中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2024年10月23日
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Avutometinib、International Gynecologic Cancer Societyにて再発低悪性度漿液性卵巣がんに対するdefactinibとの併用によるRAMP 201試験の良好な最新データを発表
News Summary
本資料は、中外製薬が創製したRAF/MEK clampであるavutometinibの導出先であるVerastem Oncologyが10月17日(ボストン発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://investor.verastem.com/news-releases/news-release-details/verastem-oncology-presents-positive-updated-ramp-201-dataをご覧ください。
Verastem Oncologyは、再発低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC:low-grade serous ovarian cancer)に対し、経口RAF/MEK clampであるavutometinibと経口選択的FAK阻害剤であるdefactinibの併用を評価する第2相RAMP 201(ENGOTov60/GOG3052)臨床試験の最新データを発表しました。このデータはlate-breaking abstractとして公開され、さらに詳細な結果は10月18日に、アイルランドのダブリンで開催された2024年国際婦人科がん学会(ICGS:International Gynecologic Cancer Society)年次総会のオーラルプレナリーセッションで発表されました。
2024年6月30日のデータカットオフによるRAMP 201試験の主要解析では、測定可能病変を有する評価可能な全患者において、約12カ月の追跡期間での盲検下独立中央評価による全奏効率は31%(34/109例、95%信頼区間:23~41)でした。KRAS変異陽性のLGSOC患者では全奏効率は44%(25/57例、95%信頼区間:31~58)、KRAS野生型のLGSOC患者では17%(9/52例、95%信頼区間:8~30)でした。奏効期間(中央値)は評価可能な全患者で31.1カ月(95%信頼区間:14.8~31.1)、KRAS変異陽性集団で31.1カ月(95%信頼区間:14.8~31.1)、KRAS野生型集団で9.2カ月(95%信頼区間:5.5~評価不能)でした。無増悪生存期間(中央値)は評価可能な全患者で12.9カ月(95%信頼区間:10.9~20.2)、KRAS変異陽性集団で22カ月(95%信頼区間:11.1~36.6)、KRAS野生型集団で12.8カ月(95%信頼区間:7.4~18.4)でした。6カ月以上の病勢コントロール率は評価可能な全患者で61%、KRAS変異陽性集団で70%、KRAS野生型集団で50%でした。Avutometinibとdefactinibの併用による忍容性は良好であり、有害事象による中止率は10%で、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。併用による主な治療関連の有害事象(全グレード、グレード3以上)は、悪心(67.0%、2.6%)、下痢(58.3%、7.8%)、血中クレアチンホスホキナーゼ上昇(60.0%、24.3%)でした。
規制当局関連の最新情報
米国食品医薬品局(FDA)との間で最近Type A meetingが開催され、RAMP 201試験の今回の主要解析データに基づき、1回以上の全身療法による治療歴があるKRAS変異陽性の再発LGSOC成人患者を対象とした承認申請を2024年10月に完了する計画についてFDAと合意しました。Verastem OncologyはFDAに迅速承認を求め、優先審査を要請する予定です。なお、現時点で、FDAは迅速承認下でのKRAS野生型への適応の追求を推奨していません。この戦略的アプローチにより効率的な上市を可能にしつつ、進行中の第3相RAMP 301試験のデータを活用するなど、KRAS野生型適応に対しFDAと今後の道筋を描くことができます。KRAS変異に関わらず再発LGSOC患者を登録中のRAMP 301試験は、初回適応の確認試験として機能し、KRAS変異に関わらず適応を拡大する可能性があります。
RAMP 201試験について
RAMP 201(ENGOTov60/GOG3052)試験は、再発低悪性度漿液性卵巣がんを対象に、avutometinib単剤およびdefactinibとの併用による有効性および安全性を評価する多施設共同並行群間ランダム化オープンラベルの2パートよりなるアダプティブ試験です。試験の第1部(パートA)では、全奏効率に基づき、avutometinibとdefactinibの併用またはavutometinib単剤による今後の開発レジメンを決定しました。拡大相(パートBおよびC)では、avutometinib(3.2 mgを週2回投与)とdefactinib(200 mgを1日2回投与)との併用による安全性および有効性を評価します。パートDでは、投与量の減量を検討するため、defactinibとの併用で低用量のavutometinibを評価します。
低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC:low-grade serous ovarian cancer)について
LGSOCは、潜行性で持続的、最終的には致命的となる稀な卵巣がんです。LGSOCは高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)とは異なり、別の治療法が必要です。LGSOCは再発率が高く、HGSOCに比して化学療法に対し低感受性です。米国では約6,000〜8,000人、世界では80,000人の女性が罹患しています。LGSOCは若い女性にも多く、20代と50代で診断数のピークがあり、生存期間は約10年(平均)です。多くの患者さんが、LGSOCは精神的・身体的健康、妊孕性および長期的な生活の質に悪影響を及ぼすと報告しています。現在の標準治療にはホルモン療法と化学療法がありますが、米国食品医薬品局(FDA)によりLGSOCに対し承認された治療薬はありません。
avutometinibについて
avutometinibは、RAF/MEK clmapで、MEKとARAF、BRAFおよびCRAFの不活性複合体を誘導し、RAS/MAPK経路の包括的な阻害を通じて、より強力で持続的な抗腫瘍効果を発揮する可能性があります。MEKのみを阻害する薬剤とは異なり、avutometinibはMEKキナーゼ活性とRAFによるMEKリン酸化の両方を阻害します。この特徴的なメカニズムにより、avutometinibはMEKのみを阻害する薬剤の有効性を制限する要因として知られているMEKの代償性活性化を引き起こすことなく、MEKシグナル阻害が可能となります。
以上
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