時点におけるPET-CTを用いた完全奏効割合は、Pola+BR療法群では40.0%(16/40例)(95%信頼区間:24.9~56.7%)、BR療法群では17.5%(7/40例)(95%信頼区間:7.3~32.8%)でした(2018年4月30日データカットオフ)。本剤が投与された39例中36例(92.3%)に副作用が認められました。主な副作用は、好中球減少症53.8%(21/39例)、血小板減少症41.0%(16/39例)、下痢及び貧血が各33.3%(13/39例)、疲労及び悪心が各23.1%(9/39例)、発熱及び末梢性ニューロパチーが各20.5%(8/39例)でした。

 P-DRIVE試験では、ASCTの適応とならない再発又は難治性のDLBCL患者35例を対象に、Pola+BR療法の有効性及び安全性を検討しました。主要評価項目である治験責任医師評価によるPRA時点におけるPET-CTを用いた完全奏効割合は34.3%(12/35例)(95%信頼区間:19.1~52.2%)でした(2019年12月24日データカットオフ)。本剤が投与された35例中33例(94.3%)に副作用が認められ、主な副作用は、貧血37.1%(13/35例)、悪心31.4%(11/35例)、血小板減少症及び好中球減少症が各25.7%(9/35例)、便秘、血小板数減少及び好中球数減少が各22.9%(8/35例)、倦怠感及び食欲減退が各20.0%(7/35例)でした。

 なお、未治療のDLBCLを対象に、ポライビーとリツキシマブ+シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン(R-CHP)併用療法の有効性と安全性を、リツキシマブ+シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン(R-CHOP)療法と比較する国際共同第III相二重盲検プラセボ対照臨床試験(GO39942/POLARIX試験)が進行中です。

【参考情報】
ポラツズマブ ベドチン、再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とする国内第II相試験の主要評価項目を達成(2020年2月13日 当社プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200213150000_946.html

European Commission approves Roche’s Polivy for people with previously treated aggressive lymphoma(2020年1月21日 ロシュ社プレスリリース)
https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2020-01-21.htm

添付文書情報

販売名:ポライビー®点滴静注用30mg、同140mg

一般的名称:ポラツズマブ べドチン(遺伝子組換え)

効能又は効果:再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

用法及び用量:
ベンダムスチン塩酸塩及びリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人には、ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)として1回1.8mg/kg(体重)を3週間間隔で6回点滴静注する。初回投与時は90分かけて投与し、忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

GO29365試験について1)
 GO29365試験は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL: follicular lymphoma)又はDLBCL患者を対象に、ポライビーとBR療法又はベンダムスチン塩酸塩およびオビヌツズマブ(遺伝子組換え)との併用(BG療法)を併用した海外第Ib/II相多施設共同非盲検試験です。第II相ランダム化パートでDLBCL患者80例を対象としてポライビーとBR療法を併用した際の有効性および安全性をBR療法と比較検討しました。主要評価項目は独立評価委員会評価によるPRA時点におけるPET-CTによるCRRです。治療は3週間を1サイクルとし、合計6サイクルまで投与を行いました。

JO40762(P-DRIVE)試験について
 JO40762(P-DRIVE)試験は、再発又は難治性DLBCL患者35例を対象として、ポライビーとBR療法を併用投与する第II相多施設共同単群非盲検試験です。本試験の主要評価項目は治験責任医師評価によるPRA時点におけるPET-CTによるCRRです。治療は3週間を1サイクルとし、合計6サイクルまで投与を行いました。

