中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2020年05月12日

リスジプラム、1~7カ月の乳児のI型脊髄性筋萎縮症(SMA)において統計学的に有意な運動マイルストンおよび生存の改善を示す

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ. ホフマン・ラ・ロシュ社が4月28日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2020-04-28.htmをご覧ください。

 ロシュ社は4月28日、症候性のI型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の乳児(1~7カ月)を対象にリスジプラムを評価した、グローバルなピボタル試験であるFIREFISH試験のパート2における1年間の成績を発表しました。本試験において、主要評価項目であるBSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12カ月時点における、最低5秒間、支えなしで座位が保持可能な乳児の割合は29%(12/41、p<0.0001)であり、主要評価項目を達成しました。なお、自然歴で本マイルストンを達成したI型SMAの乳児は、確認されていません。また、HINE-2(Hammersmith Infant Neurological Examination Module 2)の評価で、18名(43.9%)が首がすわるようになり、13名(31.7%)は横に転がることができるようになりました。同様に2名(4.9%)は補助により立位を取ることができました。リスジプラムの安全性はこれまでに認められている安全性プロファイルと同様でした。

 本成績は、第72回米国神経学会(AAN)に採択され、数週間以内に、バーチャルプレゼンテーション(対面式の代替として)がオンライン上に公開される予定です。ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクス社の協力のもと、経口のSMN2スプライシング修飾剤であるリスジプラムの臨床試験を実施しています。

 解析時点の治療期間は15.2カ月(中央値)、年齢は20.7カ月(中央値)でした。乳児の93%(38/41名)が生存し、85.4%(35/41名)がイベント未発生でした。未治療の自然歴コホートでは、死亡または永続的人工呼吸器を必要とした乳児の年齢は13.5カ月(中央値)でした。3名の乳児が治療後3カ月以内に致命的な疾患の合併症を経験しました。治験責任医師はこれらの合併症に対するリスジプラムとの関連性を認めていません。90%(37/41名)の乳児でCHOP-INTENDスコアが少なくとも4ポイント、56%(23/41名)で40ポイント以上まで改善しました。中央値では20ポイントの改善でした。未治療では、I型SMAの乳児のCHOP-INTENDスコアは時間の経過とともに低下しました。

【参考情報】

リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html

リスジプラム、2~25歳のII型またはIII型脊髄性筋萎縮症(SMA)において統計学的に有意な運動機能の改善を示す(2020年2月7日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200207150002_944.html

FIREFISH試験について
 FIREFISH試験は、I型SMAの乳児(1~7カ月)を対象とした、2パートからなる非盲検単群のピボタル試験です。パート1(21名)では、パート2における至適用量の検討を行いました。パート2(41名)では、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12カ月時点における、最低5秒間、支えなしで座位が保持可能な乳児の割合を指標として、有効性の評価を行いました。
 ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクスの協力のもと、臨床試験を行っています。

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、SMAの治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。欧州、米国およびスイスではオーファンドラッグ指定を受け、また米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4

出典
1 Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2 Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed May 2020.
3 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed May 2020.
4 Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

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