中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年07月07日

  • 医薬品
  • 研究開発
  • 和訳リリース

重症度の高い脊髄性筋萎縮症に対するエブリスディの新たな4年間のデータは、座る、立つ、歩くことが可能となった小児の継続的な増加を示す

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が6月30日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2023-06-30をご覧ください。

 ロシュ社は6月30日、ピボタル試験であるFIREFISH試験の非盲検延長試験(n=50)におけるエブリスディ®(リスジプラム)の新たな長期データを発表しました。本データにより、I型脊髄性筋萎縮症(SMA)の小児における持続的な有効性および安全性プロファイルが示されました。FIREFISH試験は、登録時に生後1-7ヵ月の乳児を対象とした試験であり2つのパートからなります。4年間にわたるエブリスディの投与により、多くの被検者で、支えなしで座る、立つ、歩く能力の継続的な改善が見られました。また、主要解析の時点で生存していたエブリスディ投与群の小児は、48ヵ月時点においても全員生存していました。

 さらに、エブリスディ投与群の小児の大部分は、48ヵ月目まで経口摂食および嚥下能力が維持されました。運動機能は、Gross Motor Scale of the Bayley Scales of Infant and Toddler Development Third Edition(BSID-III)およびHammersmith Infant Neurological Examination 2(HINE-2)により評価し、エブリスディを投与した4年間にわたり維持または改善が見られました。1型SMAの小児は未治療の場合、2歳を過ぎて生存すること期待できず、また、支えなしで座ることはできません。これらのデータは、Cure SMA Research & Clinical Care Meeting(2023年6月28日-30日開催)で発表されました。

 エブリスディを投与された小児(n=58)のうち、支えなしで少なくとも5秒間座ることができた被験者は、24ヵ月目には35名であったのに対し48ヵ月目では37名でした(BSID-IIIによる評価)。また、30秒以上座ることができた被検者は、24ヵ月目の23名であったのに対し48ヵ月目には36名でした。24ヵ月目から48ヵ月目までの間に、3名が自力で立つ能力を獲得し、1名が自力で歩く能力を獲得しました。

 投与中止または試験中止に至った治験薬と関連のある有害事象はなく、有害事象の発現率は投与の初めの12ヵ月間と4年目の12ヵ月間の比較において71%低下しました。主な有害事象は発熱(62%)、上気道感染(62%)および肺炎(48%)でした。入院率は試験期間を通して減少しました。

参考:FIREFISH試験について
 FIREFISH試験は、I型SMAの乳児を対象とした2パートからなる非盲検のピボタル試験です。パート1(n=21)は乳児におけるリスジプラムの安全性プロファイルを評価し、パート2における用量の決定を主な目的とした用量漸増試験です。パート2(n=41)は、リスジプラムを2年間投与した後、非盲検下継続投与期間に移行する、ピボタルな単群試験です。パート2の登録は2018年11月に完了しました。パート2では、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールで評価した、投与開始12カ月時点において最低5秒間支えなしで座位が保持可能な乳児の割合を指標として、有効性の評価を行いました。
 ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクス社と協力し、リスジプラムの臨床開発を進めています。

参考:エブリスディについて
 エブリスディは、SMN(survival motor neuron)タンパクの欠損につながる5番染色体の変異によって引き起こされる、SMAを治療するためにデザインされたSMN2スプライシング修飾剤です。SMNタンパクレベルを増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されています。SMNタンパクは全身に見られ、運動神経と運動機能の維持に重要です。2020年8月に米国、2021年3月に欧州で、同年6月に日本で承認を取得しています。

参考:脊髄性筋萎縮症(SMA)について1
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します2。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です3

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. With your SMA. 脊髄性筋萎縮症(SMA)にかかわるすべての人と歩む. Available from: https://with-your-sma.jp/. Accessed March 2023.
  2. Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
  3. Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る