ブータンにおけるUHC推進にむけての子宮頸がん撲滅プロジェクトの支援

背景

国連人口基金ブータン事務所と当社の初の連携プロジェクトである「ブータンにおけるUHC 推進にむけての子宮頸がん撲滅プロジェクト」（2021～2023 年）*¹の成功を基に、第2フェーズ（2024～2026 年）では、サービス・ガイドラインの開発と制定、特に細胞検査士や病理医の診断精度向上に関する医療従事者の能力開発、スクリーニングと治療に携わる看護師、診断/治療の改善に関する医師の能力開発、提供する医療の質の管理と報告システムおよび研究強化への支援を通じて、スクリーニングと治療の質の向上に重点を置きました。第２フェーズの目的は、①スクリーニングと早期発見　②診断と治療③提供する医療の質の保証と研究　の３つの主要分野における医療従事者の能力を向上させることにより、保健省が国家子宮頸がん撲滅戦略を効果的に実施できるようにすることで、医療システムの能力を強化しブータンにおける子宮頸がんの予防と治療を大幅に改善することを目指しています。

2024 年のプログラム

主な活動には、国の治療ガイドラインの策定、特にコルポスコピー(膣拡大鏡検査)とLEEP（ループ電気外科切除法）ガイドラインの策定、サービス基準の策定と能力開発による細胞病理学と病理組織学診断サービスの質の管理と保証の改善、子宮頸がんフラッグシップ・プログラム終了後の持続可能なプログラムの実施、国の検診ガイドラインの基準の見直しと更新、子宮頸がん検診・早期診断・治療サービスのための能力開発などが含まれます。

主な活動とその結果

保健フラッグシップ・プログラムを通して、対象人口のほぼ90%に効果的に検診サービスが行き渡り、子宮頸がん、乳がん、胃がんの発生率を低下させることに成功しました。検診サービスは、日常的に提供される保健サービスの一つとして定着しており、女性と少女は、定期的に保健施設にて検診サービスを受けることができるようになりました。この成果は、将来のがん対策に向けた強固な基盤を築きました。さらに保健省は、「熟練した人材の育成」「検診と治療サービスの質の向上」「設備の充実」「適切なデータ管理」といった課題に取り組む必要があることを認識し、これらの課題を克服するために、①「国家ポスト・フラッグシップ行動計画」 の策定　②2. コルポスコピー(膣拡大鏡検査)とLEEP (ループ電気外科切除法) に関する国家ガイドライ　③細胞検査および組織検査技術の実験マニュアルの見直しと完成ンの策定　④医療従事者の能力開発　4つの活動を実施しました。