中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2018年12月21日
抗PD-L1抗体「テセントリク®」 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する用法・用量追加の承認を取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、改変型抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク®点滴静注1200mg」[一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)](以下、テセントリク)に関し、本日、「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について厚生労働省より承認を取得したことをお知らせいたします。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「本年1月の既治療の非小細胞肺がんに対する承認に続き、未治療の進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がんの患者さんにテセントリクという新たな治療選択肢を提供できることを嬉しく思います」と述べるとともに、「国内では、非小細胞肺がんを対象とした5つの臨床試験を実施しており、テセントリク単剤または他の薬剤との併用による評価を行っています。一人ひとりの患者さんに合う治療選択肢を一つでも多く提供できるよう、引き続き、ロシュ社とともに開発に取り組んでまいります」と語っています。
今回の承認は、国際共同第III相臨床試験(IMpower150試験)の成績に基づいています。IMpower150試験では、テセントリクとアバスチン®および化学療法の併用により、アバスチンおよび化学療法の併用と比較し、統計学的に生存期間の有意な延長が認められました。テセントリクの併用療法の安全性プロファイルは、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。
【参考情報】
第III相臨床試験「IMpower150試験」において、テセントリク®とアバスチン®、カルボプラチン、パクリタキセルの併用は、アバスチンとカルボプラチン、パクリタキセルの併用に比べ進行肺癌の患者さんの生存期間の延長を示す(2018年5月18日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20180518170001_21.html
日本では、肺がんの年間罹患者数は約134,000人(男性91,000人、女性43,000人、2015年予測値)と推計されています。また、国内の年間死亡者数は約77,000人(男性55,000人、女性22,000人、2015年予測値)であり、がんにともなう死亡原因の第1位となっています*。
オンコロジー領域の国内トップ製薬企業である中外製薬は、テセントリクが新たな治療選択肢の一つとなり、患者さんと医療従事者の皆さまに貢献できるよう取り組んでまいります。
添付文書情報
下線部分が追加、変更されました。
- 販売名:
- テセントリク®点滴静注1200 mg
- 一般名:
- アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
- 効能・効果:
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 用法・用量:
- 化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 - 薬価:
- テセントリク®点滴静注1200 mg 625,567円/1バイアル
- 承認条件:
- 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
<化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
テセントリクについて
国内では、本年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として承認を取得し、4月に発売しました。また、本年12月に一次治療の進展型小細胞肺がんに対する適応拡大を申請しています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典:
* 国立がん研究センターがん対策情報センター.2015年のがん統計予測(http://ganjoho.jp/)(2018年12月10日時点)
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
- 投資家の皆様
- インベスターリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp