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2025年03月27日

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エブリスディ、SMA治療薬で初の錠剤が承認

  • 現在、エブリスディは100カ国以上で承認され、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬における唯一の経口投与可能な治療薬
  • 既存のドライシロップと同等の曝露量を示すことが確認された生物学的同等性試験に基づく剤形追加の承認
  • 既存製剤より簡便な服用プロセス、取り扱いにより、SMAの方々の日常生活の自由度向上への寄与を期待

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、脊髄性筋萎縮症治療薬エブリスディ(一般名:リスジプラム)について、本日、新しい剤形である「エブリスディ®錠 5mg」に対して厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。エブリスディは現在、脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬における唯一の経口投与可能な治療薬です。既存のドライシロップは年齢と体重にかかわらず服用可能ですが、剤形追加となる錠剤は、2歳以上かつ体重が20 kg以上のSMAの方々における新たな選択肢となります。

 既存のドライシロップは瓶での冷所保存が必要であり、器具を使用した測り取りを通じて液剤として服用されます。SMAは運動機能が低下する疾患であり、患者さんによって、既存の服用方法が容易でない方もおられるため、ご本人や介助者の方にとって、より簡便な服薬選択肢が求められていました。今回承認を取得した新しい剤形「エブリスディ®錠 5mg」は室温保存が可能となり、持ち運びの面でも取り扱いが容易になります。2つの選択肢の提供を通じ、個々のライフスタイルに応じて適切な剤形を選択できるようになり、SMAの方々の日常生活の自由度向上に繋がることが期待されます。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「エブリスディは発売以来、SMAに対する唯一の経口薬として多くの方々に選択していただいてきました。今般、より簡便な服用を実現する新たな剤形が承認されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「エブリスディ錠は服用プロセスが簡素であるだけでなく、ドライシロップと比較して保管も簡便であるため、長期外出時の持ち歩きにおいても利便性が高まります。一人ひとりのライフスタイルに寄り添った治療が可能になる本剤を多くの方々にお届けできるよう、引き続き取り組んでまいります」と語っています。

 今回の承認は、ロシュ社が実施した生物学的同等性試験に基づく承認です。本試験では、5 mg錠剤をそのまま服用する場合既存のドライシロップと同等の曝露量を示すことが確認されました。これは、錠剤を服用する患者さんが、既存のドライシロップと同様の有効性と安全性を期待できることを意味します。エブリスディドライシロップは、他の用量のエブリスディを服用している方や、経口液剤を好む方のために引き続き選択可能です。

 ロシュ社は、SMA FoundationPTC Therapeuticsとの協業の一環として、エブリスディの臨床開発をリードしています。

エブリスディについて
 エブリスディは、SMN(survival motor neuron)タンパクの欠損につながる5番染色体の変異によって引き起こされる、SMAを治療するためにデザインされたSMN2スプライシング修飾剤です。SMNタンパクレベルを増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されています。SMNタンパクは全身に見られ、運動神経と運動機能の維持に重要です。ドライシロップは2020年8月に米国、2021年3月に欧州で承認されました。日本では、2021年6月に発売され、2024年9月には発症前に対する適応拡大、および生後2カ月未満の乳児に対する用法用量追加の承認を取得しました。新しい剤形である錠剤は、2025年2月に米国で承認されています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について1
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します2。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です3

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. With your SMA. 脊髄性筋萎縮症(SMA)にかかわるすべての人と歩む. Available from: https://with-your-sma.jp/. Accessed March 2025.
  2. Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
  3. Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46

以上

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