中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2021年10月27日

同種(他家)MSCを利用した三次元人工組織の膝軟骨再生細胞治療製品(開発番号「gMSC®1」)の第III相比較臨床試験の症例登録完了について

中外製薬株式会社
株式会社ツーセル

 中外製薬株式会社[本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修](以下、中外製薬)と株式会社ツーセル(本社:広島県広島市、代表取締役社長:日浦 敏樹、以下、ツーセル)は、膝軟骨再生細胞治療製品(開発番号「gMSC®1」)の第III相比較臨床試験において目標症例数となる70例目の手術が実施され、本臨床試験の症例登録を終了いたしましたのでお知らせします。

 本臨床試験は、膝関節における症候性の外傷性軟骨損傷の患者さんおよび離断性骨軟骨炎の患者さんを対象に、同種(他家)MSCの三次元人工組織であるgMSC®1を移植した際の安全性および有効性を標準治療法であるマイクロフラクチャー法と比較・検討するものです。2017年11月29日に1例目を登録し、今般、目標登録数である70例目の手術を完了いたしました。今後、主要評価項目である手術実施後52週の軟骨の組織学的評価および自覚症状が検証されます。

 中外製薬代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「膝関節の軟骨は、脚のスムーズな動きを支える重要な機能を有しています。関節軟骨は再生能力が低く、その損傷に対しては、さまざまな治療法が検討されています。gMSC®1は、患者さんの組織採取を伴わない再生細胞治療によって膝軟骨の修復を目指すものであり、既存治療におけるアンメット・メディカルニーズに解決の道を拓く可能性を秘めています。本臨床試験の今後の評価により、中外製薬にとって初めての再生医療プロジェクトであるgMSC®1の価値が証明され、多くの患者さんへの貢献につながることを期待しています」と述べています。

 ツーセル代表取締役社長の日浦 敏樹は、「COVID-19で計画に大きな影響がありましたが、今回、無事に症例登録を完了することが出来ました。同種(他家)製品に必要な基本技術の開発や、ドナーからの組織提供、最終製品の製造までを一貫して日本国内で初めて行うGCTP対応施設の準備について、パートナー企業である中外製薬様から最大限の支援を得て広島の地で順調に進めております。一日でも早く商用生産体制を構築し、再生医療を身近な治療とすべく邁進してまいります」と語っています。

 中外製薬とツーセルは2016年にgMSC®1に関するライセンス契約を締結しています。本契約の下、ツーセルは本臨床試験を実施するとともに、gMSC®1の製造・供給責任を担います。中外製薬は、日本におけるgMSC®1の共同開発権および独占的販売権を保有し、今後、国内における製造販売承認申請を担います。

 中外製薬とツーセルは、より多くの患者さんに一日でも早く革新的な治療選択肢をお届けするために、世界に先駆けた同種(他家)滑膜由来の間葉系幹細胞を用いた軟骨再生医療の実用化に取り組んでまいります。

【参考情報】

膝軟骨再生細胞治療製品(開発番号「gMSC®1」)の第III相比較臨床試験 第1例目の手術を実施(2017年11月29日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20171129170000_63.html

中外製薬とツーセルによる膝軟骨再生細胞治療製品「gMSC®1」に関するライセンス契約の締結について(2016年04月25日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20160425150000_190.html

治験に関する参照先:
財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)医薬品情報データベース
http://www.clinicaltrials.jp/user/cteSearch.jsp

膝軟骨再生細胞治療製品「gMSC®1」について
gMSC®1は、ツーセルが開発を進めている滑膜由来の間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)を用い、大阪大学や広島大学との共同研究により軟骨再生を目的に創製した再生細胞治療製品です。この製品は、ツーセルが所有している技術および無血清培地(STK®1、STK®2)を用いて創製された同種(他家)MSCの三次元人工組織(担体を必要としない)であり、軟骨再生に有効な治療法を提供することが期待されております。また、gMSC®1の研究開発においては、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、経済産業省、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の支援を受けて推進してまいりました。

中外製薬について
中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業です。ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開し、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。

ツーセルについて
ツーセルは、再生医療の普及によって患者さんが新たな治療法を選択できるようになることを目指して2003年に広島で起業したバイオベンチャー企業です。再生医療の普及を目指し、間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)に注目し、MSCを用いた細胞治療製品と、MSC周辺の培養技術や再生医療システムの構築に取り組んでいます。

上記本文中に記載された製品名はすべて、商標権により保護されています。

以上

本件に関するお問い合わせ先

中外製薬株式会社
広報IR部
報道関係の皆様
メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
Mail: pr@chugai-pharm.co.jp

アナリスト・投資家の皆様
インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
Mail: ir@chugai-pharm.co.jp

株式会社ツーセル
経営管理本部
Tel:082-250-3138
Fax:082-250-3148
E-mail: website-info@twocells.com

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