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2020年10月05日

ロシュ、乳児のI型脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するEvrysdi(risdiplam)の2年データを発表

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ. ホフマン・ラ・ロシュ社が9月28日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2020-09-28.htmをご覧ください。

 ロシュ社は9月28日、I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の乳児(1~7カ月)を対象にリスジプラムを評価した、ピボタル試験であるFIREFISH試験のパート1における2年間の成績を発表しました。リスジプラムの治療用量が投与された乳児(17/21名)の2年間の成績は、継続して運動マイルストーンを改善していることを示しました。

 探索的な解析から、リスジプラムの投与開始から2年時点では推定88%の乳児が生存し、人工呼吸器の永続的な使用を必要としないことが示されました。また、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールの評価では、59%の乳児[10/17名 対7/17名(1年時点)]が最低5秒間、支えなしで座位が保持できました。65%[11/17名 対9/17名(1年時点)]が首が座るようになり、29%[5/17名 対2/17名(1年時点)]が寝返りを打つことができ、30%[5/17名 対1/17名(1年時点)]が体重を支えるまたは補助することにより立位を保持することができました。2年時点で、71%の乳児[12/17名対10/17名(1年時点)]のCHOP-INTEND(Children’s Hospital of Philadelphia Infant Test of Neuromuscular Disorders)スコアが40ポイント以上改善し、12ヵ月時点から24ヵ月時点の間にすべての乳児のスコアが改善しました。2年時点で生存していた乳児(14名)のうち、100%の乳児が嚥下能力を維持し、93%の乳児(13/14名)が経口摂取可能でした。FIREFISH試験におけるリスジプラムの安全性は、これまでに認められている安全性プロファイルと同様で、新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。主な有害事象(n=21)は、発熱(71%)、上気道感染症(52%)、咳嗽(33%)、嘔吐(33%)、下痢(29%)、呼吸器感染症(29%)でした。24%の乳児で認められた最も重篤な有害事象は肺炎でした。

 解析時点では、最年少の乳児は28.4カ月、最年長は45.1カ月でした。登録時の年齢の中央値は6.3カ月でした。治療用量を投与された17名の乳児のうち、2名はそれぞれ治療8カ月、13カ月の時点で致死的な合併症を経験し、1名は試験から脱落し、3.5カ月後に死亡しました。治験責任医師はこれらの合併症とリスジプラムとの関係は認められていないと判断しています。

 本成績は、バーチャルで開催された第25回世界筋学会国際年次総会で発表されました。

【参考情報】

リスジプラム、1~7カ月の乳児のI型脊髄性筋萎縮症(SMA)において統計学的に有意な運動マイルストンおよび生存の改善を示す(2020年5月12日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200512150000_976.html

リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html

FIREFISH試験について 
 FIREFISH試験は、I型SMAの乳児を対象とした2パートからなる非盲検のピボタル試験です。パート1(21名)は乳児におけるリスジプラムの安全性プロファイルを評価し、パート2における用量の決定を主な目的とした、用量漸増試験です。パート2(41名)は、リスジプラムを2年間投与した後、非盲検下継続投与期間に移行する、ピボタルな単群試験です。パート2の登録は2018年11月に完了しました。パート2では、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12カ月時点における、最低5秒間、支えなしで座位が保持可能な乳児の割合を指標として、有効性の評価を行いました。本試験は主要評価項目を達成しました。
 ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクス社の協力のもと、リスジプラムの臨床開発を進めています。

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2020年8月に米国で承認を取得しています。欧州ではオーファンドラッグ指定を受け、2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、SMAの治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4

出典
1 Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2 Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed October 2020.
3 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed October 2020.
4 Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

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