中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2022年03月07日

  • 医薬品
  • 研究開発

ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ」慢性リンパ性白血病に対し適応拡大申請

中外製薬株式会社
日本新薬株式会社

  • 未治療の慢性リンパ性白血病を対象に、ガザイバとアカラブルチニブの併用を評価した第III相臨床試験であるELEVATE-TN試験の成績を基に中外製薬が承認申請

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)および日本新薬株式会社(本社:京都、代表取締役社長:中井 亨)は、抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ®点滴静注1000 mg」[一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え)]について、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia: CLL)に対する適応拡大の承認申請を、3月4日に中外製薬が厚生労働省に行いましたのでお知らせいたします。

 中外製薬 代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「CLLに対する治療オプションは近年増加し、長期生存が見込める可能性が高まっているため、長期にわたる治療における安全性の確保が重要です。このため疾患をコントロールするとともに許容可能な安全性プロファイルを示す治療薬へのアンメットメディカルニーズが高まっています」と述べるとともに、「CLLに対する新たな治療選択肢としてガザイバが治療に貢献できるよう、承認に向けて取り組んでまいります」と語っています。

 日本新薬 代表取締役社長の中井 亨は、「ガザイバが新たな適応であるCLLの製造販売承認申請に至ったことを大変喜ばしく思います。当社が注力する血液がん領域において、ガザイバにCLLの効能が追加されることで、医療現場のニーズにお応えするとともに、患者様の治療により一層貢献できるものと考えています」と述べています。

 今回の承認申請は、未治療のCLL患者さんを対象にアストラゼネカ社が実施した、ガザイバとアカラブルチニブ(ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、製品名:カルケンス®)の安全性および有効性を評価したグローバル第III相臨床試験であるELEVATE-TN試験(ACE-CL-007)等の成績に基づいています。

ELEVATE-TN試験について
 ELEVATE-TN試験(ACE-CL-007、NCT02475681)は、前治療歴のないCLL患者さんを対象に、アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法またはアカラブルチニブの単剤療法を、化学療法であるクロラムブシル(国内未承認)とオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した、無作為化、多施設共同、非盲検のグローバル第III相臨床試験です。本試験では、535例を1:1:1の割合で以下の3群に割付けしました。

  • クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法
  • アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法
  • アカラブルチニブ単剤療法

 主要評価項目は、クロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法の無増悪生存期間(Progression Free Survival: PFS)で、独立判定委員会(IRC)によって評価されました。副次的評価項目はクロラムブシルとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法のPFSで、IRCによって評価されます。他の副次的評価項目は、全奏効率、次治療までの期間、安全性および全生存期間です1)

ガザイバ(オビヌツズマブ)について
 ガザイバ(オビヌツズマブ)は、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体です。ガザイバは、標的となるB細胞を直接、および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。国内では、中外製薬および日本新薬が共同開発・共同販売を行っています。

慢性リンパ性白血病(CLL)について
 慢性リンパ性白血病(CLL)は、新たに診断される人が、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満と少ないがんです2)。CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり、これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります3)。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLの基本的な増殖経路の一つです。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

【出典】

  1. ClinicalTrials.gov. Elevate CLL TN: Study of Obinutuzumab + Chlorambucil, Acalabrutinib(ACP-196) + Obinutuzumab, and Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated CLL. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02475681 [インターネット:2022年1月確認]
  2. 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 国立がん研究センターがん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html [インターネット:2022年1月確認]
  3. Takizawa J, et al. Comparative Analysis of Japanese and European Typical CLL Patients. Blood. 02 December 2016;128(22):5564.

以上

本件に関するお問い合わせ先:

中外製薬株式会社
広報IR部

メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
mailto: pr@chugai-pharm.co.jp

インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
mailto: ir@chugai-pharm.co.jp

日本新薬株式会社
広報部
Tel: 075-321-9103

  • Facebookのシェア(別ウィンドウで開く)
  • ポストする(別ウィンドウで開く)
  • Lineで送る(別ウィンドウで開く)
  • メールする(メールソフトを起動します)
トップに戻る