中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2025年09月17日

  • 医薬品
  • 研究開発

経口GLP-1受容体作動薬orforglipronに関するEli Lilly社の発表について

上場会社名 中外製薬株式会社
コード番号 4519(東証プライム市場)
本社所在地 東京都中央区日本橋室町2-1-1
代表者 代表取締役社長 CEO 奥田 修
問合せ先 責任者役職名 広報IR部長
氏名 宮田 香絵
電話番号
報道関係者の皆さま 03(3273)0881
投資家の皆さま 03(3273)0554
  • 主要評価項目において、各々の高用量投与時、orforglipronは経口セマグルチドと比較してHbA1cを低下(2.2% vs 1.4%)
  • 主要な副次的評価項目において、高用量のorforglipronを投与された被験者は、経口セマグルチドを投与された被験者と比較して体重が減少(平均19.7ポンド(8.9㎏)(9.2%) vs 平均11.0ポンド(5.0㎏)(5.3%))。相対的な改善率は73.6%
  • orforglipronの安全性と忍容性は、これまでの試験と一貫性のある結果


 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)が創製し、Eli Lilly and Company (以下、Eli Lilly社、本社:米国・インディアナポリス、CEO:デイビッド・A・リックス)が開発中の経口GLP-1受容体作動薬orforglipronにつきまして、2025年9月17日(現地時間)、ACHIEVE-3試験におけるポジティブなトップライン結果について、Eli Lilly社よりプレスリリースが発出されましたので、お知らせいたします。

 本試験は、メトホルミンで効果不十分な2型糖尿病の成人1,698例を対象に、承認された用法・用量に基づいて投与された経口セマグルチドと比較して、orforglipronの安全性と有効性を評価する非盲検無作為化第Ⅲ相臨床試験です。この52週間の試験では、4つの実薬群においてorforglipron(12mgおよび36mg)と経口セマグルチド(7mgおよび14mg)を比較し、血糖管理と体重減少を評価しました。52週時点において、orforglipronは経口セマグルチドとの各用量における比較で主要評価項目およびすべての主要な副次的評価項目を達成し、HbA1cと体重において改善を示しました※1

 ACHIEVE-3試験において、orforglipronは主要評価項目を達成し、経口セマグルチドに対する優越性を示しました。有効性 estimand※2を用いた52週時点での評価では、HbA1c減少幅はorforglipron群で平均1.9%(12mg)および2.2%(36mg)であったのに対し、経口セマグルチド群では平均1.1%(7mg)および1.4%(14mg)でした。副次的評価項目において、HbA1cが5.7%未満を達成した被験者の割合は、orforglipron高用量群で37.1%であったのに対し、経口セマグルチド高用量群では12.5%でした1。主要な副次的評価項目である体重減少においても、orforglipronは経口セマグルチドに対して、体重減少量はorforglipron群で平均14.6ポンド(6.6㎏)(6.7%; 12mg)および19.7ポンド(8.9㎏)(9.2%; 36mg)であったのに対し、経口セマグルチド群では平均7.9ポンド(3.6kg)(3.7%; 7mg)および11.0ポンド(5.0㎏)(5.3%; 14mg)でした。また、orforglipronは、non-HDLコレステロール、収縮期血圧、トリグリセリドなどの主要な心血管リスク因子においても、改善を示しました※3

 ACHIEVE-3試験におけるorforglipronの全般的な安全性および忍容性のプロファイルは、これまでの試験と一貫性のある結果でした。最も多く報告された有害事象は消化器症状で、概ね軽度から中等度の重症度でした。有害事象による投与中止率は、orforglipron群で8.7%(12mg)および9.7%(36mg)であったのに対し、経口セマグルチド群では4.5%(7mg)および4.9%(14mg)でした。ただし、本試験はorforglipronと経口セマグルチドの安全性および忍容性を比較するようにはデザインされていません。orforglipronにおいて、肝機能に関する安全性シグナルは観察されませんでした。

 ACHIEVE-3試験の詳細な結果は、今後の医学会で発表され、査読付き学術誌に掲載される予定です。Eli Lilly社は、2026年に2型糖尿病治療薬としてorforglipronを各国の規制当局に申請する予定です。

 Eli Lilly社のプレスリリース全文は、以下リンクのLatest Newsよりご参照ください。
Lilly’s oral GLP-1, orforglipron, superior to oral semaglutide in head-to-head trial
https://investor.lilly.com/

 本件に伴う、2025年1月30日に公表した2025年12月期連結業績予想への影響はありません。

※1 副次的評価項目としてあらかじめ規定したorforglipron 12 mg群と経口セマグルチド14 mg群の体重の比較は、有効性estimandを用いた評価では名目上有意な差を認めましたが、有効性estimandや治療方針estimandに対してfamily-wise type 1 errorの制御を行っていません。
※2 有効性estimandは、無作為化を受け、血糖降下薬の(14日間を超える)追加投与を行うことなく試験介入を完了できた(途中の中断および/または用量変更は可)ときの有効性を示します。
※3 family-wise type 1 errorの制御を行っていません。


出典:

  1. American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2020 Abridged for Primary Care Providers. Clinical Diabetes 2020; 38(1):10–38.

 以 上

    本件に関するお問い合わせ先:
    中外製薬株式会社 広報IR部

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    • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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    • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp