中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2026年02月09日

  • 医薬品
  • 研究開発

NXT007、血友病Aを対象とする第I/II相臨床試験において、エミシズマブから休薬期間なしの切り替えにおける良好な忍容性と有効性を確認

  • 血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有または非保有の血友病Aの方々を対象としたNXTAGE試験パートCにおいて、エミシズマブからNXT007へ休薬期間なしの切り替えにおける良好な忍容性を示した
  • エミシズマブ未治療群を対象としたパートBと同様に、高用量コホートにおいて、正常レベルと同等の血液凝固第VIII因子活性が期待できる血中濃度に到達し、治療を要する出血は認められなかった
  • NXT007は中外製薬が創製し、現在血友病Aに対する治療薬として開発中。2026年より3つの第III相臨床試験を開始予定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、アイルランドで開催された欧州血液病学会(EAHAD:European Association for Haemophilia and Allied Disorders)2026年会議において、エミシズマブから休薬期間なくNXT007に切り替えた初めての臨床データである第I/II相臨床試験のパートCデータを発表したことをお知らせいたします。NXT007は血友病Aで広く使用されているヘムライブラ(一般名:エミシズマブ)を基にした次世代型のバイスペシフィック抗体であり、血友病Aを対象に皮下投与製剤として開発中です。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「休薬期間を設けずエミシズマブからNXT007へ切り替えた際に良好な忍容性が示されたことは、切り替え時の安全性評価を進める上で重要な知見と受け止めています。NXT007は血友病でない方と同等の血液凝固能を実現するという高い目標を目指して開発を進めています。ロシュ社と緊密に連携しながら2026年から開始予定の3つの第III相臨床試験を着実に進め、一日でも早く患者さんにお届けできるよう尽力してまいります」と語っています。

 NXTAGE試験はNXT007の安全性、薬物動態、薬力学、有効性を評価する多施設共同第I/II相臨床試験です。このうち、今回データを発表したパートCは、12週間以上継続的にエミシズマブ治療を受けている12歳以上65歳未満のFVIIIインヒビター保有または非保有の血友病Aの方々に対する反復漸増投与パートです。本パートの参加者は4つのコホートに分けられ、12週間以上のエミシズマブによる前治療を行った後、休薬期間を設けずにNXT007の皮下投与に切り替え、4~6週の負荷投与後、4週ごとに異なる投与量で皮下への維持投与が行われました。本解析は、各コホートで3名以上(計14名)が16週以上のNXT007投与を受けた後に行われました。

 エミシズマブからNXT007へ切り替えた際の忍容性は良好でした。血栓塞栓事象は認められず、有害事象の発現件数に用量依存性はなく、投与中止に至った有害事象、および重大な有害事象のうちNXT007に関連するものはありませんでした。NXT007に関連する有害事象の内、最も多く報告されたものは注射部位反応(14.3%)で、いずれも軽度でした。コホートC-3の参加者1名(7.1%)では、NXT007の血漿中濃度に影響を与える抗薬物抗体(ADA)が出現しましたが、NXT007の血漿中濃度は一定のレベルを維持し、出血イベントなく試験を継続しました。また、NXT007の血中濃度は用量依存的に増加し、エミシズマブ未治療群を対象としたパートBと同様に、高用量コホートC-3およびC-4では、非臨床データから予測される血液凝固第FVIII因子等価活性1の正常レベルを期待できる血中濃度まで到達することが確認できました。NXT007への切り替え後、治療を要する出血は、コホートC-3およびC-4では認められませんでした。

【参考情報】
NXT007、血友病Aを対象とする第I/II相臨床試験において、正常レベルの血液凝固能をもたらす可能性を示唆(2025年6月23日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20250623113001_1496.html

NXT007の非臨床研究成果がJournal of Thrombosis and Haemostasisに掲載(2023年11月7日ニュースリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20231107160000_1339.html

NXT007について
 NXT007は、血友病でない方と同等の血液凝固能と簡便な投与を目指して開発している自社創製のバイスペシフィック抗体です。活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替するよう設計されています。本剤には、中外製薬独自の抗体エンジニアリング技術として「FAST-Ig」技術2が初めて適用され、ヘムライブラの可変領域を最適化することでより高い有効性を目指しています。加えて、「ACT-Ig®」技術3の適用により、PKプロファイルの改善を目指しています。2022年8月にはロシュ社が導入を決定しました。現在、血友病Aを対象に第I/II相臨床試験を実施中であり、2026年にはヘムライブラとの直接比較を含む3つの第III相臨床試験を開始する予定です。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

  1. Koichiro Yoneyama et.al., Blood (2022) 140 (Supplement 1): 11295-11296
  2. Hikaru Koga et al. Efficient production of bispecific antibody by FAST-IgTM and its application to NXT007 for the treatment of hemophilia A, mAbs, 15:1
  3. Atsuhiko Maeda et al. Identification of human IgG1 variant with enhanced FcRn binding and without increased binding to rheumatoid factor autoantibody, mAbs, 9:5, 844-853

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp