臨床開発

中外製薬では革新的な医薬品をいち早く患者さんのもとに届けるため、研究、生産、臨床開発、薬事、医薬安全性などの各機能をプロジェクト単位で一貫管理するライフサイクルマネジメント体制を構築し、多くの医療機関や治験施設の協力のもと、スピード、効率性、科学性に優れた臨床試験の実現に努めています。

  • * 製品が潜在的に持つ価値を最大化するために行われる、開発期間の短縮化、売上の拡大、製品寿命の延長、そして、適切な経費管理などを指す。製品価値が評価され、得られた収益を新薬の開発やマーケティングなどに戦略的に再投資することで、競争力をさらに強化することが可能となる

中外製薬は、国内有数の強力な新薬候補ラインアップを有しています。自社開発品に加え、ライセンス契約によりロシュ社およびジェネンテック社が創製した品目が加わったことにより開発シナジー効果*1が発揮され、中・長期的にも安定な国内トップクラスの革新的な開発パイプライン*2が実現されました。

  • *1 新薬の開発プロセスにおいて、製薬各社のもつ研究開発結果、進捗中のデータやノウハウを共有することによって莫大な費用と時間を各社とも削減できる相乗効果をいいます。
  • *2 製薬会社の薬剤の開発初期段階から販売開始までの開発品を「開発パイプライン」と呼んでいます。他に「製品パイプライン」、「新薬パイプライン」などと呼ばれることもあります。

デジタル技術を活⽤した臨床開発の進化

PoC*1を取得するまでの早期臨床開発では、前臨床の段階から生体反応を精緻に把握・理解し、モデリング&シミュレーション(M&S)*2やヒトオルガノイド*3などの革新的技術を活用するほか、自社に蓄積されたあらゆる疾患・治療データやリアルワールドデータ(RWD)を徹底活用することで、用法用量・有効性・安全性の予測性を高め、臨床試験の成功確率を引き上げます。

また、従来、段階的に実施してきた適応拡大についても、M&Sなどの科学的エビデンスにより、早期に開発品の候補疾患を特定し、複数の疾患で同時開発を進めていきます。そして、生体反応の理解・解析と合わせ、疾患ごとの医療課題を抽出しながらデジタルバイオマーカーやデジタルデバイスの開発に注力し、適切な診断・治療につなげていきます。

後期開発では、デジタル技術の積極的な活用を通じてモニタリング・管理業務を効率化すると同時に、RWDを活用した試験デザインにより、試験規模の縮小・期間短縮を推進していきます。また、これにより患者さんの負担を軽減し、より早く製品を届けることができるようになると考えています。さらに、こうして得られたデータをRWDとも組み合わせ、患者さんのQOL向上に寄与する真の価値(True Endpoint)を早期に実証し、患者さんへの提供価値を最大化していきます。

  • *1 究段階で構想した薬効がヒトでも有効性を持つことを実証すること(Proof of Concept
  • *2 コンピューターによる数学的シミュレーションと生物科学を統合した技術。医薬品開発における重要な意思決定を支援
  • *3 ヒトの生体内で存在する器官に類似した組織構造体

ロシュ社との共同開発・共同販促

中外製薬はロシュ社と共同開発・共同販促に関する契約を締結することにより、国内のみならず、海外においても、独自の開発・販売に加え、ロシュ社のグローバルネットワークも活用できるビジネスモデルを有しております。欧米において、ロシュ社との共同開発を推進することにより、中外製薬の開発はより効果的で効率良く実施されています。また、中外製薬の製品をロシュ社の海外ネットワークを通じて販売することが可能となり売上促進効果も期待できるようになりました。

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研究・開発

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