2016年12月22日

エミシズマブ
血友病Aに対する第lll相国際共同治験で主要評価項目を達成

-インヒビター保有患者さんへの出血抑制を目的とした定期投与の有効性が認められる-

中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治](以下、中外製薬)は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳以上の血友病A患者さんを対象に、出血抑制を目的にエミシズマブ(ACE910)を週1回皮下投与した第III相国際共同治験 HAVEN 1において、主要評価項目を達成したことをお知らせいたします。主要評価項目は、予防療法非投与群に対する本剤定期投与群での出血頻度の抑制であり、エミシズマブの定期投与により出血頻度の統計学的に有意な減少が確認されました。また、バイパス製剤の予防投与から本剤の定期投与に切り替えた群における、切り替え後の統計学的に有意な出血回数の減少も含め、すべての副次的評価項目も達成されました。本試験で最も多く確認された副作用は注射部位反応であり、これまでの試験と同様でした。

中外製薬 代表取締役社長 最高執行責任者の小坂 達朗は次のように述べています。
「本試験成績は、エミシズマブが血友病Aの治療に変革をもたらしうる薬剤であることを裏付けるものです。とりわけ、治療選択肢が限られている世界中のインヒビター保有の患者さんのもとに、本剤をファーストインクラスの医薬品として、いち早くお届けできるよう尽力してまいります」。

本試験では、2名の患者さんにおいて血栓塞栓関連事象が見られ、このほか2名の患者さんで血栓性微小血管症が認められました。これらの患者さんは、共通して、エミシズマブの定期投与を実施中、出血時に活性型プロトロンビン複合体製剤を追加投与していました。血栓塞栓関連事象2例は、いずれも抗凝固療法を必要とせず、一人の患者さんはエミシズマブの投与を再開しています。血栓性微小血管症の2例はいずれも完治しており、一人の患者さんはエミシズマブの投与を再開しています。

エミシズマブは、当社独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体です。本剤は活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替します1, 2)。また本剤は、「12歳以上で血液凝固第VIII因子のインヒビターを保有する血友病A患者さんに対する予防投与療法」として、2015年に米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定されています。

HAVEN 1試験は、エミシズマブの開発プログラムにおいて初めて結果が報告された第III相国際共同治験です。結果の詳細は今後開催される医学会にて発表される予定です。

【HAVEN 1試験(NCT02622321)の概要】
HAVEN 1試験は、エミシズマブを週1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するランダム化オープンラベル多施設共同国際第III相臨床試験です。本試験は、試験開始前にバイパス製剤による予防療法もしくは出血時止血療法を受けていた、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳以上の血友病A患者さん109名を対象に行われました。主要評価項目は、エミシズマブ定期投与群(A群)の予防療法非投与群(B群)に対する出血頻度の抑制です。副次的評価項目には、全出血頻度、関節出血頻度、特発性出血頻度、標的関節出血頻度、健康に関連する生活の質(HRQoL)スコア/健康状態、バイパス製剤の予防投与から本剤の定期投与に切り替えた群(C群)における切り替え前に対する出血頻度および安全性が含まれています。

<試験デザイン>
・試験開始前にバイパス製剤による出血時止血療法を受けていた患者群
 以下のいずれかの群に2:1でランダム化
     A群:エミシズマブを週1回の頻度で定期投与
     B群:試験開始前と同様に、バイパス製剤による出血時止血療法を継続
・ 試験開始前にバイパス製剤の予防投与を受けていた患者群
     C群:エミシズマブを週1回の頻度で定期投与
・ 試験開始前の非介入試験(BH29768)に参加し、バイパス製剤による出血時止血療法を受けていた患者群で、A群またはB群に参加できなかった患者群
     D群:エミシズマブを週1回の頻度で定期投与

【エミシズマブの血友病Aに対する開発状況】
現在、ロシュ社およびジェネンテック社と共同で、HAVEN 1のほか2つの第III相国際共同治験を実施中です。
・ インヒビターを保有する12歳未満の患者さんを対象とする試験(HAVEN 2)
・ インヒビターを保有しない12歳以上の患者さんを対象とする試験(HAVEN 3)
 
【参考文献】
1) Kitazawa, et al. Nature Medicine 2012; 18(10): 1570
2) Sampei, et al. PLoS ONE 2013; 8: e57479

 

以上

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

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