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2022年04月25日
- 経営・財務
2022年12月期第1四半期連結決算
- Core売上収益2,686億円(+59.1%)、Core営業利益989億円(+51.2%)。いずれも第1四半期として過去最高
- ロシュから導入した眼科領域初のバイスペシフィック抗体バビースモ、マルホ社に導出した自社創製の抗体医薬品ミチーガが新たに承認を取得
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、2022年12月期第1四半期連結決算について発表しました。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「第1四半期は、国内外とも製商品売上高が大きく増加し、第1四半期業績として売上・利益ともに過去最高を更新する力強いスタートとなりました。国内は、ロナプリーブ®の政府納入のほか、新製品エンスプリング®、ポライビー®、エブリスディ®の浸透が貢献し、海外は、ヘムライブラ®の増収が顕著でした。今後の成長を牽引する製品群が着実に伸長しています。研究開発では、ロシュより導入したバイスペシフィック抗体バビースモ®が二つの疾患に対し承認を取得し、中外製薬が眼科領域に初めて本格参入します。自社創製品では、抗IL-31受容体A抗体ミチーガ®について、国内導出先のマルホ社がアトピー性皮膚炎に伴うそう痒に対する承認を取得しました。いずれも新規作用機序による医薬品であり、イノベーションによる新たな治療選択肢がお届けできることを嬉しく思います。引き続き、革新的な新薬の創製を目指し、挑戦を続けて参ります」と語っています。
<2022年12月期第1四半期業績概要>
2022年12月期第1四半期の業績(Coreベース)は、売上収益、営業利益とも大きく増加し、第1四半期として過去最高を更新しました。
売上収益は、製商品売上高が前年同期比約9割増と大きく増加し、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入の3割減を上回り、全体として約6割増加しました。国内製商品売上高は、約7割の増収でした。オンコロジー領域は、アバスチン®、ハーセプチン®等の成熟品が昨年の薬価改定や後発品の影響を受けたものの、新製品ポライビーの寄与がこれを補い、おおむね前年同期並みでした。プライマリー領域は、ロナプリーブの政府納入、新製品エンスプリングおよびエブリスディの寄与により、前年同期比3倍弱の大幅な増収でした。海外製商品売上高は、2倍超の増収でした。通常出荷価格でのロシュ向け輸出が本格化したヘムライブラが前年同期比約5倍の増加となったほか、昨年6月以降欧米で重症COVID-19に対し緊急使用許可や薬事承認を取得したアクテムラが、約5割増加しました。一方、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、ヘムライブラの初期出荷在庫に関するロイヤルティ収入の大幅減を主因として3割減でした。なお、Non-Core事項を含むIFRSベースの売上収益は、アレクシオン ファーマスーティカルズ インコーポレーテッドとの和解契約締結による一時金収入919億円が含まれ、3,606億円(+113.6%)でした。
製商品原価率は、製品別売上高構成比の変化等により、前年同期比で4.8%ポイント上昇し、47.0%でした。経費は、販売費、研究開発費、一般管理費がいずれも増加し、全体として約15%増でした。主な理由は、販売費は海外子会社の活動増や為替影響、研究開発費は開発テーマの進展、一般管理費は法人事業税や諸経費の増加によるものです。これらの結果、Core営業利益は989億円(+51.2%)でした。
研究開発活動も順調に進捗しています。ロシュから導入した眼科領域初のバイスペシフィック抗体バビースモについて、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性および糖尿病黄斑浮腫に対し2022年3月に製造販売承認を取得しました。同じく眼科領域の導入品である、ラニビズマブを用いたポートデリバリーシステム(RG6321)の臨床開発を新たに開始しました。中長期の成長を担う自社創製品群では、ミチーガおよび独自の抗体エンジニアリング技術を用いた複数の開発品に進展がありました。抗IL-31受容体A抗体ミチーガについて、国内導出先のマルホ社がアトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)に対する製造販売承認を3月に取得しました。抗補体C5リサイクリング抗体クロバリマブは、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象に中国で実施した第III相臨床試験において主要評価項目を達成し、グローバルに先行して同国で本年中の申請を予定しています。また、海外では、ロシュが新たに鎌状赤血球症に対する臨床開発を開始しています。
COVID-19に対する治療薬の開発では、重症COVID-19に対し、アクテムラが2月に世界保健機関(WHO)の事前認証(prequalification)を取得しました。同じくアクテムラについて、4月に米国FDAがジェネンテック社の承認申請を受理し、入院中の成人COVID-19患者治療薬として優先審査に指定しました。米国では、2021年6月以降、緊急使用許可の下で使用されています。
【2022年12月期第1四半期実績】
(億円) | 2022年 第1四半期 | 2021年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
連結損益(Core実績) | |||
売上収益 | 2,686 | 1,688 | +59.1% |
製商品売上高 | 2,427 | 1,303 | +86.3% |
ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入 | 259 | 386 | △32.9% |
営業利益 | 989 | 654 | +51.2% |
四半期利益 | 706 | 484 | +45.9% |
連結損益(IFRS実績) | |||
売上収益 | 3,606 | 1,688 | +113.6% |
営業利益 | 1,870 | 640 | +192.2% |
四半期利益 | 1,318 | 474 | +178.1% |
<製商品売上高の内訳>
(億円) | 2022年 第1四半期 | 2021年 第1四半期 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
製商品売上高 | 2,427 | 1,303 | +86.3% |
国内 | 1,617 | 949 | +70.4% |
オンコロジー領域 | 584 | 579 | +0.9% |
プライマリー領域 | 1,032 | 369 | +179.7% |
海外 | 810 | 354 | +128.8% |
【研究開発活動の進展】(2022年2月4日~2022年4月25日)
Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
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