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2025年04月24日

  • 経営・財務

2025年12月期第1四半期連結決算

  • Core売上収益2,885億円(前年同期比+21.8%)、Core営業利益1,395億円(同+36.6%)、Core四半期利益992億円(同+30.5%
  • 好調な海外輸出を主因に増収増益の決算
  • 研究開発活動は、自社創製品の開発早期・後期とも順調に進展
  • 早期開発において、NXT007ではPoCを確認した他、複数の自社創製品で新たな臨床試験を開始
  • 後期開発において、経口GLP-1作動薬orforglipronが2型糖尿病に対する第III相臨床試験で主要評価項目を達成、NEMLUVIOが欧州で承認を取得

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、202512月期第1四半期連結決算を発表しました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「2025年第1四半期は前年同期比で増収増益と、好調なスタートとなりました。国内では薬価改定や後発品浸透の影響を受けたものの、新製品であるフェスゴ®とピアスカイ®、主力品のバビースモ®が好調に推移し、海外では主力品であるヘムライブラ®とアクテムラ®の輸出が大きく増加したことで全体の成長を大きくけん引しました。開発パイプラインの進捗としては、ロシュからの導入品、ルンスミオ®が再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を適応症として国内で販売を開始しました。自社創製品では、ガルデルマ社に導出したNEMLUVIO®(nemolizumab)が欧州で承認を取得、イーライリリー社に導出したorforglipronは2型糖尿病に対する第III相臨床試験で主要評価項目を達成し、それぞれ大きな進展を果たしました。また、最も重要な開発品の一つであるNXT007が血友病Aに対してPoC*を取得し、最速での第III相試験開始に向け準備を加速していきます。加えて、エンスプリング®、RAY121、MINT91の3つの自社創製品が新たな臨床試験を開始しました。引き続き、世界中の患者さんに新たな価値を提供するため、当社独自の革新的な医薬品開発を一層強く推進してまいります」と語っています。

<2025年12月期1-3月Core業績概要>

 2025年12月期第1四半期の業績(Coreベース)は、海外売上の大幅な伸長により、前年同期比で売上収益が21.8%増、営業利益が36.6%増と増収増益の決算でした。

 売上収益のうち、国内製商品売上高は0.2%減と前年同期並みでした。オンコロジー領域は、新製品フェスゴが好調であった一方、フェスゴの浸透に伴う同薬効成分であるパージェタ®、ハーセプチン®の減少や、主力品アバスチン®などが薬価改定や後発品浸透の影響を受けたことにより、前年同期比で5.3%の減収でした。スペシャリティ領域は、主力品バビースモの好調な推移に加え、新製品ピアスカイの好調な市場浸透により、前年同期比で6.2%の増収となりました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ、アクテムラ輸出が大幅に増加し、54.7%増と前年同期を大きく上回りました。その他の売上収益は、ヘムライブラに関するロイヤルティ収入が増加したものの、一時金収入の減少等により11.7%の減収でした。

 製商品原価率は、製品別売上構成比の変化などにより前年同期比で1.8ポイント改善し、33.7%でした。研究開発費、販売費及び一般管理費は前年同期並みでした。その他の営業収益(費用)は3億円の収益となりました。これらの結果、Core営業利益は1,395億円(+36.6%)となりました。

 <研究開発の状況> 

 研究開発活動では、開発早期・後期とも順調に進捗しました。

 当社の中長期の成長けん引を担う自社創製品の早期開発では、エンスプリング(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)が第II相臨床試験を開始した他、RAY121およびMINT91(固形がん)がそれぞれ新たに第Ⅰ相臨床試験を開始しました。また、NXT007(血友病A)が重要なマイルストンであるPoC取得を達成しました。ロシュ以外の第三者に導出した自社創製品も順調に進捗しており、イーライリリー社に導出した経口GLP-1作動薬orforglipronは2型糖尿病の第III相試験で良好な結果が得られました。また、ガルデルマ社が海外で開発を進めているNEMLUVIOは、欧州において中等度から重度のアトピー性皮膚炎および結節性痒疹に対して承認を取得するなど、後期開発での進展がみられました。

ロシュからの導入品では、ルンスミオ®が再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の治療薬として国内で販売を開始しました。また、テセントリクが胞巣状軟部肉腫の適応拡大で承認を取得した他、バビースモ、エブリスディ®が新たな剤型追加で承認を取得しました。アルツハイマー病に対し開発中のtrontinemabは第I/II相臨床試験で良好な結果が得られました。

 * Proof of Concept(研究段階で構想した薬効が臨床でも有効性を持つことを実証すること)

【2025年12月期1-3実績】

(億円)2025年
1-3
2024年
1-3
前年同期比
連結損益(Core実績)
 売上収益 2,885 2,369 +21.8%
  製商品売上高 2,597 2,045 +27.0%
  その他の売上収益 287 325 11.7%
 営業利益 1,395 1,021 +36.6%
 四半期利益 992 760 +30.5%
連結損益(IFRS実績)
 売上収益 2,885 2,369 +21.8%
 営業利益 1,367 999 +36.8%
 四半期利益 972 744 +30.6%

<製商品売上高の内訳>

(億円)2025年
1-3
2024年
1-3
前年同期比
製商品売上高2,5972,045+27.0%
 国内 1,030 1,032 0.2%
  オンコロジー領域 531 561 5.3%
  スペシャリティ領域 499 470 +6.2%
 海外 1,567 1,013 +54.7%

オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2025年
1-3
2024年
1-3
前年同期比
 テセントリク 138 145 4.8%
 ポライビー 75 74 +1.4%
 アレセンサ 75 66 +13.6%
 フェスゴ 68 32 +112.5
 アバスチン 61 87 29.9%

スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目、およびロナプリーブ

(億円)2025年
1-3
2024年
1-3
前年同期比
ヘムライブラ 126 125 +0.8%
アクテムラ 109 102 +6.9%
エンスプリング 61
58 +5.2%
バビースモ 54 40 +35.0%
エブリスディ 34 34 +0.0%


【研究開発活動の進展】(2025年1月30日~2025年4月24日)

2025 Q1 R&D Progress

Core実績について

 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。