中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年09月12日

視神経脊髄炎スペクトラムに対するサトラリズマブの2つ目の第III相国際共同治験のポジティブな成績を欧州多発性硬化症学会(ECTRIMS)2019で発表

  • ベースライン治療との併用療法に続き、サトラリズマブの単剤投与は、視神経脊髄炎スペクトラムに対して再発リスクを有意に55%減少
  • サトラリズマブの単剤投与はベースライン治療との併用療法と同じく、安全性プロファイルはプラセボ群と同様であった
  • 視神経脊髄炎スペクトラムを予定適応症として、本年中にグローバルでの申請を予定

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、視神経脊髄炎スペクトラム(NMOSD:Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder)を対象として開発中のヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体サトラリズマブ(開発コード:SA237)について、欧州多発性硬化症学会(ECTRIMS)2019(9月11~13日開催)で、多施設共同第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験SAkuraStar試験の結果を発表したことをお知らせいたします。SAkuraStar試験では、サトラリズマブ単剤投与の有効性および安全性が評価されました。

 SAkuraStar試験において、サトラリズマブは、NMOSDの患者さん(抗AQP4抗体陽性/陰性をいずれも含む)に相応する全体集団における再発リスクを55%減少させました(ハザード比:0.45[95%信頼区間:0.23-0.89]、p=0.0184[層別log-rank検定])。また治験期間を通じて、サトラリズマブは良好な安全性プロファイルを示しました。

 上席執行役員 プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「サトラリズマブは、2本の臨床試験で単剤およびベースライン治療への上乗せ投与のいずれにおいても有用性を示した、NMOSDに対する初の治療薬です。IL-6阻害がNMOSD治療における有効なアプローチであり、サトラリズマブがNMOSDの患者さんに広く貢献できることを示すものです」と述べるとともに、「NMOSDは、再発により障害が蓄積され、生命を脅かすことがあります。患者さんの状態に応じた新たな治療候補としてサトラリズマブを一日も早く提供できるよう、本年中のグローバル申請に向けてロシュと協働してまいります」と語っています。

SAkuraStar試験(NCT02073279)
概要:

NMOSDを対象として、サトラリズマブを投与した際の有効性および安全性を評価した多施設共同第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験

<主要評価項目>
二重盲検期間における治験実施計画書に規定された初回再発(独立委員会により判定)までの期間
<主な副次的評価項目>
疼痛用Visual Analogue Scale(VAS)スコア
Functional Assessment of Chronic Illness Therapy(FACIT)疲労尺度スコア

試験デザイン:

  • スクリーニング前12カ月以内に少なくとも1回以上の再発(初発含む)をした、20~70歳の男女95例をランダム化
  • 患者をサトラリズマブまたはプラセボのいずれかに2:1の割合で無作為に割り付け、サトラリズマブ(120 mg)単剤またはプラセボを0、2および4週目、その後は4週間隔で皮下投与する。
  • 二重盲検期間は、治験実施計画書に規定された再発の総数が44件に達した時点、または最終症例の登録後1.5年経過した時点で終了する。二重盲検期間終了後は、非盲検継続投与期間に移行し、両群ともサトラリズマブにより治療を継続することができる。
  • 抗アクアポリン4(AQP4:aquaporin-4)抗体陽性および陰性の視神経脊髄炎(NMO:Neuromyelitis Optica)*または抗AQP4抗体陽性のNMOSDの診断基準に合致した患者を組み入れる。
    *NMOは2006年に提唱された疾患分類による

主な成績:

  • サトラリズマブは、NMOSDの患者さん(抗AQP4抗体陽性/陰性をいずれも含む)に相応する全体集団における再発リスクを55%減少させ、統計学的な有意差をもって主要評価項目(二重盲検期間における治験計画書に規定された初回再発までの期間)を達成しました(ハザード比:0.45[95%信頼区間:0.23-0.89]、p=0.0184[層別log-rank検定])。
  • 事前に規定されたサブグループ解析の結果、サトラリズマブの抗AQP4抗体陽性群に対するプラセボ群の再発までの期間のハザード比は0.26でした(N=64、95%信頼区間:0.11-0.63)。
  • サトラリズマブは治験期間を通じて良好な安全性プロファイルを示しました。重篤な感染症を含む重篤な有害事象の発現率は、サトラリズマブ群とプラセボ群で同様でした。

【参考情報:SakuraSky試験】
サトラリズマブの視神経脊髄炎関連疾患に対する第III相国際共同治験の成績を欧州多発性硬化症学会(ECTRIMS)2018で発表(2018年10月15日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20181015120001_772.html

サトラリズマブについて
 サトラリズマブは中外製薬が創製した、ヒト化抗IL-6レセプターリサイクリング抗体です。NMOSDの病態に深くかかわるとされるIL-6シグナルを阻害することで、NMOSDの再発を抑制することが期待されています。NMOSDの患者さんを対象とした2つの第III相国際共同治験において、ベースライン治療に対する上乗せ投与および単剤投与でそれぞれ主要評価項目を達成しました。これらの2試験は希少疾患に行われた大規模臨床試験の一つです。米国および欧州では希少疾病用医薬品の指定を受けています。また、NMOおよびNMOSDを対象として、2018年12月に米国食品医薬品局からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けました。

NMOSDについて
 NMOSDは、視神経と脊髄の炎症性病変を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、生涯にわたって衰弱を引き起こします。NMOSDの患者さんは、症状の繰り返す再発経過をたどることが多く、神経の損傷や障害が蓄積されます。症状として、視覚障害、運動機能障害や生活の質の低下などが現れます。症状の発生が致死的な結果となる場合もあります。NMOSDは病原性の抗体であるAQP4抗体に関わっているとされています。AQP抗体はアストロサイトと呼ばれる中枢神経に存在する細胞を標的としており、視神経や脊髄、脳に炎症を引き起こすことが知られています。またAQP4抗体はNMOSDの患者さんの3分の2で認められます1)-4)。炎症性サイトカインであるIL-6は、NMOSDの発症に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあります。2006年に視神経炎および脊髄炎を伴うNMOの診断基準、2007年に視神経炎や脊髄炎のみの症例に対するNMOSDの診断基準が提唱されました。2015年に両疾患を整理・統合し、広義の疾患群として新たにNMOSDの概念が提唱され、現在広く用いられています5)

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

  1. Jarius S, Ruprecht K, Wildemann B et al. Contrasting disease patterns in seropositive and seronegative neuromyelitis optica: A multicentre study of 175 patients. J Neuroinflammation 2012;9:14.
  2. Lennon VA, Wingerchuk DM, Kryzer TJ et al. A serum autoantibody marker of neuromyelitis optica: distinction from multiple sclerosis. Lancet 2004;364:2106-12.
  3. Marignier R, Bernard-Valnet R, Giraudon P et al. Aquaporin-4 antibody-negative neuromyelitis optica: Distinct assay sensitivity-dependent entity. Neurology 2013;80:2194-200.
  4. Takahashi T, Fujihara K, Nakashima I et al. Anti-aquaporin-4 antibody is involved in the pathogenesis of NMO: a study on antibody titre. Brain 2007;130:1235-43.
  5. Wingerchuk DM, Banwell B, Bennett JL et al. International consensus diagnostic criteria for neuromyelitis optica spectrum disorders. Neurology 2015;85:177-89.

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp
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