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2024年09月24日
- 医薬品
- 研究開発
抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン®」難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対する承認取得について
中外製薬株式会社
全薬工業株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:橋本 弘一、以下「全薬工業」)および中外製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:奥田 修、以下「中外製薬」)は、両社で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン®点滴静注100 mg、同500 mg」[一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)](以下「リツキサン」)について、本日、製造販売業者である全薬工業が「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対する適応追加の承認*1を厚生労働省より取得したことをお知らせいたします。
ネフローゼ症候群は、腎臓を構成するネフロンにおける糸球体スリット膜の障害により高度蛋白尿と低アルブミン血症が生じた結果、全身性浮腫をきたす病態の総称です1)。小児期に発症するネフローゼ症候群は小児の慢性腎疾患で最も頻度の高い原因不明の指定難病で2)、そのうち約10%~20%は第一選択薬であるステロイド治療で完全寛解が得られない「ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に分類されます3)。「ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対しては、ステロイドパルス療法や免疫抑制薬による寛解導入療法が推奨されますが、これらの治療を行っても寛解が得られない「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」では末期腎不全に至るリスクが高く、予後は不良です3)。
リツキサンは、造血幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20抗原に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体であり、標的となるB細胞をヒトの体内に備わった免疫系を用いて攻撃し、細胞を傷害します。ネフローゼ症候群の病因や疾患活動性にはB細胞の影響も示唆されており4)5)6)、リツキサンによりB細胞を除去することで、ネフローゼ症候群への治療効果が期待されます。
リツキサンは、2014年8月に小児期発症の「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)」を効能又は効果として承認されています。リツキサンの「難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群」に対する開発では、小児期発症の難治性のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者を対象とした医師主導治験*2において、主要評価項目(169日時点の尿蛋白クレアチニン比のベースラインからの減少率が50%以上を達成した被験者数)を達成し7)8)、全薬工業が2023年12月22日に製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、今回の承認取得に至りました。
全薬工業および中外製薬は、難治性のネフローゼ症候群の治療にリツキサンがさらに貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでまいります。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
- *1 承認された効能又は効果
〇難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)
リツキサンの難治性のネフローゼ症候群に対する適応は、2014年8月に頻回再発型あるいはステロイド依存性を対象に承認を取得し、今回、ステロイド抵抗性を対象に承認を追加で取得しました。 - *2 小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を対象としたIDEC-C2B8とステロイドパルス療法の併用療法の多施設共同単群臨床試験(JSKDC11)
出典:
- 第I章総論 1. 疾患概念・病因. 日本小児腎臓病学会監修, 難治性疾患政策研究事業「小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の確立」(厚生労働科学研究費補助金) 作成. 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020, 診断と治療社, 2020, pp2-4.
- Iijima K, Sako M, Nozu K. VII. 小児特発性ネフローゼ症候群. 日本内科学会雑誌. 2020; 109(5): 926-932.
- 第II章治療. 日本小児腎臓病学会監修, 難治性疾患政策研究事業「小児腎領域の希少・難治性疾患群の診療・研究体制の確立」(厚生労働科学研究費補助金)作成. 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020, 診断と治療社, 2020, pp26-34.
- Tani Y, Kida H, Abe T, et al. B lymphocyte subset patterns and their significance in idiopathic glomerulonephritis. Clin Exp Immunol. 1982; 48(1): 201-204.
- Yokoyama H, Kida H, Tani Y, et al. Immunodynamics of minimal change nephrotic syndrome in adults T and B lymphocyte subsets and serum immunoglobulin levels. Clin Exp Immunol. 1985; 61(3): 601-607.
- Garin EH, Diaz LN, Mu W, et al. Urinary CD80 excretion increases in idiopathic minimal-change disease. J Am Soc Nephrol. 2009; 20(2): 260-266.
- Nozu K, Sako M, Tanaka S, et al. Rituximab in combination with cyclosporine and steroid pulse therapy for childhood-onset multidrug-resistant nephrotic syndrome: a multicenter single-arm clinical trial (JSKDC11 trial). Clin Exp Nephrol. 2024; 28(4): 337-348.
- Japan Registry of Clinical Trials(jRCT)臨床研究等提出・公開システム
https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2051190019/ (アクセス日:2024年9月)
以上
本件に関するお問い合わせ先
- 全薬ホールディングス株式会社
- グループ総務部 広報課
- Tel:03-3946-1123
- 中外製薬株式会社 広報IR部
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
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