2022年11月14日

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ロシュ社によるガンテネルマブ、早期アルツハイマー病を対象とした第III相GRADUATE試験の結果発表について

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が11月14日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。

原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2022-11-14をご覧ください。

 ロシュ社は11月14日、早期アルツハイマー病患者を対象にガンテネルマブを評価するGRADUATE I試験、GRADUATE II試験の結果を発表しました。早期アルツハイマー病はアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)と軽度アルツハイマー型認知症を包含します。両試験はいずれも臨床症状の悪化抑制を検証した主要評価項目が未達でした。ガンテネルマブの忍容性は、皮下による投与を含め、良好でした。

 GRADUATE I試験およびGRADUATE II試験でガンテネルマブを投与された患者群の臨床症状の悪化抑制について、CDR-SB(Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes)のベースラインスコアからの変化量は、各試験においてプラセボ群と比較してそれぞれ-0.31(p=0.0954)、-0.19(p=0.2998)でしたが、いずれも統計的に有意な差は見られませんでした。プラセボ群に対する相対的な臨床症状の悪化抑制率は、GRADUATE I試験が8%、GRADUATE II試験が6%でした。CDR-SBでは、記憶、見当識、判断力と問題解決、地域社会活動、家庭生活および趣味、介護状況を含む6つの領域について、認知機能と日常生活能を評価します。

 アルツハイマー病の方々の脳内に凝集しプラークを形成するたんぱく質であるアミロイドβの除去レベルは想定より低いものでした。GRADUATE I試験、GRADUATE II試験のトップライン結果の詳細は、近日開催されるアルツハイマー病臨床試験会議(CTAD:Clinical Trials on Alzheimer’s Disease)において、2022年11月30日(水)16:15(サンフランシスコ現地時間)にロシュ社により発表されます。

 アミロイド関連画像異常(ARIA:Amyloid-Related Imaging Abnormalities)はアミロイドを標的とする治療法に共通して見られる放射線学的所見です。統合されたガンテネルマブ群において、浮腫または滲出液を伴うARIA-Eの発生率は25%であり、ほとんどが無症候性、また、投与の中断に至った方は少数でした。ヘモジデリン沈着を伴うARIA-H単独での発現はガンテネルマブ群とプラセボ群で同程度でした。

GRADUATE I試験およびGRADUATE II試験について
 GRADUATE I試験およびGRADUATE II試験は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)および軽度アルツハイマー型認知症の患者を対象として、抗アミロイドモノクローナル抗体ガンテネルマブの安全性および有効性を27か月間にわたり評価するプラセボ対照二重盲検ランダム化国際共同第III相臨床試験です。30か国から参加した1,965例は、1:1の割合でガンテネルマブ群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、皮下投与により目標用量である2週間ごとに510 mgに達するまで漸増投与されました。主要評価項目は116週時点のCDR-SB(Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes)のベースラインスコアからの変化量でした。CDR-SBでは、記憶、見当識、判断力と問題解決、地域社会活動、家庭生活および趣味、介護状況を含む6つの領域について、認知機能と日常生活能を評価します。副次的評価項目は17項目設定され、様々な神経心理学的・機能的評価ツール(MMSE、ADAS-Cog等)を用いて評価される疾患の重症度の変化、ガンテネルマブによる治療レベルの評価、有害事象の発生率、疾患バイオマーカーおよびPETスキャンによる測定等が含まれていました。詳細の一覧はclinicaltrials.govをご参照ください。

ガンテネルマブについて
 ガンテネルマブは完全ヒトモノクローナルIgG 1抗体であり、皮下投与が可能な開発中の医薬品です。オリゴマー、フィブリルおよびプラークを含むアミロイドβの凝集体を標的として結合することで、脳内の免疫細胞であるミクログリアを活性化してプラークを除去し、さらなる蓄積を防ぐよう設計されています。ガンテネルマブの創薬研究はMorphoSys社との協働により行われました。

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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