中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2024年03月14日

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テセントリク、超希少な疾患である胞巣状軟部肉腫に対する適応拡大申請

  • 極めてまれな疾患であり切除不能な胞巣状軟部肉腫に対する医師主導の国内第II相臨床試験の成績、および米国NCI主導の海外第II相臨床試験の成績に基づく申請
  • AYA世代での発症が多く、標準的な薬物療法が確立されていない胞巣状軟部肉腫に対し、承認されれば、テセントリクは国内初の免疫チェックポイント阻害剤となる見込み

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク®点滴静注1200mg」[一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)]について、胞巣状軟部肉腫に対する適応拡大の申請を、本日、厚生労働省に行いましたので、お知らせいたします。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「AYA世代に多く、極めてまれな胞巣状軟部肉腫は、切除不能となると標準治療がなく、予後不良であることが知られています。良好な有効性を示したがん免疫療法であるテセントリクを、胞巣状軟部肉腫の新たな治療薬として患者さんに1日でも早くお届けできるよう、承認取得に向け取り組んでまいります」と語っています。

 今回の承認申請は、切除不能な胞巣状軟部肉腫に対するテセントリクの有効性および安全性を評価した国立がん研究センター中央病院をはじめとする医師主導の国内第II相臨床試験であるALBERT試験、および米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)主導の海外第II相臨床試験の成績に基づいています。

 オンコロジー領域のリーディング企業である中外製薬は、革新的な医薬品によりがん治療におけるアンメットメディカルニーズを充足し、患者さんおよび医療関係者に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。

ALBERT試験について1
 ALBERT試験は、切除不能な胞巣状軟部肉腫の患者さんを対象に、テセントリクの有効性と安全性を評価した、国立がん研究センター中央病院をはじめとする医師主導の多施設共同非盲検単群国内第II相臨床試験です。本試験では、20名の患者さんにおいて安全性・有効性が検討されました。主要評価項目は、奏効率です。主な副次評価項目には、無増悪生存期間、全生存期間、安全性が含まれています。

 ALBERT試験は、国立がん研究センター中央病院が産学共同で希少がんの治療開発を推進するMASTER KEY プロジェクトの副試験として実施されています。

胞巣状軟部肉腫について2,3
 胞巣状軟部肉腫は、悪性軟部肉腫の1%未満と超希少がんの1つで、日本人における年間発症数は15~40名と推定されています。大腿を中心に四肢に発症することが多く、思春期および若年成人(15~35歳、AYA世代)での発症が多くみられます。切除不能な胞巣状軟部肉腫は予後不良で標準治療は確立していません。

テセントリクについて
 テセントリクは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するタンパク質であるPD-L1(Programmed Death-Ligand 1)を標的とする免疫チェックポイント阻害剤です。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害します。テセントリクはこの結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられています。国内では、2018年4月に発売し、非小細胞肺がんをはじめ4つの適応症(進展型小細胞肺がん、非小細胞肺がん、乳がん、肝細胞がん)で承認を取得しています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. 国立研究開発法人 国立がん研究センター プレスリリース(リリースタイトル:16歳以上の胞巣状軟部肉腫患者対象の医師主導治験実施 肉腫で初の免疫チェックポイント阻害薬薬事承認と希少がんやAYA世代での新規治療開発の加速を目指す、2020年11月5日実施):https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/1104/index.html(アクセス日:2024年3月)
  2. 日本整形外科学会.軟部腫瘍診療ガイドライン2020 改訂第3版.南江堂
  3. Paoluzzi L, Maki RG. Diagnosis, Prognosis, and Treatment of Alveolar Soft-Part Sarcoma: A Review. JAMA Oncol. 2019;5(2):254-260.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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