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2022年08月08日
- 医薬品
- 研究開発
ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体ミチーガ、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒に対する治療薬としてマルホ社が国内発売
- 中外製薬創製の新規抗体医薬品「ミチーガ」について、国内導出先のマルホが発売
- アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)に対し、IL-31受容体Aを標的とする初の抗体医薬品
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社が創製し、マルホ株式会社(本社:大阪、代表取締役社長:杉田 淳、以下、マルホ)が3月28日に製造販売承認を取得したヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体ミチーガ®皮下注用60mgシリンジ[一般名:ネモリズマブ(遺伝子組換え)]について、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果として、5月25日に薬価収載され、マルホが本日より販売を開始したことをお知らせいたします。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は「中外製薬が創製し、IL-31のシグナル伝達を阻害する世界初の抗体医薬品であるミチーガがいよいよ国内で発売されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「2016年9月にマルホと本剤の国内ライセンス契約を締結し、開発を進めてまいりました。皮膚科領域に高度な専門性を有するマルホの情報提供活動を通じ、本剤がアトピー性皮膚炎に伴うかゆみの改善に貢献し、患者さんのQOL向上に繋がることを期待しています」と語っています。
【参考情報】
アトピー性皮膚炎のかゆみを標的とした初めての抗体医薬品「ミチーガ®皮下注用60mgシリンジ」新発売のお知らせ:
https://www.maruho.co.jp/information/20220808.html
ミチーガ、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒に対するIL-31をターゲットとした初の抗体医薬品として、マルホが承認を取得(2022年3月28日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20220328160001_1203.html
ネモリズマブ、マルホ社によるアトピー性皮膚炎を対象とした第III相臨床試験成績がThe New England Journal of Medicine電子版に掲載(2020年7月9日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200709120000_978.html
ネモリズマブについて
ネモリズマブは、中外製薬が創製したヒト化抗ヒトIL-31受容体A(IL-31RA)モノクローナル抗体であり、IL-31と競合的にIL-31RAに結合することにより、IL-31の受容体への結合及びそれに続く細胞内へのシグナル伝達を阻害し、そう痒を抑制します1)。
2016年7月に、日本、台湾を除く全世界における開発・販売の独占的実施権をスイスのガルデルマ社に許諾するライセンス契約を締結しました。さらに、同年9月には、国内の皮膚科疾患領域における開発・販売の実施権をマルホ株式会社へ許諾するライセンス契約を締結しました。アトピー性皮膚炎を対象とした開発では、2019年よりガルデルマ社が第III相臨床試験を実施しています。また、結節性痒疹に伴うそう痒に対し、米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けました。ガルデルマ社は結節性痒疹を対象とした第III相臨床試験を2020年10月に開始し、マルホ株式会社も同年12月に国内第II/III相臨床試験を開始しました。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、アレルギー性疾患の⼀種であり、かゆみのある湿疹が症状の改善と悪化を繰り返しながら慢性的に続く皮膚疾患です。患部を引っかくことで⽪膚の症状が増悪し、さらにかゆみが強くなる「itch-scratch cycle(かゆみとかきむしりの悪循環)」を引き起こします。ステロイド外用薬や免疫抑制外用薬による薬物療法で炎症を抑え、スキンケアで炎症の再発を予防することが基本の治療法とされています2)。国内の成人有病者数は、約550万人とされています3)。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
[出典]
- Oyama S., et al. Cynomolgus monkey model of interleukin-31-induced scratching depicts blockade of human interleukin-31 receptor A by a humanized monoclonal antibody. Exp. Dermatol. 2018; 27(1): 14-21
- アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021
- T Muto, et al. Prevalence of atopic dermatitis in Japanese adults. British Journal of Dermatology. 2003; Volume148, Issue1
以上
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