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2026年05月18日

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アレセンサ、ALK融合遺伝子陽性固形がんに対し、成人・小児を対象とした世界初の臓器横断での適応拡大承認を取得

  • ALK融合遺伝子陽性固形がんに対する世界初の臓器横断かつ小児の適応を含む治療薬
  • 進行又は再発のALK遺伝子異常を有する希少がんを対象にアレセンサの有効性と安全性を評価した医師主導の国内第II相臨床試験の成績に基づく承認

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社創製の抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤アレセンサ®(一般名:アレクチニブ塩酸塩)について、ALK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する小児を含む適応拡大の承認を、本日、厚生労働省より取得したことをお知らせいたします。ALK阻害剤として世界で初めての臓器横断での承認取得となります。

 代表取締役社長CEOの奥田 修は、「当社創製のアレセンサが、ALK融合遺伝子陽性固形がんに対する世界初の臓器横断の治療薬として承認されたことを大変嬉しく思います。本承認により、既承認の非小細胞肺がんや未分化大細胞リンパ腫に加え、多様ながん種の患者さんに、新たな治療法をお届けできるようになります。がん種や年齢を問わず、患者さん一人ひとりに最適な治療を届ける個別化医療へのさらなる貢献を目指してまいります」と語っています。

 今回の承認は、進行又は再発のALK遺伝子異常(融合遺伝子、活性化型遺伝子変異、遺伝子コピー数増加)を有する小児を含む希少がん患者を対象に、アレセンサの有効性および安全性を評価した医師主導の国内第II相臨床試験であるTACKLE試験の成績に基づいています。本試験において、主要評価項目である画像中央判定による奏効率は、本体コホートの最大の解析対象集団(FAS)において43.8%(7/16例、95%信頼区間:19.8%~70.1%)、その内、ALK融合遺伝子陽性の部分集団において70.0%(7/10例、95%信頼区間:34.8%~93.3%)でした。また、全てのコホートのFASを合わせたFAS全体のALK融合遺伝子陽性の部分集団において76.5%(13/17例、95%信頼区間:50.1%~93.2%)となり、本試験のALK融合遺伝子陽性例の有効性データが薬事承認の主な根拠として評価されました。
副作用発現頻度は73.1%(19/26例)であり、主な副作用はリンパ球数減少、好中球数減少各23.1%(6/26例)、貧血19.2%(5/26例)、血中クレアチニン増加15.4%(4/26例)でした。本試験で認められた安全性はこれまでに認められているアレセンサの安全性プロファイルと同様であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 なお、アレセンサのALK融合遺伝子陽性の固形がんの適応判定は、FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルによって行います。FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルのコンパニオン診断機能の追加については、2026年3月9日に厚生労働省より承認を取得しています。

 オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、革新的な医薬品によりがん治療におけるアンメットメディカルニーズを充足し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。

電子化された添付文書情報 ※関係部分を抜粋、下線は変更箇所

効能又は効果:
ALK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法
◯再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫

用法及び用量:
ALK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌
通常、成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。
通常、小児にはアレクチニブとして体重に合わせて次の投与量を1日1回又は1日2回経口投与する。

体重1日量1回投与量(朝/夕)
6kg以上15kg未満 150mg 150mg/0mg
15kg以上25kg未満 300mg 150mg/150mg
25kg以上35kg未満 450mg 300mg/150mg
35kg以上 600mg 300mg/300mg

【参考情報】

アレセンサ、ALK融合遺伝子陽性固形がんに対するがん種横断での小児を含む適応拡大申請(2025年6月26日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20250626153000_1497.html

FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、ALK融合遺伝子陽性の固形がんに対するアレセンサのコンパニオン診断として承認を取得(2026年5月18日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20260518153000_1579.html

TACKLE試験について

 TACKLE試験(NCCH1712/MK003、jRCT2091220364)は、ALK遺伝子異常(融合遺伝子、活性化型遺伝子変異、遺伝子コピー数増加)を有する切除不能の小児を含む希少がんを対象に、アレセンサの有効性および安全性を評価した、医師主導の多施設共同非盲検単群国内第II相臨床試験です。本試験では、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に登録されたゲノム情報等も活用し、26名の患者さんにおいて安全性・有効性が検討されました。主要評価項目は奏効率で、副次的評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、安全性等でした。TACKLE試験は、国立がん研究センター中央病院が産学共同で希少がんの治療開発を推進するMASTER KEYプロジェクト1の副試験として国内4施設(国立がん研究センター中央病院、京都大学医学部附属病院、九州大学病院、北海道大学病院)で実施されています。

ALK融合遺伝子陽性固形がんについて

 ALK融合遺伝子とは、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)遺伝子と他の遺伝子(EML4NPMなど)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です2,3ALK融合遺伝子から作られるALK融合タンパク質により、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。ALK融合遺伝子は、炎症性筋繊維芽細胞性腫瘍、肺がん、乳がん、大腸がんなどの患者さんで確認されています2,4,5

アレセンサについて

 アレセンサは中外製薬で創製された、ALKに対する選択性が高く、中枢神経系においても活性がある経口剤です。ALK融合遺伝子陽性肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)の約3-5%に見られるとされています4。同剤はすでに、日本、米国、欧州、中国、台湾を含む世界100カ国以上でALK融合遺伝子陽性の転移性NSCLCに対する一次治療および二次治療に対して承認されています。ALK融合遺伝子陽性NSCLCの術後補助療法としては、2024年4月に米国で承認を受け、続けて欧州では同年6月に、日本では同年8月にそれぞれ承認されています。日本では、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対しても承認を取得しています。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. 国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院. MASTER KEYプロジェクト [Internet; cited May 2026]. Available from: https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/masterkeyproject/index.html.
  2. Morris, SW. et al.: Fusion of a kinase gene, ALK, to a nucleolar protein gene, NPM, in non-Hodgkin’s lymphoma. Science 267(5196): 316-317, 1995.
  3. Soda, M. et al.: Identification of the transforming EML4-ALK fusion gene in non-small-cell lung cancer. Nature 448(7153): 561-566, 2007.
  4. 日本肺癌学会バイオマーカー委員会. 肺癌患者におけるバイオマーカー検査の手引き 4)バイオマーカー検査の対象となる遺伝子とその異常4-2. ALK(2025年4月改定 v2.0)[Internet; cited May 2026] Available from: https://www.haigan.gr.jp/publication/guidance/inspection/
  5. Lin, E. et al.: Exon array profiling detects EML4-ALK fusion in breast, colorectal, and non-small cell lung cancers. Mol. Cancer Res. 7: 1466-1476, 2009.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
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