中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2022年06月20日

  • 医薬品
  • 研究開発

へムライブラ、後天性血友病Aに対する適応追加の承認を取得

  • 後天性血友病Aに対する国内第III相臨床試験AGEHA試験の成績に基づく承認
  • 後天性血友病Aは自己免疫性後天性凝固因子欠乏症(指定難病288)の一つ

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体 血液凝固第VIII因子機能代替製剤へムライブラ®[一般名:エミシズマブ(遺伝子組換え)]について、「後天性血友病A患者における出血傾向の抑制」に対する適応追加の承認を本日、厚生労働省より取得しましたのでお知らせいたします。へムライブラは、2021年10月に希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査の下、同年11月の承認申請後7カ月で承認を取得しました。

 後天性血友病Aは、国の指定難病である自己免疫性後天性凝固因子欠乏症(指定難病288)の一つであり、血液凝固第VIII因子に対する阻害物質(自己抗体)が後天的に生じてしまうことで、血液凝固反応が正常に進まず、突発的な出血が反復して生じる疾患です。主な治療法として、自己抗体の産生を抑える免疫抑制療法、バイパス止血製剤(第VIII因子を迂回した血液凝固反応を誘導する医薬品)による出血時の止血療法等が実施されます。重篤な出血が多く、重要な臓器の出血が生命にかかわりうる疾患である一方で、基礎疾患や既存治療への抵抗性などのさまざまな理由で十分な治療を受けられない場合があり、治療選択肢の拡充が求められてきました。

 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「中外製薬独自のバイスペシフィック抗体技術を用いて創製したヘムライブラを、先天性血友病Aに続き、後天性血友病Aの治療薬としてもお届けできることを大変嬉しく思います。診断後早期から出血をコントロールする有効な手段が追加されたことは、後天性血友病Aの治療戦略に柔軟性をもたらし、患者さんの状況に応じたより良い治療の実現につながるものと確信しています」と述べるとともに、「革新的医薬品で患者さんに新しい価値をお届けすることが、中外製薬のミッションです。治療を待ち望む患者さんにお応えできるよう、引き続きイノベーションの実現に全力で取り組んでいきます」と語っています。

 今回の承認は、後天性血友病Aを対象に実施された国内第III相臨床試験であるAGEHA試験の成績に基づいています。AGEHA試験の主要解析の結果は、英国・ロンドンとオンラインで開催される第30回国際血栓止血学会(ISTH:International Society on Thrombosis and Haemostasis、7月9日-13日)にて7月11日に発表します。

電子化された添付文書情報 ※後天性血友病Aの部分のみ記載
効能又は効果:後天性血友病A患者における出血傾向の抑制
用法及び用量:〈後天性血友病A患者における出血傾向の抑制〉通常、エミシズマブ(遺伝子組換え)として1日目に6 mg/kg(体重)、2日目に3 mg/kg(体重)を皮下投与し、8日目から1回1.5 mg/kg(体重)を1週間の間隔で皮下投与する。

ヘムライブラについて
 ヘムライブラは、当社独自の抗体エンジニアリング技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します1,2。本剤は、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)より血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)における予防投与療法に対し世界で初めて承認されました。本邦では、2018年3月に承認され、その後、インヒビター非保有の先天性血友病Aに対しても適応が拡大されています。現在ではインヒビター保有・非保有の先天性血友病Aに対して、あわせて世界100カ国以上で承認されています。

後天性血友病Aについて
 後天性血友病Aは後天的に血液凝固第VIII因子に対する阻害物質(インヒビター)が出現し、その結果、第VIII因子活性が著しく低下して、突発的な皮下出血や筋肉内出血などの出血症状を呈する疾患であり、重篤な出血もまれではありません。その本態は膠原病や悪性腫瘍、分娩などを背景に第VIII因子に対する自己抗体が産生される自己免疫疾患です3,4

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典:

  1. Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
  2. Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8(2): e57479
  3. Franchini M, Veneri D. Acquired coagulation inhibitor-associated bleeding disorders: an update. Hematology 2005;10:443-9.
  4. Cohen AJ, Kessler CM. Acquired inhibitors. Baillieres Clin Haematol 1996;9:331-54.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る