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2018年12月04日
ヘムライブラ®の小児のインヒビター保有の血友病Aに対する第III相国際共同治験 HAVEN 2試験の主要解析結果を米国血液学会総会(ASH)で発表
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、血友病A治療薬ヘムライブラ®[一般名:エミシズマブ(遺伝子組換え)]について、小児のインヒビター保有の血友病Aに対する第III相国際共同治験であるHAVEN 2試験(NCT02795767)の主要解析結果を、米国・サンディエゴで開催中の第60回米国血液学会総会(the American Society of Hematology:ASH)(12月1-4日)にて、口頭発表いたしました。本発表には、ヘムライブラの週1回投与における追加フォローアップ期間11カ月(中央値)のデータに加え、新規データとして2週に1回および4週に1回投与での成績が含まれ、それぞれにおいて良好な出血リスクのコントロールを示しました。
上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は「小児の血友病Aの方々では、出血リスクのコントロールがより重要です。12歳未満のインヒビター保有の方々に対し、ヘムライブラのより長期間にわたる良好なデータが示されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「ヘムライブラは50カ国以上で承認されています。今回のデータにより、治療選択肢が限られるインヒビター保有の血友病Aの治療にさらなる貢献が果たせることを願っています」と語っています。
HAVEN 2試験
概要
HAVEN 2試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳未満の血友病A患者を対象に、ヘムライブラを週1回、2週に1回または4週に1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するオープンラベル多施設共同国際第III相臨床試験です。本主要解析における有効性の評価は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳未満の血友病A患者85名(ヘムライブラ週1回投与65名、同2週に1回投与10名、同4週に1回投与10名)を対象にしています。なお、観察期間中央値(範囲)は、A群58週(17.9–92.6週)、B群21.3 週(18.6–24.1週)、C群19.9週(8.9–24.1週)でした。
試験デザイン n=85
- 各群の投与内容は以下のとおり。
A群
(n=65)ヘムライブラ3mg/kgを週1回、4週間定期投与し、
その後1.5mg/kgへ用量を変更し週1回の頻度で定期投与B群
(n=10)ヘムライブラ3mg/kgを週1回、4週間定期投与し、
その後3mg/kgを2週間に1回の頻度で定期投与C群
(n=10)ヘムライブラ3mg/kgを週1回、4週間定期投与し、
その後6mg/kgを4週間に1回の頻度で定期投与 - なお、ヘムライブラの週1回定期投与群(A群)においては、バイパス製剤による定期治療を受けていた患者(n=15)およびバイパス製剤によるオンデマンド治療を受けていた患者(n=3)について、ヘムライブラの週1回定期投与との個体内比較を実施しました。
主な結果
A群 | ||
---|---|---|
年間出血頻度(回/年) (95%信頼区間) | 年間出血頻度中央値 (回/年)(四分位範囲) | |
治療を要した出血 (主要評価項目) |
0.3 (0.17; 0.50) |
0.0 (0.00; 0.00) |
全出血 | 3.2 (1.94; 5.22) |
0.6 (0.00; 2.92) |
治療を要した特発性出血 | 0.0 (0.01; 0.10) |
0.0 (0.00; 0.00) |
治療を要した関節出血 | 0.2 (0.08; 0.29) |
0.0 (0.00; 0.00) |
治療を要した標的関節出血 | 推定不可能 | 0.0 (0.00; 0.00) |
治療を要した出血 | ||
---|---|---|
B群 | C群 | |
年間出血頻度(回/年) (95%信頼区間) |
0.2 (0.03; 1.72) |
2.2 (0.69; 6.81) |
年間出血頻度中央値 (回/年)(四分位範囲) |
0.0 (0.00; 0.00) |
0.0 (0.00; 3.26) |
出血が認められなかった 患者の割合 (95%信頼区間) |
90.0% (55.5; 99.7) |
60.0% (26.2; 87.8) |
出血回数が 1-3回であった患者の割合 (95%信頼区間) |
10.0% (0.3; 44.5) |
40.0% (12.2; 73.8) |
- A群において、治療を要した出血が認められなかった患者の割合は76.9%(95%信頼区間:64.8; 86.5)であり、出血回数が1-3回であった患者の割合は23.1%でした。
- A群において、バイパス製剤による定期治療を受けていた患者(n=15)およびバイパス製剤によるオンデマンド治療を受けていた患者(n=3)の個体内比較を実施したところ、ヘムライブラの週1回定期投与により、治療を要した出血の頻度が99%(95%信頼区間:97.7; 99.4)減少しました。
- 10%以上の患者で確認された有害事象は、感冒様症状(鼻咽頭炎)(37.5%)、注射部位反応(29.5%)、発熱(23.9%)、上気道感染(23.9%)、咳(23.9%)、下痢(15.9%)、嘔吐(15.9%)、頭痛(14.8%)、挫傷(12.5%)、転倒(12.5%)、インフルエンザ(10.2%)でした。
- 血栓性微小血管症(TMA)および血栓事象については認められませんでした。
- ヘムライブラに対する抗薬物抗体(ADA)の発現が4名で認められました。このうち2名では、ヘムライブラの血中濃度が低下し、中和活性を有すると考えられるADAの発現が示唆されました。既に報告されている通り、この2名のうち1名では、ヘムライブラの効果の減弱がみられ、治療中止に至っています。もう1名の患者においては、データカットオフ時点で出血はみられておりません。
なお、同じくASHにおいて、中外製薬主導で実施した第VIII因子製剤未治療の乳児を含むインヒビター非保有の血友病A患者(12歳未満)を対象にヘムライブラの2週に1回または4週に1回の皮下投与による有効性、安全性および薬物動態を評価するHOHOEMI試験(国内試験)のポスター発表も行いました。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
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- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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