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2025年07月24日

  • 経営・財務

2025年12月期第2四半期連結決算

  • Core売上収益5,785億円(前年同期比+4.6%)、Core営業利益2,720億円(同+3.5%)、Core中間利益1,935億円(同+2.1%)
  • 自社創製品のGYM329(肥満病)が第II相臨床試験を開始し、中分子プロジェクトのAUBE00(固形がん)が臨床入りしたほか、研究開発も順調に進展
  • 早期臨床開発段階にある自社品パイプラインのうち、LUNA18、SAIL66、SOF10、STA551、AMY109について自社開発一括中止を経営判断。優先度の高いプロジェクトへの機動的・戦略的なリソース配分により、TOP I 2030の目標達成への確度を高める

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2025年12月期第2四半期連結決算を発表しました。

<2025年12月期1-6月Core業績概要>
 2025年12月期第2四半期の業績は、前年同期比で増収増益でした。

 売上収益のうち、国内製商品売上高は2.8%の増収となりました。オンコロジー領域は、新製品フェスゴ®が好調であったほか、同じく新製品ルンスミオ®が順調に市場浸透しているものの、フェスゴの浸透に伴う同薬効成分であるパージェタ®、ハーセプチン®の減少や、主力品アバスチン®などが薬価改定や後発品浸透の影響を受けたことにより、1.9%の減収でした。スペシャリティ領域は、主力品バビースモ®の大幅な増加に加え、新製品ピアスカイ®の好調な市場浸透により、8.4%の増収となりました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのアクテムラ®が大幅に増加し、7.3%の増収でした。その他の売上収益は、ヘムライブラ®に関するロイヤルティ収入が増加したものの、一時金収入の減少等により0.4%の減収でした。

 製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で1.3ポイント上昇し、34.3%でした。研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴い2.7%の増加、販売費及び一般管理費は諸経費等の効率的運用により2.6%の減少でした。その他の営業収益(費用)は4億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益は2,720億円(+3.5%)となりました。

 <研究開発の状況>  
 研究開発活動では、開発早期・後期とも順調に進捗しました。

 当社の中長期の成長を担う自社創製品の早期開発では、GYM329(肥満症)とヘムライブラ(フォン・ヴィレブランド病)がそれぞれ第II相、第III相臨床試験を開始したほか、中分子としてLUNA18に続く2つ目の臨床入りプロジェクトであるAUBE00(固形がん)が第I相臨床試験を開始しました。後期開発では、アレセンサ®がALK融合遺伝子陽性固形がんを対象にがん種横断での小児を含む適応拡大の申請を行いました。ロシュ以外の第三者に導出した自社創製品も順調に進捗しており、Verastem Oncology社に導出したAVMAPKI™は、KRAS変異陽性再発低悪性度漿液性卵巣がんに対してFAKZYNJA™との併用療法が、米国食品医薬品局(FDA)より奏効率および奏効期間に基づく迅速承認制度*のもとで承認されました。

 なお、早期臨床開発段階にある自社品パイプラインのうち、LUNA18、SAIL66、SOF10、STA551、AMY109について、自社開発一括中止を経営判断として決定しました。2021年のTOP I 2030開始以降、RED機能強化により新規プロジェクトの持続的創出や技術基盤の構築が進展しています。4年間で9個の自社創製品プロジェクトが臨床入りするなど、早期プロジェクト数が増加しています。そこで、早期臨床開発段階にある自社品パイプラインを対象として、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案の上、優先順位付けを行った結果、上記の5つのプロジェクトについて一括中止することといたしました。今回の判断により、優先度の高いプロジェクトに対して機動的・戦略的なリソース配分を行うことで、TOP I 2030で掲げる目標達成への確度を高めていきたいと考えています。
* 承認の継続は、確認試験における臨床的有用性の検証および説明を条件とする場合があります

 ロシュからの導入品では、エレビジス®がデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療を目的とした再生医療等製品として国内で条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得しました。バビースモは網膜色素線条に対して適応拡大の承認を取得し、エブリスディ®は新たな剤型を国内で販売開始しました。また、ルンスミオがポライビー®との併用で再発または難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫を対象に、テセントリク®が切除不能な胸腺がんを対象にそれぞれ適応拡大の申請を行いました。加えて、バビースモ(非増殖糖尿病網膜症)、inavolisib(PIK3CA遺伝子変異陽性乳がん)が新たに臨床試験を開始しました。

【2025年12月期1-6月実績

(億円)2025年
1-6
2024年
1-6
前年同期比
連結損益(Core実績)
売上収益 5,785 5,529 +4.6%
 製商品売上高 5,114 4,855 +5.3%
 その他の売上収益 670 673 △0.4%
営業利益 2,720 2,628 +3.5%
中間利益 1,935 1,895 +2.1%
連結損益(IFRS実績)
売上収益 5,785 5,529 +4.6%
営業利益 2,733 2,582 +5.8%
中間利益 1,944 1,863 +4.3%

<製商品売上高の内訳>

(億円)2025年
1-6
2024年
1-6
前年同期比
製商品売上高5,1144,855+5.3%
国内 2,233 2,172 +2.8%
 オンコロジー領域 1,166 1,188 △1.9%
 スペシャリティ領域 1,067 984 +8.4%
海外 2,881 2,684 +7.3%

オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2025年
1-6
2024年
1-6
前年同期比
テセントリク 299 311 △3.9%
ポライビー 170 157 +8.3%
アレセンサ 158 149 +6.0%
フェスゴ 154 86 +79.1%
アバスチン 130 174 △25.3%

スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2025年
1-6
2024年
1-6
前年同期比
ヘムライブラ 291 274 +6.2%
アクテムラ 238 224 +6.3%
エンスプリング 133 116 +14.7%
バビースモ 120 91 +31.9%
エブリスディ 79 75 +5.3%


【研究開発活動の進展】(2025年4月25日~2025年7月24日)

2025 Q2 R&D Progress

Core実績について

 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。