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2025年10月24日
- 経営・財務
2025年12月期第3四半期連結決算
- 国内外の製商品売上高がともに堅調に推移し、Core売上収益9,116億円(前年同期比+5.0%)、Core営業利益4,505億円(同+5.6%)、Core四半期利益3,200億円(同+6.2%)の増収増益
- 自社創製品では、イーライリリー社に導出したorforglipronの複数の第III相臨床試験が主要評価項目を達成したことに加え、ピアスカイを台湾で発売。ロシュからの導入品の開発も順調に進展
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2025年12月期第3四半期連結決算を発表しました。
<2025年12月期1-9月Core業績概要>
2025年12月期第3四半期の業績は堅調に推移し、前年同期比で増収増益でした。
売上収益のうち、国内製商品売上高は3.6%の増収となりました。オンコロジー領域は、主力品のアバスチンが薬価改定や後発品の影響を受け減少した一方で、新製品のフェスゴ、ルンスミオ、主力品のポライビーが順調に伸長し、0.2%の増収でした。スペシャリティ領域は、主力品のバビースモ、ヘムライブラ、エンスプリングが堅調に推移したことに加え、新製品のピアスカイの好調な市場浸透により、7.7%の増収となりました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのアクテムラが大幅に増加し、7.7%の増収でした。その他の売上収益は、ヘムライブラに関する収入が増加したものの、一時金収入の減少等により0.9%の減収でした。
製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で0.6ポイント上昇し、33.1%でした。研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴い0.7%の増加、販売費及び一般管理費は諸経費等を主因として4.3%の減少でした。その他の営業収益(費用)は4億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益は4,505億円(+5.6%)、Core営業利益率(対売上収益)は49.4%となりました。
<研究開発の状況>
研究開発活動では、自社創製品・ロシュからの導入品ともに順調に進捗しました。
自社創製品では、ピアスカイが発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象とする初の皮下投与製剤として台湾で発売されました。エンスプリングは甲状腺眼症を対象とした第III相臨床試験の結果が得られ、本データは承認申請に向けて今後グローバルで各規制当局と共有される予定です。イーライリリー社に導出した経口GLP-1受容体作動薬orforglipronは肥満症や2型糖尿病を対象とした複数の第III相臨床試験において主要評価項目を達成しました。
ロシュからの導入品では、テセントリクが再発または難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型を対象に適応拡大の承認を取得しました。アバスチンは神経線維腫症II型を対象に適応拡大の申請を行いました。glofitamabは再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫および再発または難治性のマントル細胞リンパ腫を対象にそれぞれ国内で第II相臨床試験を開始したことに加え、afimkibartはクローン病を対象に第III相臨床試験、divarasibは非小細胞肺がん(一次治療)を対象に第Ib/Ⅱ相臨床試験を開始しました。また、ロシュから新たに持続性GLP-1/GIP受容体作動薬CT-388を導入しました。
【2025年12月期1-9月実績】
| (億円) | 2025年 1-9月 | 2024年 1-9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 連結損益(Core実績) | |||
| 売上収益 | 9,116 | 8,685 | +5.0% |
| 製商品売上高 | 7,946 | 7,503 | +5.9% |
| その他の売上収益 | 1,171 | 1,182 | △0.9% |
| 営業利益 | 4,505 | 4,266 | +5.6% |
| 四半期利益 | 3,200 | 3,013 | +6.2% |
| 連結損益(IFRS実績) | |||
| 売上収益 | 9,116 | 8,685 | +5.0% |
| 営業利益 | 4,298 | 4,186 | +2.7% |
| 四半期利益 | 3,056 | 2,958 | +3.3% |
<製商品売上高の内訳>
| (億円) | 2025年 1-9月 | 2024年 1-9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 製商品売上高 | 7,946 | 7,503 | +5.9% |
| 国内 | 3,437 | 3,317 | +3.6% |
| オンコロジー領域 | 1,807 | 1,803 | +0.2% |
| スペシャリティ領域 | 1,630 | 1,513 | +7.7% |
| 海外 | 4,509 | 4,187 | +7.7% |
<オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目>
| (億円) | 2025年 1-9月 | 2024年 1-9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| テセントリク | 460 | 474 | △3.0% |
| ポライビー | 270 | 245 | +10.2% |
| フェスゴ | 245 | 150 | +63.3% |
| アレセンサ | 243 | 224 | +8.5% |
| アバスチン | 196 | 256 | △23.4% |
<スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目>
| (億円) | 2025年 1-9月 | 2024年 1-9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| ヘムライブラ | 447 | 415 | +7.7% |
| アクテムラ | 367 | 348 | +5.5% |
| エンスプリング | 209 | 178 | +17.4% |
| バビースモ | 185 | 147 | +25.9% |
| エブリスディ | 120 | 113 | +6.2% |
【研究開発活動の進展】(2025年7月25日~2025年10月24日)
Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。