2018年05月10日

抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体nemolizumab
第II相国際共同治験の長期データが
Journal of Allergy and Clinical Immunology電子版に掲載

-1年間の長期投与の安全性と有効性を確認-

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、開発中の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体nemolizumab(CIM331)に関し、第II相国際共同治験(XCIMA試験)の長期投与データが、2018年5月9日付でJournal of Allergy and Clinical Immunology電子版に掲載されましたので、お知らせいたします。
“Nemolizumab in moderate-to-severe atopic dermatitis: Randomized, phase II, long-term extension study” Kenji Kabashima, M.D., Ph.D., et al
https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(18)30698-5/abstract

上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「アトピー性皮膚炎の患者さんにとって、慢性的な皮膚のかゆみと炎症を抑えることは大きな課題です。このたびnemolizumabの長期投与による有効性・安全性が示されたことにより、本剤がアトピー性皮膚炎の新たな治療選択肢となることへの期待が高まりました」と述べるとともに、「中外製薬は、革新的な医薬品による医療への貢献をミッションとしています。引き続き、nemolizumabを患者さんのもとにいち早くお届けするため、パートナーであるガルデルマ社およびマルホ社と連携してまいります」と語っています。

本論文の第一著者である京都大学医学研究科 皮膚科学教室の椛島健治教授は、「アトピー性皮膚炎のかゆみの発症機序に基づく新たな治療法の開発が順調に進んでいることを嬉しく思っています。今後も安全性や有効性の慎重な検討を継続し、将来の臨床応用に期待しています」と述べています。

本試験は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さん264名を対象に、nemolizumabの有効性と安全性を確認した試験です。主要評価項目である12週時における有効性および忍容性について、2017年3月にThe New England Journal of Medicine電子版で発表しています。今回発表されたデータは、nemolizumabの長期投与における安全性・有効性を評価したものであり、nemolizumabが1年間の継続投与により安全性・有効性を維持することが確認されました。

【第II相国際共同治験の成績の発表について】
2017年3月2日発表プレスリリース
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20170302150000_128.html

nemolizumabの開発および販売に関し、日本、台湾を除く全世界における開発・販売の独占的 実施権をガルデルマ社へ、また日本での皮膚科領域における開発・販売権をマルホ社へそれぞれ許諾しています。現在ガルデルマ社において第II相後期臨床試験、マルホ社において第III相臨床試験がそれぞれ実施されています。

ガルデルマ社とのライセンス契約について:
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20160721083000_170.html
マルホ社とのライセンス契約について:
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20160928150000_159.html

Nemolizumab(CIM331)について
インターロイキン-31レセプターA(IL-31RA)を標的とした、ファーストインクラスを目指す抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体です。IL-31は、アトピー性皮膚炎患者さんのそう痒、炎症ならびに皮膚のバリア機能障害と、透析患者さんにおけるそう痒の発生に関与していることが報告されている炎症性サイトカインです1, 2, 3, 4)。nemolizumabは、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することにより、IL-31の生物学的作用を抑制し薬効を発揮すると考えられています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

以上

【参考文献】
1. Sonkoly E, et al., IL-31: A new link between T cells and pruritus in atopic skin inflammation. J Allergy Clin Immunol 2006; 117: 411-7.
2. Cornelissen C, et al., IL-31 regulates differentiation and filaggrin expression in human organotypic skin models. J Allergy Clinical Immunol 2012; 129: 426-33.
3. Kasraie S, et al., Interleukin (IL)-31 induces pro-inflammatory cytokines in human monocytes and macrophages following stimulation with staphylococcal exotoxins. Allergy 2010; 65: 712-21.
4. Ko MJ, et al., Interleukin-31 is associated with uremic pruritus in patients receiving hemodialysis. J Am Acad Dermatol 2014; 71: 1151-9.

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る