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2021年09月29日

テセントリク、第III相試験の新たなデータで早期肺がんに対する有用性を支持

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が9月20日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることにご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2021-09-20.htmをご覧ください。

 ロシュ社は9月20日、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)プレジデンシャル・シンポジウムにて、第III相試験であるIMpower010の新規データを発表し、腫瘍細胞でPD-L1が1%以上発現しているII期~IIIA期の非小細胞肺がん(NSCLC:non-small cell lung cancer)においてテセントリク®(アテゾリズマブ)が無病生存期間(DFS:disease-free survival)の有意な延長を示した結果を強固にしました。IMpower010試験のデータは、「The Lancet」誌に同時掲載されました。IMpower010試験では、腫瘍細胞でPD-L1が1%以上発現しているII期~IIIA期のNSCLCで手術および化学療法を実施後のテセントリクによる治療が、支持療法(BSC:best supportive care)と比較して、再発または死亡リスクを34%低下させました(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.50~0.88)。テセントリクの安全性は、これまでに認められている安全性プロファイルと同様であり、新たな安全性上の懸念は示されませんでした。

 ESMO Virtual Congress 2021で発表されたIMpower010試験のデータでは、II期~IIIA期の患者において、臨床病期または主な前治療の種類によらず、テセントリクによるアジュバント療法がDFSを改善することを示しました1,2。特に、腫瘍細胞でPD-L1が1%以上発現しているII期~IIIA期のNSCLCにおいては、再発部位が局所および遠隔のいずれにおいても、テセントリクはBSCと比較して再発までの期間を改善し、再発部位での明確な違いがないことが示されました。II期~IIIA期におけるPD-L1発現別のサブグループ解析では、PD-L1が50%以上発現している人は、PD-L1が1~49%発現している人に比較し、テセントリクのアジュバント療法による有用性が高い可能性が示唆されました。PD-L1が1~49%発現している患者に対する探索的な解析では確固たる結論は出せず、さらなる解析を進め、今後の医学系学会で発表する予定です。

 国際肺癌学会(IASLC:International Association for the Study of Lung Cancer)・世界肺癌会議(WCLC:World Conference on Lung Cancer)2021のプレジデンシャル・シンポジウムで発表された追加のIMpower010試験のデータでは、PD-L1が1%以上発現しているII期~IIIA期のNSCLCにおいて、ほとんどの術式や術後補助化学療法の種類によらず、テセントリクによる治療がBSCと比較してDFSを改善することを示しました2

IMpower010試験について
 IMpower010試験は、UICC第7版で定義されるIB期~IIIA期の非小細胞肺がん(NSCLC)で、手術後に最大4サイクルのシスプラチンを含む補助化学療法を受けた患者さんを対象に、支持療法(BSC)と比較してテセントリクの有効性と安全性を評価する多施設共同非盲検無作為化グローバル第III相臨床試験です。本試験では、1,005名の患者さんをテセントリク群(最大16サイクル投与)とBSC群に1:1で割り付けました。主要評価項目は、II~IIIA期のPD-L1陽性集団、II~IIIA期の全集団およびIB~IIIA期のITT集団それぞれにおける主治医判定による無病生存期間(DFS)です。主要な副次評価項目には、IB~IIIA期のITT集団全体における全生存期間(OS)が含まれています。

非小細胞肺がんについて
 日本人における肺がんの年間罹患者数は130,000人(男性86,800人、女性 43,100人、2020年予測値)と推計されています。また国内の死亡者数は75,600人(男性53,200人、女性22,300人、2020年予測値)であり、がんにともなう死亡原因の第1位となっています3。肺がんは組織型により小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大別され、非小細胞肺がんは最も患者数が多く、全肺がんの約85%を占めます4

テセントリクの国内承認状況について
 2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、同年12月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加について承認を取得しています。また、2019年8月に「進展型小細胞肺癌」、同年9月に「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」、同年11月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加、2020年9月に「切除不能な肝細胞癌」に対する承認、同年12月に「化学療法未治療のPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法・用量の追加に対する承認を取得しました。

参考情報
 テセントリクの国内開発は中外製薬が実施しており、日本からもIMpower010試験に参加しています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典
1. Felip E, et al. IMpower010: Sites of Relapse and Subsequent Therapy From a Phase 3 Study of Atezolizumab vs Best Supportive Care After Adjuvant Chemotherapy in Resected Stage IB-IIIA NSCLC [ESMO 2021 Abstract #LBA9].
2. Altorki N, et al. IMpower010: Characterization of Stage IB-IIIA NSCLC Patients by Type and Extent of Therapy Prior to Adjuvant Atezolizumab [WCLC 2021 Abstract #PL02.05].
3. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html. アクセス日:2021年9月
4. American Cancer Society: What Is Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/about/what-is.html. アクセス日:2021年9月

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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