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2024年07月24日

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バビースモ、糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する 長期試験において持続的な有効性と一貫した安全性プロファイルを示す

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が7月18日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2024-07-17bをご覧ください。

 ロシュ社は7月18日、RHONE-X試験の4年データを発表しました1。本試験において、すべての主要評価項目を達成し、バビースモ®(ファリシマブ)は、最長4年にわたって投与を受けた糖尿病黄斑浮腫(DME)の患者さんで高い忍容性が認められました2。長期投与試験から得られた探索的な結果では、バビースモは継続して、DME患者の視力の維持、視力を低下させる網膜液のドライ化、および投与間隔の延長を示しました2。この結果は、スウェーデンのストックホルムで開催された米国網膜専門医学会議(ASRS)2024年次総会で発表されました2

 RHONE-X試験ではすべての患者さんが個別に設定された投与間隔でバビースモが投与され、バビースモの投与間隔は、網膜液の状態と視力に応じて延長されました。4年時点での探索的な解析の結果、バビースモ投与の約80%の患者さんが投与間隔を3~4カ月まで延長しました。さらに、初期の第III相試験(YOSEMITE試験およびRHINE試験)時に認められた視力改善と網膜液のドライ化が維持されました。また、事前に規定した探索的評価項目では、バビースモ投与の約90%以上の患者さんでDMEが消失(中心領域網膜厚が325μm未満)しました2。中心領域網膜厚は、網膜の血管構造の不安定化によって引き起こされる漏出による浮腫の評価尺度であり、中心領域網膜厚の低下は網膜液のドライ化を示します。

RHONE-X試験について1
 RHONE-X試験は、2本の第III相臨床試験であるYOSEMITE試験(NCT03622580)またはRHINE試験(NCT03622593)を完了した糖尿病黄斑浮腫患者1,474名を対象に、バビースモの長期安全性及び忍容性を評価する多施設共同による2年間の継続投与試験です3,4YOSEMITE試験およびRHINE試験では患者さんはバビースモまたはアフリベルセプト2 mgが投与されました。一方、RHONE-X試験ではすべての患者さんが個別に設定された投与間隔でバビースモが投与されています。主要評価項目は、バビースモの長期安全性及び忍容性(眼の有害事象、眼以外の有害事象および抗薬物抗体の有無を含む)で、探索的な目的で長期有効性を評価します。

糖尿病黄斑浮腫(DME)について
 世界全体において、約2,900万人が罹患しているとされる糖尿病黄斑浮腫(DME)は、治療せずに放置すると失明や生活の質の低下につながります5,6DMEは損傷した血管からの漏出とそれに伴う浮腫が黄斑部、すなわち読書や車の運転に必要とされる明瞭な視力を司る網膜の中心領域に生じる疾患です7,8。糖尿病の有病率が上昇するにしたがって、DMEの患者数は増加することが予想されます9

バビースモについて
 バビースモは眼科領域において承認された初のバイスペシフィック抗体です10,11。アンジオポエチン-2(Ang-2)と血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)を中和することにより、視力を脅かす多くの網膜疾患の原因である2つの経路を標的とし、阻害します。Ang-2とVEGF-Aは、血管構造の不安定化により、漏出を引き起こす血管を新たに形成し、炎症を起こすことで視力低下を引き起こすとされています。バビースモはAng-2とVEGF-Aが関与する経路を遮断することで、血管を安定させるよう設計されています11,12。バビースモは、新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として、米国、日本、英国、EUを含む世界100カ国近くで承認されており、網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の治療薬として、米国、日本を含む複数国で承認されています。その他の規制当局による審査は継続中です10,13,14

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

【出典】

  1. Clinical Trials.gov. A study to evaluate the long-term safety and tolerability of Vabysmo in participants with diabetic macular edema (DME) (RHONE-X). [Internet; cited July 2024]. Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04432831.
  2. Khanani, A.M. (2024, July 17). Four-year outcomes of faricimab in DME: First-time safety and efficacy results from the RHONE-X long-term extension trial. The American Society of Retina Specialists (ASRS) 2024 Annual Meeting in Stockholm, Sweden.
  3. Clinical Trials.gov. A study to evaluate the efficacy and safety of faricimab in participants with DME (YOSEMITE). [Internet; cited July 2024]. Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03622580.
  4. Clinical Trials.gov. A study to evaluate the efficacy and safety of faricimab in participants with DME (RHINE). [Internet; cited July 2024]. Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03622593.
  5. Im JHB, et al. Prevalence of DME based on optical coherence tomography in people with diabetes: a systematic review and meta-analysis. Survey of Ophthalmology. 2022 Jul-Aug;67(4):1244-1251.
  6. The Lancet. Diabetes: A defining disease of the 21st century. Lancet. 2023 24;401(10394):2087.
  7. All About Vision. Macula lutea. [Internet; cited July 2024]. Available from: https://www.allaboutvision.com/resources/macula.
  8. National Eye Institute. Diabetic Retinopathy. [Internet; cited July 2024]. Available from: https://www.nei.nih.gov/learn-about-eye-health/eye-conditions-and-diseases/diabetic-retinopathy.
  9. Liu E, et al. DME: Clinical risk factors and emerging genetic influences. Clinical and Experimental Optometry.  2017;100:569–76.
  10. United States (US) Food and Drug Administration (FDA). Highlights of prescribing information, Vabysmo. 2022. [Internet; cited July 2024]. Available from: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2022/761235s000lbl.pdf.
  11. Heier JS, et al. Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab up to every 16 weeks for nAMD (TENAYA and LUCERNE): two randomised, double-masked, Phase III, non-inferiority trials. The Lancet. 2022; 399:729-40.
  12. Wykoff C, et al. Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab with extended dosing up to every 16 weeks in patients with DME (YOSEMITE and RHINE): Two randomised, double-masked, Phase III trials. The Lancet. 2022; 399:741-755.
  13. Roche data on file.
  14. Chugai obtains regulatory approval for Vabysmo, the only bispecific antibody in the ophthalmology field, for additional indication of macular edema associated with retinal vein occlusion (RVO). [Internet; cited July 2024]. Available from: https://www.chugai-pharm.co.jp/english/news/detail/20240326160000_1054.html.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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