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2020年02月13日

産学連携全国がんゲノムスクリーニング「SCRUM-Japan」第三期プロジェクトにおけるFoundationOne Liquidに関するパートナーシップ契約締結について

Foundation Medicine Inc.
中外製薬株式会社

  • SCRUM-Japanにおいて、リキッドバイオプシー検査に基づいたインサイトを提供することにより、プレシジョンメディシンに基づく医療の発展を浸透・加速させ、進行固形がん患者さんへの貢献を目指す

 ファウンデーションメディシン社(本社:米国・マサチューセッツ州、CEO:Cindy Perettie、FMI)および中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗、中外製薬)は、国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都中央区、理事長:中釜 斉)と、国内最大規模を誇る産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクトである「SCRUM-Japan」の第三期プロジェクトにおいて、FMIの血液を用いた遺伝子解析(リキッドバイオプシー検査)FoundationOne® Liquidの利用に関する契約を締結したことをお知らせいたします。本プロジェクトは、国内およびアジアを対象とした幅広い地域で、医療機関と連携しゲノムスクリーニングを行うことで、革新的なバイオマーカーを用いたがん治療における個別化医療の高度化の促進を目指します。

 SCRUM-Japan第三期プロジェクトでは、①アジアの医療機関が一体となり、希少頻度の遺伝子変異を持つ肺がん患者さんをスクリーニングして、新薬開発につなげることを目的とした「LC-SCRUM-Asia」、②研究対象を、第二期までの消化器がんのみから、広範な固形がん患者さんへと拡大した「MONSTAR-SCREEN」の2つのプロジェクトが進行しています。

 FMI最高医学責任者のBrian Alexanderは「SCRUM-Japanは新たな治療を必要とする患者さんに対し、プレシジョンメディシンという新しい医療の形を提供することを目指した産学連携のモデル事業です」と述べるとともに、「FoundationOne Liquidによるスクリーニングにより、病気が進行し、治療選択肢が限られる進行固形がん患者さんに対し、治療選択に繋がりうる意義のある情報提供が可能となります。本連携を通じて、包括的がんゲノムプロファイリングへのアクセスを拡大できることを非常に喜ばしく考えています」と語っています。

 中外製薬執行役員ファウンデーションメディシンユニット長の渡邉 稔は「SCRUM-Japanは、進行がん患者さんに有効な治療を届けることを目指した非常に先進的な取り組みです。進行がんの患者さんでは、侵襲的な生検をはじめ、腫瘍組織の取得が難しいケースにおいて、血液検体によるゲノムプロファイリングへのニーズが高くなっています」と述べるとともに、「本邦におけるゲノムスクリーニングを牽引してきたNCCならびにFMIとの連携は、真のプレシジョンメディシン達成につながる重要な取り組みになることを確信しています」と語っています。

 国立がん研究センター東病院長 兼 SCRUM-Japan事業代表者の大津 敦は「SCRUM-Japanは、患者さんに最適な治療薬を提供することを目指し、がんの遺伝子変異を調べることを目的に始まったプロジェクトです。第一期および第二期プロジェクトでは、1万人以上の患者さんの臨床・ゲノムデータが登録され、本データを用いた臨床試験をもとに、5つの新薬および6種類の体外診断薬の薬事承認を取得するなどの成果が得られました」と述べるとともに、「一方、がんは依然として日本の死亡原因のトップであり、なかでも肺がんによる死亡が、がんによる死亡原因の一位です。FoundationOne Liquidの「LC-SCRUM-Asia」と「MONSTAR-SCREEN」への導入により、包括的ゲノムプロファイリング検査の有用性の理解がより深まると信じています」と語っています。

 肺がんおよび消化器がんは日本におけるがんによる死亡原因の上位にあり、WHOによると2018年のがんによる死亡の72%を占めています。本プロジェクトにおいて、FMIと中外製薬は、「LC-SCRUM-Asia」と「MONSTAR-SCREEN」に参加する国内の医療機関へFoundationOne Liquidを提供します。

 FMIは、自社の新たなバージョンのリキッドバイオプシー検査について、2018年4月に米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Device指定を受けており、現在、FDAが承認審査を行っています。国内では、中外製薬がFMIと連携の上、同製品の保険適応下での利用を目指し、製造販売承認申請に向けて準備を進めています。また、上記2つのプロジェクトに現在提供されているFoundationOne Liquidによる検査は、FDAからの承認にともない、新たなバージョンの検査へと移行する予定となっています。

SCRUM-Japanについて
 SCRUM-Japanは国内最大規模を誇る産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクトであり、革新的なバイオマーカーを用いたがん治療における個別化医療の高度化の促進を目指します。2015年の設立以降、計1万人以上の進行がん患者さんがSCRUM-Japanの研究に参加しました。2019年6月より開始された第三期プロジェクトでは2つのプロジェクトが進行しています。「LC-SCRUM-Asia」は、肺がん患者さんに個別化医療を提供することを目的に遺伝子変異の状況を調べています。本プロジェクトはこれまで日本と台湾の200以上の施設にて実施されてきましたが、今回その対象をアジア諸国へと拡大しました。一方、「MONSTAR-SCREEN」は、消化器がんを含む広範な進行固形がんにおける遺伝子解析を行います。これまでに日本国内で28の医療機関が参加しており、様々な種類の固形がん患者さんの参加を目指しています。SCRUM-Japanに関するさらに詳しい情報はhttp://www.scrum-japan.ncc.go.jp/index.htmlをご参照ください。

ファウンデーションメディシン(Foundation Medicine Inc.)について
 ファウンデーション・メディシン(FMI)は、個々の患者さんのがんに関与する遺伝子変異に対する詳細な理解を通じて、がん治療に革新をもたらし貢献することを目指したモレキュラー・インフォメーション企業です。FMIは包括的ゲノムプロファイリング検査を通じて、患者さんのがん関連遺伝子変異を特定し、その遺伝子情報に関係する分子標的治療、がん免疫療法および臨床試験情報(治験情報)を結び付け、診断および治療の補助となる情報を提供します。FMIのモレキュラー・インフォメーション・プラットフォームは、臨床医、研究者ならびに製薬企業のニーズに応えることにより、がんの分子生物学に関する科学の進歩を支援し、ひいては患者さんの日々の治療の改善を目指します。FMIに関するさらに詳しい情報はhttps://www.foundationmedicine.com/をご覧いただくか、Twitter(@FoundationATCG)をフォローしてください。

中外製薬について
 中外製薬は、医療用医薬品に特化し東京に本社を置く、バイオ医薬品をリードする研究開発型の東京証券市場一部上場の製薬企業であり、ロシュ・グループの重要メンバーとして、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開し、アンメット・メディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
 中外製薬に関するさらに詳しい情報はhttps://www.chugai-pharm.co.jp/をご覧下さい。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
Foundation Medicine®およびFoundationOne®はFoundation Medicine, Inc.の登録商標です。

出典: Foundation Medicine, Inc.

以上

本件に関するお問い合わせ先:

Foundation Medicine Inc.
Lee-Ann Murphy
Tel: 617-245-3077
E-mail: pr@foundationmedicine.com

中外製薬株式会社 広報IR部
メディアリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0881
E-mail: pr@chugai-pharm.co.jp

インベスターリレーションズグループ
Tel: 03-3273-0554
E-mail: ir@chugai-pharm.co.jp

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