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2025年10月10日
- 医薬品
- 研究開発
持続性GLP-1/GIP受容体作動薬CT-388の導入契約締結について
- 肥満症および2型糖尿病の治療薬として開発中の持続性GLP-1/GIP受容体作動薬CT-388をロシュ社より導入。日本における独占的開発権および販売権を取得
- GLP-1およびGIPの2つの受容体に選択的に作用し、良好な忍容性に加えて、持続的な体重減少と血糖コントロールが期待できる
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(本社:スイス・バーゼル、CEO:トーマス・シネッカー、以下ロシュ社)と、肥満症および2型糖尿病の治療薬として開発中の持続性GLP-1/GIP受容体作動薬CT-388について、導入契約を締結しましたのでお知らせいたします。本契約の締結により、中外製薬はCT-388の日本における独占的開発権および販売権の許諾を受け、その対価として契約一時金およびマイルストンをロシュ社に支払います。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「CT-388は、GLP-1とGIPの2つの受容体に選択的に作用します。持続的な体重減少および良好な血糖コントロールが期待されており、肥満症あるいは2型糖尿病患者さんに新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。中外製薬は、CT-388を日本の患者さんに早期にお届けするため、ロシュ社と緊密に連携し開発を進めてまいります」と語っています。
CT-388の海外第I相臨床試験(CT-388-101試験)において、肥満の成人に対しCT-388を週1回、24週間皮下注射したところ、プラセボ調整後のCT-388による体重減少は24週時点で平均-18.8%(p値< 0.001)であり、プラセボ群と比較しCT-388投与群で臨床的に意義のあるかつ統計学的に有意な体重減少が認められました。CT-388投与群の100%が5%超、85%が10%超、70%が15%超、45%が20%超の体重減少を達成しました。また、忍容性は良好で、軽度から中等度の消化器系副作用が最も多くみられ、本剤と同じインクレチン系薬剤で一般的に認められるものでした。CT-388は現在、2型糖尿病を伴う肥満症を対象に海外で第II相臨床試験が実施されています。
中外製薬は引き続き、ロシュ・グループの研究・開発資源を有効に活用した画期的新薬の探索により、アンメットメディカルニーズの解決に取り組んでまいります。
CT-388-101試験について
CT-388-101 試験は、過体重または肥満の成人と、肥満を伴う2型糖尿病を対象とした第I相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験で、CT-388の低用量から高用量までを単回漸増投与、反復漸増投与、および最長24週間の反復投与により評価しました。本試験には129名が登録されました。主要評価項目はCT-388の安全性と忍容性であり、副次評価項目として体重および血糖恒常性への影響が含まれます。また、CT-388の薬物動態およびその他の薬力学的作用も評価されました。
CT-388について
CT-388は、肥満症および2型糖尿病の治療を目的として開発中の週1回皮下注射によるGLP-1/GIP受容体作動薬です。GLP-1およびGIPの両受容体に対して高い活性を示すよう設計されており、いずれの受容体においてもβ-アレスチンのリクルートメント(動員)が最小限またはほとんど認められないように設計されています。このバイアス型シグナル伝達により、受容体の内在化およびそれに伴う脱感作が大幅に抑制され、薬理作用の持続が期待されています。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
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