中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年11月06日

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ネモリズマブ、結節性痒疹に対する速やかな効果発現を示した第III相OLYMPIA 2試験の結果がNew England Journal of Medicineに掲載

News Summary

本資料は、中外製薬が創製したヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体ネモリズマブの海外導出先であるガルデルマ社が10月26日(ツーク発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。

原文は、https://www.galderma.com/news/galderma-phase-iii-data-published-new-england-journal-medicine-full-olympia-2-trial-resultsをご覧ください。

 ガルデルマ社は、結節性痒疹の成人患者さんを対象としたネモリズマブ単剤療法の有効性および安全性を評価する第III相OLYMPIA 2試験の全結果がNew England Journal of Medicine誌に掲載されたことをお知らせします。本試験では主要評価項目として、プラセボと比較してネモリズマブ群でそう痒(かゆみ)および皮膚病変を有意に改善し、そう痒に対して速やかかつ臨床的に意味のある効果発現が4週目という早期に認められるとともに、主要な副次的評価項目のすべてを達成しました。本試験において、ネモリズマブは良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは第II相試験の結果と同様でした1

 第III相臨床試験のOLYMPIA 2試験では、中等度から重度の成人結節性痒疹患者274名が登録されました。ネモリズマブ単剤療法を受けた患者(基礎治療としてコルチコステロイド外用薬又はカルシニューリン阻害外用薬を使用しない)では、投与16週後にプラセボ群と比較し、2つの主要評価項目のいずれも統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善が認められました。

  • PP-NRS(Peak Pruritus Numerical Rating Scale)スコアが4ポイント以上減少した患者の割合は、ネモリズマブ群では56.3%、プラセボ群では20.9%でした(p<0.0001)。
  • 治験担当医師によるIGA(Investigator’s Global Assessment)スコアを用いて評価したところ、皮膚病変の消失又はほぼ消失が達成された患者の割合は、ネモリズマブ群では37.7%、プラセボ群では11.0%でした(p<0.0001)。

 本試験は、4週目という早期にそう痒およびかゆみによる睡眠障害に対し、速やかな反応を確認する主要な副次的評価項目のすべてを達成しました。

  • そう痒の改善(PP-NRSスコアの4ポイント以上の減少)が認められた患者の割合は、ネモリズマブ群では41.0%、プラセボ群では7.7%でした。
  • ネモリズマブ群では19.7%、プラセボ群では2.2%の患者がPP-NRSスコア2未満を達成しました。また、16週にわたりスコアの改善が認められました(35.0% vs 7.7%)。
  • かゆみによる睡眠障害の数値的評価スケールにより評価した睡眠障害の患者割合は、ネモリズマブ群では37.2%、プラセボ群では9.9%で4ポイントの改善が認められました。また、16週にわたりスコアの改善が認められました(51.9% vs 20.9%)。

結節性痒疹(PN:prurigo nodularis)について

 結節性痒疹は、身体の広い範囲を覆う厚い皮膚結節を特徴とし、強い痒みをともなう慢性的な皮膚疾患です2-4。PNは、米国では18〜64歳の成人10万人あたり推定72人で、中年女性およびアフリカ系の人々でより高い有病率を示します2,5

ネモリズマブについて

 ネモリズマブは、アトピー性皮膚炎および結節性痒疹の治療薬として、世界各国で臨床開発が進められています。中外製薬株式会社が創製し、2016年に開発・販売の独占的実施権を、日本と台湾を除く全世界についてガルデルマに、日本についてマルホ株式会社に導出しました。

OLYMPIA 2試験について

 OLYMPIA 2試験は、18歳以上のPN患者を対象に16週投与し、プラセボに対するネモリズマブ単剤療法の有効性と安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験です。プラセボに対し、ネモリズマブの薬物動態および免疫原性も評価しています。本試験には中等度から重度のPN患者274名が参加しています。

出典:

  1. Kwatra SG, et al. Placebo-controlled phase III trial of nemolizumab in patients with prurigo nodularis. N Engl J Med. 2023;389:1579-89. DOI: 0.1056/NEJMoa2301333
  2. Williams KA, et al. Pathophysiology, diagnosis, and pharmacological treatment of prurigo nodularis. Expert Rev Clin Pharmacol. 2021;14(1):67-77. DOI:10.1080/17512433.2021.1852080
  3. Elmariah S, et al. Practical approaches for diagnosis and management of prurigo nodularis: United States expert panel consensus. J Am Acad Dermatol. 2021;84(3):747-760. DOI:10.1016/j.jaad.2020.07.025
  4. Whang KA, et al. Prevalence of prurigo nodularis in the United States. J Allergy Clin Immunol Pract. 2020;8(9):3240-3241. DOI:10.1016/j.jaip.2020.05.051
  5. Huang AH, et al. Real-world prevalence of prurigo nodularis and burden of associated diseases. J Invest Dermatol. 2020;140(2):480-483.e4. DOI:10.1016/j.jid.2019.07.697

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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