中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2022年12月23日

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ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ」、慢性リンパ性白血病に対する治療薬として適応追加の承認取得

中外製薬株式会社
日本新薬株式会社

  • 未治療の慢性リンパ性白血病を対象に、ガザイバとアカラブルチニブの併用を評価した第III相臨床試験であるELEVATE-TN試験の成績に基づく承認

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)および日本新薬株式会社(本社:京都、代表取締役社長:中井 亨)は、抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ®点滴静注1000 mg」[一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え)]について、「CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する適応追加の承認を本日、中外製薬が厚生労働省より取得しましたのでお知らせいたします。

 中外製薬 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「今回のガザイバの適応拡大により、慢性リンパ性白血病に対し、新たな併用療法の選択肢をお届けできることを嬉しく思います」と述べるとともに、「慢性リンパ性白血病は経過の長い疾患です。ガザイバの有効性と安全性を通じ、慢性リンパ性白血病の患者さんに貢献できるよう、製品情報の提供に努めてまいります」と語っています。

 日本新薬 代表取締役社長の中井 亨は、「ガザイバが慢性リンパ性白血病治療の新たな選択肢となり、医療現場のニーズにお応えできることを大変喜ばしく思います。そして、ガザイバが慢性リンパ性白血病患者さんの治療に役立つことを願っております。そのためにも、適正使用を推進すべく、情報提供活動を進めてまいります」と述べています。

 今回の承認は、未治療の慢性リンパ性白血病患者さんを対象にアストラゼネカ社が実施した、ガザイバとアカラブルチニブ(ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、製品名:カルケンス®)の安全性および有効性を評価したグローバル第III相臨床試験であるELEVATE-TN試験等の成績に基づいています。ガザイバおよびアカラブルチニブの併用はガザイバおよびクロラムブシルの併用と比較して、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を示しました(ハザード比:0.10、95%信頼区間:0.06〜0.17、p値<0.0001)。主な副作用は、好中球減少症、頭痛、下痢、挫傷、疲労、悪心、血小板減少症、発疹、関節痛、点状出血、浮動性めまいおよび貧血でした。

ELEVATE-TN試験について
 ELEVATE-TN試験(ACE-CL-007、NCT02475681)は、前治療歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんを対象に、アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法またはアカラブルチニブの単剤療法を、化学療法であるクロラムブシル(国内未承認)とオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した、無作為化、多施設共同、非盲検のグローバル第III相臨床試験です。本試験では、535例を1:1:1の割合で以下の3群に割付けしました。

  • クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法
  • アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法
  • アカラブルチニブ単剤療法

 主要評価項目は、クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法の無増悪生存期間(Progression Free Survival: PFS)で、独立判定委員会(IRC)によって評価されました。副次的評価項目はクロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法のPFSで、IRCによって評価されました。他の副次的評価項目は、全奏効率、次治療までの期間、安全性および全生存期間です1)

電子化された添付文書情報 ※今回追加部分のみ記載

効能又は効果:
CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

用法及び用量:
アカラブルチニブとの併用において、通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として、アカラブルチニブとの併用での1サイクル目の1日目に100mg、2日目に900mg、8日目及び15日目に1000mg、2サイクル目以降は1日目に1000mgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし、最大で6サイクル投与を繰り返す。

用法及び用量に関連する注意(抜粋):
アカラブルチニブを28日間投与した後に本剤の投与を開始すること。

ガザイバ(オビヌツズマブ)について
 ガザイバ(オビヌツズマブ)は、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体です。ガザイバは、標的となるB細胞を直接、および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。国内では、中外製薬および日本新薬が共同開発・共同販売を行っています。

慢性リンパ性白血病について
 慢性リンパ性白血病では、骨髄中の造血幹細胞が異常なリンパ球となって過剰に増加します。これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため2)、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります。小リンパ球性リンパ腫は慢性リンパ性白血病と同じ種類のがんで、リンパ球が末梢血や骨髄にみられない場合、小リンパ球性リンパ腫といいます3)。慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫は、新たに診断される人が、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満と少ないがんです4)。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、慢性リンパ性白血病の基本的な増殖経路の一つです。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

【出典】

  1. ClinicalTrials.gov. Elevate CLL TN: Study of Obinutuzumab + Chlorambucil, Acalabrutinib(ACP-196) + Obinutuzumab, and Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated CLL. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02475681 [インターネット:2022年12月確認]
  2. National Cancer Institute. Chronic lymphocytic leukemia treatment (PDQ®)–Patient version. https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq [インターネット:2022年12月確認]
  3. 日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版 http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html [インターネット:2022年12月確認]
  4. 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 国立がん研究センターがん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html [インターネット:2022年12月確認]

以上

本件に関するお問い合わせ先:

中外製薬株式会社
広報IR部

メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
mailto: pr@chugai-pharm.co.jp

インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
mailto: ir@chugai-pharm.co.jp

日本新薬株式会社
広報部
Tel: 075-321-9103

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