中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2023年03月24日

  • 医薬品
  • 研究開発
  • 和訳リリース

エブリスディの新たな4年時点データにより、II型およびIII型の 脊髄性筋萎縮症(SMA)において長期有効性と安全性を示す

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が3月20日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2023-03-20をご覧ください。

 ロシュ社は3月20日、2~25歳の広範囲の脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するエブリスディ®(リスジプラム)のピボタル試験であるSUNFISH試験の新たな長期データを発表しました1。本データにより運動機能の改善が4年目まで維持され、有害事象の発現は48カ月を通じ経時的に減少し、エブリスディの長期的な有効性および安全性が示されました。また、治験参加者より、食事や物を持ち上げる、動かすなどの自立した日常生活動作の継続的な改善または維持が報告されました。本データはMuscular Dystrophy Association (MDA) Clinical and Scientific Conference(3月19日〜22日開催)で発表されました。

 本試験の1年目に認められた、MFM-32(Motor Function Measure 32)*およびRULM(Revised Upper Limb Module)**で評価した運動機能のベースラインからの改善は、エブリスディ投与4年目まで維持されました。未治療の場合、II型またはIII型SMA患者さんにおいては一般的に経時的に運動機能の低下を示すことが自然歴のデータにより示されています。エブリスディの4年間に渡る忍容性は良好でした。有害事象および重篤な有害事象は基礎疾患を反映したものでした。高頻度に報告された有害事象は、頭痛、発熱及び上気道感染であり、治験中止に至った治験薬と関連のある有害事象は認められませんでした。
*訳注:MFM-32はSMAを含む神経筋疾患患者さんの運動機能の一部分および全般を評価するために確立された評価尺度です。本評価尺度は起立および歩行から手指の運動まで32項目の運動機能を評価します。
**訳注:RULMはSMA患者さんの上肢の運動を評価するために考案された評価尺度です。本評価尺度により、SUNFISH試験の第III相パートの患者集団にあたるSMA患者さんにおける進行性の筋力低下が評価可能です。

SUNFISH試験について
 SUNFISH試験は、II型およびIII型SMAの小児および若年成人患者さん(2~25歳)を対象としたプラセボ対照二重盲検第II/III相国際共同治験です。第II相パート(51名)では、第III相パートにおける至適用量の検討を行いました。第III相パート(180名)では、投与開始12カ月時点のMFM-32(Motor Function Measure 32)の合計スコアによる運動機能評価を行いました。
ロシュ社は、SMA財団およびPTCセラピューティクスの協力のもと、臨床試験を行っています。

エブリスディについて
 エブリスディは、SMN(survival motor neuron)タンパクの欠損につながる5番染色体の変異によって引き起こされる、SMAを治療するためにデザインされたSMN2スプライシング修飾剤です。SMNタンパクレベルを増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されています。SMNタンパクは全身に見られ、運動神経と運動機能の維持に重要です。2020年8月に米国、2021年3月に欧州で、同年6月に日本で承認を取得しています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について2
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します3。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です4。SMAの有病率は10万人あたり1〜2人です5。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です6

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Oskoui, M et al. SUNFISH Parts 1 and 2: 4-year efficacy and safety of risdiplam in Types 2 and 3 spinal muscular atrophy (SMA). Poster presentation at the 2023 MDA Clinical & Scientific Conference.
  2. With your SMA. 脊髄性筋萎縮症(SMA)にかかわるすべての人と歩む. Available from: https://with-your-sma.jp/. Accessed March 2023.
  3. Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
  4. Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: https://www.curesma.org/about-sma/. Accessed March 2023.
  5. 難病情報センターホームページ. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed March 2023. 
  6. Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る