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2020年01月23日

リスジプラム、I型脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するピボタル試験であるFIREFISH試験で主要評価項目を達成

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)患者を対象にリスジプラムを評価したピボタル試験であるFIREFISH試験のパート2部分においてポジティブな成績が得られたことをお知らせします。

 本試験の主要評価項目は、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12ヵ月時点における、最低5秒間、支えなしで座位が保持可能な乳児の割合であり、これを達成しました。リスジプラムで実施中のいずれの臨床試験においても、試験からの脱落につながる薬剤関連の安全性の所見は現時点で確認されませんでした。また、リスジプラムの安全性はこれまでに認められている安全性プロファイルと同様で、新たな安全性上の所見は示されませんでした。

【参考情報】
リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html
リスジプラム、II型またはIII型脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するピボタル試験であるSUNFISH試験で主要評価項目を達成(2019年11月13日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20191113153000_913.html

FIREFISH試験について
 FIREFISH試験は、I型SMAの乳児(1~7カ月)を対象とした、2パートからなる非盲検単群のピボタル試験です。パート1(21名)では、パート2における至適用量の検討を行いました。パート2(41名)では、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12カ月時点における、最低5秒間、支えなしで座位が保持可能な乳児の割合を指標として、有効性の評価を行いました。
 ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクスの協力のもと、臨床試験を行っています。

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、SMAの治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。欧州、米国およびスイスではオーファンドラッグ指定を受け、また米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1)。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2)。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3)。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4)

出典

1) Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2) Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed January 2020.
3) 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed January 2020.
4) Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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