2022年05月11日

子宮頸がん撲滅プロジェクトへの支援

ブータンにおけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ推進にむけて

患者さん中心の持続可能な医療 グローバルヘルス 社会貢献 医療

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは、すべての個人とコミュニティが、経済的困難に陥ることなく、必要不可欠で質の高い保健サービスを全面的に受けられることを意味します。中外製薬は、ブータンにおけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)のさらなる前進に貢献するためブータン子宮頸癌撲滅プロジェクトへの支援を行っています。

背景

毎年1,500万人が非伝染性疾患(NCDs)により70歳未満で死亡しており、その86%が開発途上国で発生しています*1。ブータンも例外ではなく2019年、NCDsは報告された死亡の71%*2を占め、なかでも子宮頸がんはブータン女性の間で最も発生率が高くなっています。ブータンの住民ベースのがん登録によると、年齢調整罹患率(AAR)は女性10万人あたり20.5人、死亡率は女性10万人あたり4.7人と、アジアで最も高い部類に入っています*3。NCDsの増加傾向、特に子宮頸がんの増加を踏まえ、ブータンは第72回WHO地域委員会で子宮頸がん撲滅を約束し、保健省は子宮頸がん戦略計画(2019-2023)を開始しました。

ブータンにおける子宮頸がん撲滅に向けた対応と現状 

UHCはブータン王国の憲法に明記されています。ヘルスケアは主に公共のものであり、主要なヘルスサービスはすべて政府によって無料で提供されています。さらに、ヘルス戦略は、社会福祉を考える上で必要となる非経済的な側面を重視し、人間開発※へのバランスのとれたアプローチを促進しようとする国民総幸福量(GNH)という国家開発アプローチによって導かれています。ブータンはUHCの拡充に大きく前進してきましたが、子宮頸がんのサービスは全国に行き渡っておらず、早期診断、治療、緩和ケアは依然として不十分なままです。

 ※人間開発について詳しくは国連開発計画(UNDP)のホームページをご覧くださいhttps://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/library/human_development/human_development4.html

プログラムの概要

本プログラムの目的は、ブータンにおける子宮頸がんの撲滅に貢献し、政府のUHC政策に統合することです。具体的な目標および詳細は以下の通りです。

目標
  • HPVワクチン接種のスケールアップと医療システムへの完全統合
  • 包括的な子宮頸がん対策プログラムの一環として、子宮頸がん検診と早期診断の活動をスケールアップする
対象
  • 3年間で19万人以上の女性に、直接アウトリーチキャンプとスケールアップしたHPV テストを提供する予定
  • さらに、48の病院と186のプライマリーヘルスケアセンターの医療 従事者の能力を向上させる予定
期間

2021年7月5日から3年間

運営

プログラム全体の実施は、ブータン保健省公衆衛生局のリプロダクティブ・ヘルス・プログラムが主導します。プログラムの全体的な設計と、進捗状況の把握や結果の報告を含む調整・管理は、国連人口基金と現地パートナーが共同で行います。

2022年 アウトリーチキャンプの様子

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