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2024年10月25日

  • 経営・財務

2024年12月期第3四半期連結決算

  • Core売上収益8,685億円(前年同期比+3.7%)、Core営業利益4,266億円(同+25.3%)、Core当期利益3,013億円(同+20.4%)
  • 好調な輸出売上により、増収増益の決算
  • 通期の業績予想を上方修正
  • 研究開発活動は、早期・後期開発ともに順調に進展
  • 自社創製品について、ピアスカイが欧州で、NEMLUVIO(ガルデルマ社に導出)が米国でそれぞれ承認を取得。アレセンサは国内で適応追加
  • 早期開発では自社創製品RAY121が6疾患同時開発に向けたバスケット試験を開始
  • 導入品では遺伝子治療用製品delandistrogene moxeparvovec、バビースモの承認申請、エブリスディの適応拡大を達成

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2024年12月期第3四半期連結決算を発表しました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「2024年第3四半期は、好調な海外輸出を主因として増収増益の決算となりました。国内では引き続き前年のロナプリーブ®政府納入完了の影響が残るほか、後発品や薬価改定の影響を受けましたが、海外では自社創製品ヘムライブラ®のロシュ向け輸出が大きく伸長し、海外収益の増加をけん引しました。今般、第3四半期時点の好調な業績推移を反映し、2024年通期業績予想の上方修正を発表しました。研究開発面では、ピアスカイ®が欧州で発作性夜間ヘモグロビン尿症に対して承認されたほか、ガルデルマ社に導出したNEMLUVIO®(nemolizumab)が米国で結節性痒疹を対象に承認されました。さらに、アレセンサ®はALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として国内で適応拡大の承認を取得しました。これらの自社創製品が、より多くの患者さんの治療に貢献できることを大変嬉しく思います。早期開発では、自社創製品RAY121が、早期の価値最大化を目指し6つの自己免疫疾患を対象とした第Ib相バスケット試験を開始しました。がん領域以外でのバスケット試験は世界でもほとんど前例のない新たな挑戦です。引き続き、世界中の患者さんに革新的な新薬をお届けするべく、イノベーションを追求してまいります」と語っています。


<2024年12月期1-9月Core業績概要>
 2024年12月期第3四半期累計の業績(Coreベース)は、好調な海外輸出およびその他の売上収益の増加を主因として、前年同期比で売上収益が3.7%増、営業利益が25.3%増と増収増益の決算でした。

 売上収益のうち、国内製商品売上高は22.7%の減収でした。オンコロジー領域は、新製品フェスゴ®が好調に推移した一方で、アバスチン®の後発品影響等により全体としては5.8%の減収でした。スペシャリティ領域は、新製品バビースモ®の伸長やピアスカイの好調な市場導入に加えて、主力品アクテムラ®の堅調な推移があったものの、引き続き前年のロナプリーブ政府納入完了の影響が大きく、36.4%の減収となりました。海外製商品売上高は、ヘムライブラのロシュ向け輸出が+47.9%と大幅に増加し、全体として33.8%の収益増をけん引しました。主力品のアレセンサも好調であったほか、エンスプリング®も前年同期比で約2倍の収益となりました。その他の売上収益は、一時金収入の増加に加え、ヘムライブラに関するロイヤルティ収入等が増加し、23.8%の増収でした。

 製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により前年同期比で10.6ポイント改善し、32.5%でした。研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展等により5.1%増加し、販売費及び一般管理費は為替影響及び法人事業税(外形標準課税)の増加等により1.5%の増加となりました。その他の営業収益(費用)は製品譲渡に係る収益等で24億円の収益であり、これらの結果、Core営業利益4,266億円(+25.3%)でした。

<研究開発の状況> 
 研究開発活動は、開発早期、後期とも順調に進展しています。

 自社創製品では、アレセンサがALK陽性非小細胞肺がんにおける術後補助療法として日本および台湾において承認を取得し、適応を拡大しました。また、抗補体C5リサイクリング抗体ピアスカイは、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬として欧州で承認を取得しました。欧州において初めての4週ごとの皮下投与が可能なPNH治療薬です。さらに、ガルデルマ社が海外で開発中の自社創製品NEMLUVIOについて、成人の結節性痒疹の治療薬として優先審査による承認を米国で取得しました。早期開発では、抗補体C1sリサイクリング抗体RAY121が、6つの自己免疫疾患を対象としたバスケット試験として第Ib相臨床試験を新たに開始しました。また、BRY10が、慢性疾患を対象に第Ⅰ相臨床試験を新たに開始し、パイプライン入りしました。

