中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2020年06月23日

ロシュ、リスジプラムにおけるSUNFISH試験の2年経過時データ、および乳児、小児、成人の脊髄性筋萎縮症を対象としたJEWELFISH試験の新たなデータを公表

News Summary

本資料は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているエフ. ホフマン・ラ・ロシュ社が6月12日(バーゼル発)に発表したプレスリリースの一部を和訳・編集し、参考資料として配布するものです。正式言語が英語のため、表現や内容は英文が優先されることをご留意ください。
原文は、https://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2020-06-12.htmをご覧ください。

 ロシュ社は6月12日、2~25歳のII型またはIII型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)患者さんを対象にリスジプラムを評価した、ピボタル試験であるSUNFISH試験のパート1の2年間の成績をバーチャルで開催されているCureSMA学会(2020年6月8~12日開催)にて発表しました。探索的な有効性解析の結果、リスジプラムは自然歴のデータと比較し、投与24カ月時点で運動機能の有意な改善を示しました。他のSMA治療薬による治療歴を有する6カ月~60歳のSMAタイプを対象とする、JEWELFISH試験の12カ月時点の予備的な結果では、リスジプラムの投与によりSMN(survival motor neuron)タンパクレベルが急速に上昇し持続することが示されました。新たな安全性のシグナルは認められず、リスジプラムの安全性は他のSMA治療薬による治療歴のない患者さんでこれまでに認められている安全性プロファイルと同様でした。

 SUNFISH試験は、小児および成人を対象とした2つのパートからなるグローバルな大規模試験(n=231)です。SUNFISH試験の用量設定パート1(n=51)では、座位を保てない方から歩行可能な方に加え、側弯症や関節拘縮の患者に至るまで、幅広い集団を対象としています。

 SUNFISH試験のパート1で行った探索的な有効性解析では、Motor Function Measure(MFM)を用いて運動機能を評価しました。MFMは、SMAを含む神経筋疾患患者さんの運動機能の細部および全般を評価するために確立された評価尺度です。起立および歩行から手指の運動まで32項目の運動機能を評価します。頑健性のある自然歴コホートのデータと比較した加重分析の結果、24カ月時点におけるMFMのベースラインからの変化は、リスジプラムを投与した患者さんの方が大きくなりました[3.99ポイントの改善(95%信頼区間:2.34~5.65)、p<0.0001]。

 またリスジプラム投与により、4週間後には血中SMNタンパクレベルが中央値で2倍に増加し、その後少なくとも24カ月持続したことが示されました。本結果は、以前に投与12カ月時点で報告された結果とも一致しています。

 これらのSUNFISH試験のパート1の結果は、歩行不能な患者を対象とした投与12カ月時点のピボタルなSUNFISH試験のパート2の結果と一致しています。パート2では、リスジプラム投与群はプラセボ投与群と比較して、MFM32のベースラインからの変化において有意な改善を示しました(1.55ポイントの改善、p=0.0156)。

 SUNFISH試験のパート1で多く確認された有害事象は、熱(発熱、55%)、咳嗽(35%)、嘔吐(33%)、上気道感染(31%)、感冒(鼻咽頭炎、24%)、および咽頭痛(口腔咽頭痛、22%)でした。リスジプラム投与により、最もよくみられた重篤な有害事象は肺炎(51例中3例)でした。これまでに、治療関連の投与中止に至った安全性の所見は認められていません。

 なお、国内からJEWELFISH試験には参加していません。

【参考情報】

リスジプラムが脊髄性筋萎縮症に対する希少疾病用医薬品に指定(2019年3月27日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190327150001_831.html

リスジプラムについて
 リスジプラムは、中枢神経系および全身のSMNタンパクレベルを増加させるように創製された、経口投与が可能な臨床開発中の薬剤です。運動神経および筋肉機能をよりよくサポートするために、SMN2遺伝子から機能性のSMNタンパクの産生が増加するように設計されています。2018年12月には欧州医薬品庁(EMA)より、SMAの治療薬としてPRIME(PRIority MEdicines)指定を受けています。欧州、米国およびスイスではオーファンドラッグ指定を受け、また米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。日本では2019年3月に希少疾病用医薬品指定を受けています。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
 SMAは、遺伝性の神経筋疾患であり、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します1。乳幼児では最も頻度の高い致死的な遺伝性疾患です2。乳児期から小児期に発症するSMAの患者数は10万人あたり1~2人です3。SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子で、SMN1遺伝子の機能不全に加え、SMN2遺伝子のみでは十分量の機能性のSMNタンパクが産生されないため発症する疾患です4

出典
1 Farrar MA and Kiernan MC. The genetics of spinal muscular atrophy: progress and challenges. Neurotherapeutics. 2015;12:290-302.
2 Cure SMA. About SMA. 2018. Available from: http://www.curesma.org/sma/about-sma/. Accessed June 2020.
3 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/. Accessed June 2020.
4 Kolb SJ and Kissel JT. Spinal muscular atrophy. Neurol Clin. 2015;33:831-46.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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