中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2025年11月20日
- 医薬品
- 研究開発
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、レポトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断として承認を取得
- レポトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断として承認を取得
- コンパニオン診断としての適応は、8つのがん種、計28の薬剤に拡大
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」について、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:勝間 英仁)が国内における製造販売承認事項一部変更承認を取得した抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「オータイロ®」(一般名:レポトレクチニブ)のNTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断として、10月3日に厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は「この度、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが、レポトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断として承認されたことを嬉しく思います。NTRK融合遺伝子のような、がん種横断的に低頻度で発現する希少な遺伝子変異も含め、単一のがん遺伝子パネル検査で包括的に診断できることは、患者さんの最適な治療方針の検討に有用と考えます。今後も、コンパニオン診断の拡充により、患者さん一人ひとりの遺伝子変異に基づく個別化医療の高度化に貢献してまいります」と語っています。
今回の承認は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによりNTRK1/2/3融合遺伝子を検出することで、NTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するレポトレクチニブの適応判定の補助を可能にすることを目的としています。NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌に対するレポトレクチニブの有効性・安全性は、国際共同第I/II相臨床試験(TRIDENT-1試験)および海外第I/II相臨床試験(CARE試験)にて評価され、2025年11月20日にブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社が製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、包括的ゲノムプロファイリングの普及を通じ、がん領域におけるより高度な個別化医療を実現し、患者さんに貢献できるよう取り組んでまいります。
電子化された添付文書情報 下線・太字部分が追加されました。
使用目的又は効果
- 本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイルを取得する。
- 本品は、下表の医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出する。
| 遺伝子変異等 | がん種 | 関連する医薬品 |
|---|---|---|
| 活性型EGFR遺伝子変異 | 非小細胞肺癌 | アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩、ダコミチニブ水和物 |
| EGFRエクソン20 T790M変異 | オシメルチニブメシル酸塩 | |
| ALK融合遺伝子 | アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリグチニブ | |
| ROS1融合遺伝子 | エヌトレクチニブ | |
| MET遺伝子エクソン14スキッピング変異 | カプマチニブ塩酸塩水和物 | |
| BRAF V600E及びV600K変異 | 悪性黒色腫 | ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ、ビニメチニブ |
| ERBB2コピー数異常 (HER2遺伝子増幅陽性) |
乳癌 | トラスツズマブ(遺伝子組換え) |
| AKT1遺伝子変異 | カピバセルチブ | |
| PIK3CA遺伝子変異 | ||
| PTEN遺伝子変異 | ||
| KRAS/NRAS野生型 | 結腸・直腸癌 | セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え) |
| 高頻度マイクロサテライト不安定性 | ニボルマブ(遺伝子組換え) | |
| 高頻度マイクロサテライト不安定性 | 固形癌 | ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) |
| 腫瘍遺伝子変異量高スコア | ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) | |
| NTRK1/2/3融合遺伝子 | エヌトレクチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩、レポトレクチニブ | |
| RET融合遺伝子 | セルペルカチニブ | |
| BRCA1/2遺伝子変異 | 卵巣癌 | オラパリブ |
| BRCA1/2遺伝子変異 | 前立腺癌 | オラパリブ、タラゾパリブトシル酸塩 |
| FGFR2融合遺伝子 | 胆道癌 | ペミガチニブ |
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルについて
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルは、米国のファウンデーション・メディシン社により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システムです。患者さんの固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における塩基置換、挿入/欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability: MSI)の判定や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden: TMB)の算出を行います。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能です。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
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- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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