 ロシュ導入品では、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する治療薬として、遺伝子治療用製品delandistrogene moxeparvovec(開発コード:SRP-9001、海外製品名:Elevidys)の製造販売承認申請を行いました。また、バビースモの新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大申請を行いました。エブリスディ®は、未発症の脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する適応拡大および生後2カ月未満のSMA乳児に対する用法用量追加の承認を取得しました。さらに、KRAS G12C阻害剤divarasibが、非小細胞肺がんの二次治療を対象に第III相臨床試験を開始しました。加えて、ロシュからPIK3CA遺伝子変異を有する乳がんに対するPI3K阻害剤inavolisib、難治性疾患である潰瘍性大腸炎およびクローン病に対する抗TL1A治療薬RG6631を導入しました。

<2024年12月期通期業績予想の修正>
 好調な業績を踏まえて、2024年12月期の通期の業績予想(Coreベース)を上方修正しました。製商品売上高は、主にフェスゴ、ポライビー®、バビースモ、パージェタ®等の国内売上の進捗状況、ヘムライブラやアクテムラ等のロシュ向け輸出の好調な推移に鑑み、それらに伴う想定の見直しを反映しました。その他の売上収益は、一時金収入及びロイヤルティ収入等の予想を更新しました。これらの結果、売上収益は当初予想から800億円増の1兆1,500億円としました。また、製品別売上構成比の期初想定からの変化による原価率の改善、一部費用の増加等を織り込み、営業利益は同800億円増の5,400億円に見直しました。

 事業環境が大きく変化している状況により、当期末配当金の予想については未定と修正いたしました。当期末配当金は、利益配分の基本方針*に従い、当期末後に決定いたします。
*戦略的な投資資金需要の変化や業績見通しを勘案したうえで、安定的な配当を継続的に行うことを目標とし、配当性向としてはCore EPS対比平均して45%を目処とする。

【2024年12月期1-9月実績】

(億円)2024年
1-9月
2023年
1-9月
前年同期比
連結損益(Core実績)
 売上収益 8,685 8,376 +3.7%
  製商品売上高 7,503
7,421 +1.1%
  その他の売上収益 1,182 955 +23.8%
 営業利益 4,266 3,405 +25.3%
 四半期利益 3,013 2,503 +20.4%
連結損益(IFRS実績)
 売上収益 8,685 8,376 +3.7%
 営業利益 4,186 3,176 +31.8%
 四半期利益 2,958 2,343 +26.2%

<製商品売上高の内訳>

(億円)2024年
1-9月
2023年
1-9月
前年同期比
製商品売上高7,5037,421+1.1%
 国内 3,317 4,292 △22.7%
  オンコロジー領域 1,803 1,914 △5.8%
  スペシャリティ領域 1,513 2,379 △36.4%
 海外 4,187 3,129 +33.8%

オンコロジー領域(国内) 売上上位5品目

(億円)2024年
1-9月
2023年
1-9月
前年同期比
 テセントリク 474 479 △1.0%
 アバスチン 256 382 △33.0%
 ポライビー 245 255 △3.9%
 アレセンサ 224 220 +1.8%
 パージェタ 157 246 △36.2%

スペシャリティ領域(国内) 売上上位5品目、およびロナプリーブ

(億円)2024年
1-9月
2023年
1-9月
前年同期比
 ヘムライブラ 415 405 +2.5%
 アクテムラ 348 322 +8.1%
 エンスプリング 178 169 +5.3%
 バビースモ 147 108 +36.1%
 エブリスディ 113 103 +9.7%
 ロナプリーブ* - 812 △100.0%

*ロナプリーブは薬価未収載です

【2024年12月期通期業績予想】

(億円)【新】業績予想
(10月25日公表)
【旧】業績予想
(2月1日公表)
対旧予想比対2023年通期
実績比
連結損益(Core)
売上収益 11,500 10,700 +7.5% +386、+3.5%
 製商品売上高 9,860 9,220 +6.9% +115、+1.2%
 その他の売上収益 1,640 1,480 +10.8% +271、+19.8%
営業利益 5,400 4,600 +17.4% +893、+19.8%

【研究開発活動の進展】(2024年7月26日~2024年10月25日)

研究開発活動の進展一覧表

Core実績について

 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp