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2022年07月12日

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へムライブラ、第III相HAVEN 6試験の新たなデータにより中等症または軽症の血友病Aに対し良好な安全性、有効性プロファイルを確認

  • 観察期間55.6週(中央値)において中等症または軽症の血友病Aの66.7%で治療を要した出血が認められず、へムライブラによる臨床的に意義のある出血抑制効果が継続して示された
  • 新たな安全性シグナルは認められず、良好な安全性プロファイルが改めて確認された

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、当社創製の抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体 血液凝固第VIII因子機能代替製剤へムライブラ®[一般名:エミシズマブ(遺伝子組換え)]について、第III相臨床試験 HAVEN 6試験の主要解析データにより、中等症または軽症の血友病Aに対してヘムライブラが良好な安全性と有効な出血コントロールを示したことをお知らせします1。本データは英国・ロンドンで開催中の第30回国際血栓止血学会(ISTH:International Society on Thrombosis and Haemostasis)において、7月11日(現地時間)に発表されました。本データは、重症以外の血友病Aへの適応拡大に向けた欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)への申請を基礎づけるものとして、活用される予定です。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「中外製薬の独自のバイスペシフィック抗体技術により創製されたへムライブラについて、昨年の中間解析に続き、中等症および軽症血友病Aにおける出血抑制効果が示されたことを嬉しく思います。一年を超える評価期間のエビデンスは、ヘムライブラをお使いいただく上で重要な意義を有すると考えています」と述べるとともに、「イノベーションを医療現場でお役立ていただくためには、質の高いエビデンスが不可欠です。血友病Aの治療オプションとして、へムライブラの価値を最大限にお役立ていただけるよう、引き続きロシュと協働し、エビデンスの充実を図ってまいります」と語っています。

 HAVEN 6試験に加えて、CHESS II試験(ヨーロッパ全土にわたる血友病の費用:社会経済学的調査-II)およびCHESS PAEDs試験のデータもISTH 2022で発表されます。これらの試験において中等症または軽症の血友病Aの成人の大半と、中等症の血友病Aの小児の半数以上が出血抑制を目的とする治療を受けていない可能性があることが示されました。また、出血抑制を目的とする治療を受けていない中等症の血友病Aの方々のうち、成人の30%以上と小児の約40%が1年に3回以上の出血を経験したことから、出血抑制を目的とする治療を受けていない場合、臨床的負担はより高いものとなりえます2

 HAVEN 6試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有しない中等症または軽症の血友病Aにおける、ヘムライブラの安全性、有効性、薬物動態および薬力学を評価する多施設共同単群第III相臨床試験です。主要解析には、出血抑制を目的とする治療が必要と判断された参加者72人(うち男性69人、女性3人)のデータが含まれています。そのうち血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを有しない軽症の血友病Aは21人、インヒビターを有しない中等症の血友病Aは51人であり、観察期間(中央値)は55.6週でした。また、37人はベースラインで血液凝固第VIII因子製剤による出血抑制を目的とする治療を受けており、24人がターゲットジョイント(標的関節)を有していました1

 へムライブラの投与を受けた参加者の66.7%において治療を要した出血が認められませんでした。また、81.9%の参加者に治療を要した特発性出血がみられず、88.9%において治療を要した関節内出血が認められませんでした。本データにより、試験期間中、へムライブラの投与により、治療を要する出血の割合を低く維持できることが示されました1。モデルに基づく年間出血率は0.9(95%CI:0.55-1.52)回であり、評価期間を通して低い値を維持しました。

 また、ヘムライブラの安全性プロファイルは、過去のHAVEN試験およびSTASEY試験における血友病Aの様々なサブ解析集団における結果と同様であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした。HAVEN 6試験において10%以上と最も多く認められた有害事象は注射部位反応(16.7%)でした。15名(20.8%)でヘムライブラに関連する有害事象が報告され、その多くは注射部位反応でした。ヘムライブラに関連しないグレード1の血栓塞栓性事象が1名で発現しました。死亡や血栓性微小血管症の発現は認められませんでした1

 ヘムライブラは、世界110カ国以上で第VIII因子インヒビターを保有する血友病Aの治療薬として承認されています。第VIII因子インヒビターを保有しない血友病Aの治療薬としては、すべての重症度に対して承認された日米を含め、世界95カ国以上で承認されており、欧州では重症のみに対して承認されています。ヘムライブラは、血友病A(インヒビター保有・非保有)を対象とした8つの第III相試験を含む臨床試験プログラムで評価されています。

ヘムライブラについて
 ヘムライブラは、当社独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します3,4。本剤は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)より血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)における予防投与療法として世界で初めて承認されました。本邦では、2018年3月に承認され、その後、インヒビター非保有の先天性血友病Aに対しても適応が拡大されています。現在、インヒビター保有・非保有の先天性血友病Aに対して、あわせて世界110カ国以上で承認されています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

  1. Hermans C, et al. Emicizumab Prophylaxis for the Treatment of People with Moderate or Mild Hemophilia A without Factor VIII Inhibitors: Results from the Primary Analysis of the HAVEN 6 Study. Presented at: International Society on Thrombosis and Haemostasis (ISTH) Congress; 2022 July 11. Abstract OC 30.5.
  2. Khair K, et al. Bleed Outcomes in the Moderate and Mild Hemophilia A Population Without Prophylactic Treatment in CHESS II and CHESS PAEDs. Presented at: International Society on Thrombosis and Haemostasis (ISTH) Congress; 2022 July 11. Abstract PB0670.
  3. Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
  4. Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8(2): e57479

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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