中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2020年02月07日

リスジプラム、2~25歳のII型またはIII型脊髄性筋萎縮症(SMA)において統計学的に有意な運動機能の改善を示す

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ. ホフマン・ラ・ロシュ社が2月6日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2020-02-06.htmをご覧ください。

  • 成人を含むSMAを対象とするプラセボ対照試験において初めて、リスジプラムは運動機能の改善または維持を示す
  • 主要評価項目および主要副次評価項目において、医学的に意味があり、かつ統計学的に有意な成績を示す
  • ピボタル試験であるSUNFISH試験のパート2部分の患者集団は、幅広い実臨床におけるSMA患者さんに相当する

 ロシュ社は2月6日、2~25歳のII型またはIII型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)患者さんを対象にリスジプラムを評価した、グローバルなプラセボ対照のピボタル試験である、SUNFISH試験のパート2部分の1年間の成績を発表しました。本試験において、リスジプラム群はプラセボ群と比較し、主要評価項目である投与開始12カ月時点におけるMFM-32*(Motor Function Measure 32)のベースラインからの変化は統計学的に有意な改善を示しました(平均値で1.55ポイントの改善、p=0.0156)。主要副次評価項目であるRULM**(Revised Upper Limb Module)においても同様に改善を示しました(1.59ポイントの改善、p=0.0028)。リスジプラムの安全性はこれまでに認められている安全性プロファイルと同様でした。本試験成績は、フランスのエヴリーで2月5~7日に開催された第2回脊髄性筋萎縮症国際科学臨床会議にて発表されました。

 *MFM-32はSMAを含む神経筋疾患患者さんの運動機能の一部分および全般を評価するために確立された評価尺度です。本評価尺度は起立および歩行から手指の運動まで32項目の運動機能を評価します。

**RULMはSMA患者さんの上肢の運動を評価するために考案された評価尺度です。本評価尺度はSUNFISH試験のパート2部分の患者集団にあたるSMA患者さんにおける進行性の筋力低下が評価可能です。

【参考情報】

リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html

リスジプラム、I型脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するピボタル試験であるFIREFISH試験で主要評価項目を達成(2020年1月23日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200123170000_935.html

SUNFISH試験について
 SUNFISH試験は、II型およびIII型SMAの小児および若年成人患者さん(2~25歳)を対象としたプラセボ対照二重盲検第II/III相国際共同治験です。第II相パート(51名)では、第III相パートにおける至適用量の検討を行いました。第III相パート(180名)では、投与開始12カ月時点のMFM-32(Motor Function Measure 32)の合計スコアによる運動機能評価を行いました。
 ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクスの協力のもと、臨床試験を行っています。

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、SMAの治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。欧州、米国およびスイスではオーファンドラッグ指定を受け、また米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4

1 Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2 Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed February 2020.
3 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed February 2020.
4 Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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