ポラツズマブ ベドチンについて
 シアトルジェネティクス社のADC技術を使用してロシュ社が開発したポラツズマブ ベドチンは、ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害剤をリンカーで結合させた、ファーストインクラスの抗CD79b抗体薬物複合体(ADC)です。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットになり得ます2,3)。ポラツズマブ ベドチンは正常細胞への影響を抑えつつCD79bに結合し、送達された化学療法剤によりB細胞を破壊すると考えられます4,5)。ポラツズマブ ベドチンは、米国では2019年6月に迅速承認を、欧州では2020年1月に条件付き承認をそれぞれ取得しています。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について
 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、非ホジキンリンパ腫の組織型サブタイプの一つであり、月単位で進行する中悪性度の疾患に分類されます。DLBCLの患者数は非ホジキンリンパ腫の中で最も多く、その30~40%を占めると報告されています6-8)。DLBCLは、60歳代を中心とした中高年齢層で多く発症し9)、診断時年齢の中央値は64歳と報告されています10)

 未治療のDLBCLに対する標準治療はリツキシマブと化学療法の併用とされていますが、約40%の患者さんで再発が認められ、十分な治療効果が得られていません11)。また、再発又は難治性のDLBCLに対する治療のひとつとして、適応となる患者さんではASCTの実施が推奨されていますが、その約半数はASCT実施前の救援化学療法が奏効せず、ASCTが実施できていません12)。さらに、年齢や合併症等でASCTの適応とならない患者さんでは標準治療は確立されていません13)。したがって、再発または難治性のDLBCLに対するより有用性の高い新たな治療選択肢が求められています。

救援化学療法:主に造血器腫瘍において、治療の効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃した場合に用いる治療を、救援化学療法もしくは救援療法と呼びます。がんの種類によって治療内容は異なりますが、その多くは複数の薬(抗がん剤など)を組み合わせた治療となります。救済療法、サルベージ療法と呼ばれることもあります14)

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

[出典]

  1. Sehn LH, et al. Polatuzumab vedotin in relapsed or refractory diffuse large B-cell lymphoma. Journal of Clinical Oncology 2020; 38: 155-165
  2. Dornan D, et al. Therapeutic potential of an anti-CD79b antibody-drug conjugate, anti-CD79b-vc-MMAE, for the treatment of non-Hodgkin lymphoma. Blood 2009; 114:2721-2729
  3. Pfeifer M, et al. Anti-CD22 and anti-CD79B antibody drug conjugates are active in different molecular diffuse large B-cell lymphoma subtypes. Leukemia 2015; 29:1578-1586
  4. Ducry L, Stump B. Antibody-drug conjugates: linking cytotoxic payloads to monoclonal antibodies. Bioconjug Chem. 2010; 21:5-13
  5. ADC Review. What are antibody-drug conjugates? Available from: https://adcreview.com/adc-university/adcs-101/antibody-drug-conjugates-adcs/(2021年2月確認)
  6. Swerdlow SH, et al. WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, Revised 4th Edition. Lyon, International Agency for Research on Cancer; 2017
  7. Aoki R, et al. Distribution of malignant lymphoma in Japan: Analysis of 2260 cases.2001-2006. Pathol Int 2008; 58(3):174-182
  8. Chihara D, et al. Differences in incidence and trends of haematological malignancies in Japan and the United States. Br J Haematol 2014 Feb; 164(4):536-545
  9. 新津望 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 日本内科学会雑誌 2008; 97:1588-1594
  10. Armitage JO, Weisenburger DD. New approach to classifying non-Hodgkin’s lymphomas: clinical features of the major histologic subtypes. Non-Hodgkin’s Lymphoma Classification Project. J Clin Oncol 1998; 16:2780-2795
  11. Friedberg JW. Relapsed/Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2011; 2011:498-505
  12. Gisselbrecht C, et al. Salvage Regimens With Autologous Transplantation for Relapsed Large B-Cell Lymphoma in the Rituximab Era. J Clin Oncol 2010; 28: 4184-4190
  13. 一般社団法人日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版. 金原出版株式会社
  14. 国立がん研究センター がん情報サービス 用語集「救援化学療法」https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/kyuenkagakuryoho.html (2021年2月確認)

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • シェア(別ウィンドウで開く)
  • ツイート(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る