中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年09月25日

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アクテムラ、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対し適応追加の承認を取得

  • 悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対して承認された国内初の治療薬
  • 既に承認を取得していた腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群に限定せず、様々な抗悪性腫瘍剤を用いた治療に伴うサイトカイン放出症候群に使用可能

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®点滴静注用80mg、同200mg、同400mg」[一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)](以下、アクテムラ)について、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対する適応追加の承認を本日、厚生労働省より取得しましたのでお知らせいたします。アクテムラは2019年3月に「腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群」を効能・効果として承認を取得していました。今般の適応追加により、腫瘍特異的T細胞輸注療法以外の悪性腫瘍治療においても、サイトカイン放出症候群の抗サイトカイン療法として投与が可能となります。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「サイトカイン放出症候群は、悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つで、重症化すると生命を脅かすこともあります。既に承認を取得している腫瘍特異的T細胞輸注療法に加え、悪性腫瘍治療の種類によらず惹起されるサイトカイン放出症候群に対する初の抗サイトカイン療法として、アクテムラを幅広く提供できることは非常に意義深いことです」と述べるとともに、「悪性腫瘍治療を円滑に進めるためにアクテムラが役立てられるよう、適正使用の推進に努めてまいります」と語っています。

 今回の承認はジェンマブ社が実施した、再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対してエプコリタマブ(遺伝子組換え)を投与する国内第I/II相臨床試験の成績等に基づいています。

 オンコロジー領域のトップ製薬企業である中外製薬は、アクテムラが悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対する治療薬として貢献できるよう、適正使用の推進に取り組んでまいります。

電子化された添付文書情報 ※下線部について変更・追加
効能又は効果:悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群

用法及び用量:
悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群〉
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注する。

【参考情報】
アクテムラ、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対し国内で適応拡大申請(2023年2月28日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20230228150000_1285.html

「アクテムラ点滴静注」 サイトカイン放出症候群に対する適応拡大および用法・用量の追加承認のお知らせ(2019年3月26日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190326160001_827.html

アクテムラについて
 アクテムラは、炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、当社創製の国産初の抗体医薬品です。国内では2005年6月に販売を開始し、点滴静注製剤では関節リウマチをはじめ7つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(pJIA)、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病、SARS-CoV-2による肺炎)、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得しています。現在、世界110カ国以上で承認されています。

サイトカイン放出症候群について
 サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS)は、過剰な免疫反応にともない細胞から多量のサイトカインが放出され、血中のサイトカイン濃度が高度に上昇することを原因として引き起こされます1。CRSは、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品等を用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つで、多くの患者さんで軽度ないし中等度のインフルエンザ様症状(発熱、悪心・悪寒、筋肉痛等)を呈します。しかし、一部の患者さんでは重度の低血圧、頻脈、呼吸困難などが誘発され症状が急激に進展し、死亡に至ることがあります。

 上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Lee DW, et al. Current concepts in the diagnosis and management of cytokine release syndrome. Blood. 2014 Jul 10; 124(2): 188-95.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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